維新先行、自民劣勢のムードが漂う4月の統一地方選、大阪府市ダブル選と奈良県知事選、あるいは当サイトも注目してきた和歌山衆院補選。地元自民議員らは維新へ抵抗を続けるが、党幹部から危機感を感じないのだ。3月17日、自民党・森山裕選対委員長が大阪入りし、統一地方選決起集会に登壇したが“やる気 ”を問う声が相次いだ。
松井市長が 萩生田政調会の パーティーに登壇
「関西で我々がどれだけ維新に苦戦していると思うんだ!」
関西地方の自民党議員たちの憤りの声が寄せられた。大阪ダブル選、奈良県知事選など関西地方で維新先行が伝えられる最中の2月24日、自民党・萩生田光一政調会長の政治資金パーティーに日本維新の会顧問の松井一郎大阪市長が登壇した。
その直前、自民党が行った奈良県知事選調査では維新候補の山下真前生駒市長が35.2%、連会長の高市早苗・経済安全保障担当相が推す新人の元総務官僚、平木省氏が25.1%、現職の荒井正吾知事が18.5%という結果。大阪に隣接する府外の自治体は維新が強いという定説通りに奈良市1区、生駒市は高い支持率を示す。
また大阪ダブル選も維新候補がリードしている。
2021年には維新系の兵庫県知事が誕生。大阪府以外で初の維新系知事だ。維新勢力が拡大する中で党本部の幹部が松井市長をゲストに迎える。現場の議員、党員たちが憤るのはもっともなことだ。
それに反して党幹部の緊張感のなさはどうしたことか。むしろ関西地方は維新に譲る、そんな雰囲気さえある。
森山裕氏の 大阪入りに 冷ややかな声
一方、今月17日、森山裕選挙対策委員長が大阪入りし、統一地方選決起集会を開催した。
大阪府知事選は部落解放・人権研究所理事、谷口真由美氏、大阪市長選に市議の北野妙子氏が「アップデートおおさか」を結成し、維新候補に挑む。いずれも自民党の本気度を感じない。特に谷口氏について「自主支援」という形をとる。
17日の自民党統一地方選決起集会でも北野氏が登壇したが「盛り上がりに欠けた」(党員)という声が多数。
「党の森山さんが本気で北野さんを応援しているとは思えないんですよ」と漏らす支持者も。
森山委員長の大阪入りの目的は北野氏の応援、または関西地方の自民党員への檄というよりも別の目的にあったというのだ。
「アップデートおおさかの呼びかけ人にサクラクレパス・西村貞一会長が名を連ねています。同社は生産拡大を目的に森山さんの地元、鹿屋工場を拡張するのです。地元の雇用や産業に貢献するということで森山さんは“ 西村会長に挨拶に行くんだ”と話しています」(党関係者)
つまり森山委員長の大阪入りは応援よりもサクラクレパス・西村会長への配慮とみる他ないだろう。
現場の苦労はよそに関西は維新に譲る? 自民党幹部の態度をみるとそんな思惑が伝わってくるのだ。