旧民主党以来のお家芸、ブーメランが立憲民主党に直撃! インターネット報道番組を配信する「Choose Life Project(CLP)」(共同代表・佐治洋、工藤剛史)の出演陣、エッセイスト・小島慶子氏、ジャーナリスト・津田大介氏、朝日新聞・南彰記者/前新聞労連委員長、東京新聞・望月衣塑子記者、ジャーナリストの安田菜津紀氏は1月5日、CLPが立憲民主党から資金提供を受けていたことを連名で告発した。政党のネット工作は立民側が自民党に対して追及してきたはずだがまさかのブーメラン。松の内の正月気分も軽く吹き飛ぶ大騒動に発展。取材を進めるとピースボート人脈まで浮上しており“リベラル冬の陣 ”というべきお寒い状況なのだ。
「CLP問題」身内に甘い体質を露呈した
苦笑するやら、情けないやら、という以外感想が見つからなかった。
TBS出身の元ディレクター・佐治洋氏がクラウドファンディングでCLPが運営できるようになるまで、立憲民主党・福山哲郎前幹事長に援助を求め資金提供を受けた―――というストーリー。
佐治氏は同局で『報道特集』などの制作に関わった。『報道特集』といえば反体制、反権力、権力の監視を鮮明に打ち出す番組だ。佐治氏がもし第三者の立場だったとして『報道特集』に携わったらどう報じただろうか。といっても野党の不祥事は“ スルー”かもしれない。
CLP・佐治氏が1月6日に公開した説明文によれば広告代理店等を通じて立民側からCLPに制作費として約1500万円(1動画あたり平均5万円・1番組 あたり平均12万円程度)が支払われたという。CLPの理念こそ立派だが資金繰りに困って政党の幹事長に相談するという。“ その発想はなかった”というものだ。
普通ならありえない方法でネットメディアに援助したわけだがその結果、CLP報道で立憲民主党の支持率が劇的に向上したわけでもない。また政権にダメージが与えられた実績もない。それ以前にCLPという存在を本件で知ったのが大方だろう。
もともとCLPというメディアがどの程度、リベラル層に浸透していたか分からない。あるウォッチャーによれば「抗議を受けてCLPはHP上で釈明したものの、その下にちゃっかりサポーター募集を掲載していました」というから、検証についても本気度が疑われる。その後、サポーターが微増した点からしても当面の運営に支障はなさそう。
とはいえリベラル界隈に与えたダメージは決して少なくない。
「政治とカネ」の問題は野党やマスコミが常日頃から追及してきたこと。しかも立憲民主党は昨年、小西洋之、杉尾秀哉両参議員議員がTwitterユーザーのDappi(@dappi2019)を名誉棄損で提訴した。両議員の訴状では言及していないが、小西議員は Dappiが自民党のネット工作との可能性を仄めかしている。
左派がいうところの「ネトウヨバイト」などのようにネット上の保守的な言説の裏には自民党の関与と訴えるのに通じている。
「Dappiの件は全く性質が異なる」と小西議員は強調するが、どう性質が異なるか明確な説明はないが、そもそもDappiは「報道関係者」ではない。一方、CLPのHPにアクセスすると「自由で公正な社会のためにー公共のメディアをめざす」とのスローガンが掲げられている。Dappiの場合、そもそも公正ともメディアとも謳っていない。
資金提供を主導したのは立民・福山哲郎前幹事長。告発を受けて1月6日に同氏名で釈明文が発表されたが、文言から“ 逆ギレ”感が伝わってくる。政権批判には舌鋒鋭く、自党の不祥事になると大甘。これまた旧民主党以来の伝統芸としかいいようがない。しかしそれ以上に疑問を感じたのは支持者の強弁だ。「自由と公正」「市民参加型」を謳うメディアに対して公党が資金援助していた現実。これに対して「裏切り」という思いはないのだろうか。むしろ「Dappiよりまし」「それより自民党の闇を」といった擁護論が散見された。こうした支援者のあり方が立憲民主党の低迷と無関係ではあるまい。
Dappi裁判の弁護士が社長を務めるブルージャパン
CLP問題が発覚すると同時にDappi裁判の担当弁護士、早稲田リーガルコモンズ法律事務所の竹内彰志弁護士が社長を務めるブルージャパン株式会社が浮上することになる。同社は早リ法律事務所と所在地が同一。また安全保障関連法に反対した学生グループ「SEALDs(シールズ)」のメンバーらが所属しており、活動家の就職先などと揶揄されていた。
竹内氏はシールズの理解者で支援者だ。竹内氏が同団体に150万円の寄付をしていたことも判明している。また立憲民主党の会計担当などを務めた他、「立憲フェス」などを企画した秋元雅人元事務局長も退職後、同社の運営に関与。同社に対して平成29年から令和3年の間に広報業務委託費、WEBコンサル稼働費、動画コンテンツなどの名目で総額約9億円が支払われている。その一方、大手広告代理店・博報堂に対しては同時期に総額約10億円の広告宣伝費が支払われた。もちろん巨費に違いないが、謎会社・ブルージャーパンの9億円と博報堂の10億円はまるで意味が異なる。
政党と広告宣伝費の関係性をめぐっては電通が自民党、博報堂が旧民主党、というのが通説。
映画監督の森達也氏が2020年6月、Twitter上で旧民主党時代に博報堂を通じてインタビュー依頼を受けたと投稿した。旧民主系と博報堂の関係を物語る。しかし長年の関係を持つ博報堂と同等の広告宣伝費をブルージャパンに支払っているわけだ。
竹内弁護士は古本伸一郎元衆議院議員の政策担当秘書を務めた経験がある他、立民・小川淳也政調会長の選挙選を追った『香川1区』(昨年12月24日公開)の法律監修を担当。党派色丸出しの人物で市民連合の集会でも演説する通り、活動家の顔も持つ。
Dappi裁判原告の弁護人をみると竹内氏以外に 早稲田リーガルコモンズ法律事務所から福田健治弁護士、徳勝丈弁護士、また東京駿河台法律事務所から金子春菜弁護士が加わっている。福田弁護士は原発事故の損害賠償に関わり、また金子弁護士は小西議員の元秘書。 徳勝丈弁護士といえば「佐世保高1女子同級生惨殺事件」の加害者親族である。立民色が強い弁護団で、Dappi裁判も単なる名誉棄損裁判という以上に「政治闘争」の意味合いが強い。
そんな竹内氏が代表者を務めるブルージャパン。同社については従来から疑念の声は少なからずあった。シールズの元メンバーと思しき人物が2018年2月17日に「SEALDS残党日記」でブルージャパン問題を指摘していた。
しかし、この選挙戦も通じてか元SEALDsの中心メンバーにお金が渡され、彼らは私たちを動かしていたのです。も直接的に買収とかそういうものではありません。元SEALDsが所属する企業に立憲からお金が支払われていたのです。お金をもらって選挙キャンペーンやってる人たちに、ボランティアの私たちはいいように活用されていたんです。これは個人として許せません。
同ブログでいうところの「 元SEALDsが所属する企業」というのがブルージャパンなのだ。
立民・BJの仲介業者、元ピースボート共同代表は誰だ?
降って湧いたCLP・ブルージャパン騒動だが、後者については4年も前から疑惑の目を向けられてきた。「9億円」という莫大な政治資金に疑念は尽きない。立憲民主党的にいえば「疑惑はさらに深まった」というものだ。資金の流れについては『週刊新潮』(2022年1月20日号)の記事に色めき立つウォッチャーが少なくなかった。この記述である。
「この手の“迂回”はうちではよく目にします。たいていが事務局トップの秋元雅人氏と福山哲郎前幹事長との阿吽の呼吸で行われるのですが、発注先に共通しているのは、どこも市民運動などに従事していた“活動家”の会社だということ。今回のウェブ制作会社も、社長は『ピースボート』の共同代表などを務めたジャーナリスト。これまでもPR活動などで立民とは付き合いがあり、党内では知る人ぞ知る存在ですよ」
立民マネーが全てブルージャパンの懐に入るわけではなく、仲介企業にも分配されるというのだ。それが記事でいうところのウェブ制作会社。同社社長はピースボート共同代表を務めたジャーナリストという。
その正体が
「株式会社GENAU(渋谷区恵比寿)の中原大弐社長。登記簿上では本名で登録されていますが、ジャーナリストとしてのペンネームは“中原一歩氏”です。ノンフィクション作家として活躍しており、文藝春秋や講談社などの媒体に寄稿しています」
と野党担当の政治記者は明かす。
中原氏といえば
「中原氏は、小川淳也政調会長と共著で昨年6月、『本当に君は総理大臣になれないのか』(講談社現代新書)を執筆しています。この関係もあまりにミエミエですね(笑)」(同)
株式会社 GENAU の役員には インターネット報道メディア 「IWJ」(Independent Web Journal)の元記者I氏も名を連ねる。 I氏 を知る映像関係者は
「 IWJは足が早い(スタッフの出入りが激しい)からよく知らないけど( I氏 は)初期メンバーです。福島原発事故の後で東電の記者会見に出席していたのは覚えています」
IWJの論調は反自民、反政府。また立憲民主党議員も対談などでよく登場する。そのIWJ出身者と元ピースボートスタッフが社長という GENAU 。いうまでもなく立憲民主党やブルージャパンの面々の主張や理念にも近いはずだ。驚いたのは、わずかに関係筋を辿っただけで“リベラル界隈 ”の人脈が浮かび上がること。裏返せば立憲民主党の人脈の狭さを物語っている。
GENAUの中原氏、またI氏にTwitterを介して取材を申し入れたが今のところ反応はない。
リベラル界隈の狭い人脈と活動家臭、本件を通じて浮き彫りになる立民の内情。このような特徴は旧民主党時代でも痛感したことだが、CLP・BJ問題は立憲民主党のさらなる先鋭化の証左ではないか。
福島原発事故以降のカンパジャーナリズムに異変か?
自民党のネット工作をめぐってはCLPの告発者・津田大介氏が昨年、『週刊金曜日』(11月12日号)でDappi問題について論考した。その一方で自身も関与したネットメディアが立民から資金提供を受けていた現実。告発に踏み切ったのも賛同というよりは“ 内ゲバ”または“津田っぴ ”といった揶揄が多数だった。
告発に関わった面々は立憲民主党の政治理念に近い面々ばかりで今さら「中立」「公正」というのも白々しい。また津田氏らにすれば“リベラル界隈 ”の恥を晒すことになるから、抗議文の公開というのは本来、控えたかったはずだ。津田氏らと交流を持つフリーランスは
「私は小島氏や津田氏が政党助成法の関係で“ 危険”と感じ先手を打って無関係だと世間に示した、と。こんな風に推測しています」
との見解を示し、左派ジャーナリストが立民マネーに関与した点についてこんな内情を明かす。
「福島原発事故以降、脱原発や東電批判を行うフリーランスがネットでカンパを募るというスタイルが増加しました。東電関係者を追及する姿に共鳴した人は多いため高額なカンパが集まり、年で数千万円という人も。月50万円の寄付者を持つ中堅フリーもいました。しかし原発報道も下火で、大口カンパが続くわけがありません。そこで立憲民主党の主義主張に近く交流があるジャーナリストを援助したのでしょう」
こういった経済事情からして同氏はこう断言した。
「資金援助は世論誘導や党勢拡大とかそんな狡猾な考えはないと思いますよ。仲間内の馴れ合いでしょう」
確かに「ネット工作」といえるほど賢いやり方ではなかった。ただ莫大な金額だけに看過できない。
一般市民からカンパはまだしも特定政党から資金を得るというのはいうなれば“物乞いジャーナリズム ”。一方、いざ問題が起きれば「説明責任」を連呼する立憲民主党が仲間内には甘いのはどうしたものか。
こうした面々が好む「中立」「公正」「反体制」「権力の監視」といったキーワード。ますます青臭く、胡散臭く見えるのは著者だけではあるまい。
中原氏の名前を検索すると、こんなブログにあたりました。
ご存じかもしれませんが。
https://koritsumuen.hatenablog.com/entry/2021/11/17/062631 「孤立無援のブログ」
「【中原一歩】ノンフィクション作家 疑惑の履歴書」
ピンバック: 菅直人、IR反対で存在感アピールも現実は「疎外」 - 示現舎
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