「平成末」に「平成最大」の豪雨が「平成村」を襲う

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By 三品純

死者203人、安否不明者46人(『中日新聞』7月14日)という甚大な人的被害をもたらした「平成30年7月豪雨」。猛暑の中、各地で住民・ボランティアによる復旧活動が続くが重機不足、水の確保など支障も多い。報道では広島県、岡山県などの被害状況が多く伝えられたが、両県に比べ被害こそ少ないものの岐阜県関市上之保かみのほ下之保しものほ津保つぼ川が氾濫し浸水被害を出した。この下之保にはかつてあざ平成へなりがあったことから「日本平成村」として全国にPRしてきた。そしてこの一帯も被災しているが、平成末期に平成最大の豪雨が平成村を襲ったということになる。

日本平成村は岐阜県関市下之保にある。かつての下之保村は1955年に合併し武儀郡武儀村、1971年に武儀郡武儀町、2005年にいわゆる「平成の大合併」で関市に編入された。下之保内に「平成へなり」というあざがあったことから平成改元の際に話題になった。当時は町内では「平成町」に改称しようという騒ぎがあったほどである。しかもこの時代というのは地方の“町おこしブーム”だ。当然この地名も観光、広報に活用されたのは言うまでもない。1991年1月、女優の三田佳子を村長に、平成改元の際の官房長官だった小渕恵三を来賓に日本平成村立村式が開催された。現在は「道の駅平成」が拠点になり観光やドライブの休憩スポットになっている。目の前には津保川が流れ、釣りが楽しめる他、キャンプ場もあるのでこの時期は県内外から観光客が訪れる。そんな町に豪雨が襲った。

下之保郵便局も被災した。

豪雨による岐阜の被災地は飛騨地方と関市上之保、下之保、富之保、神野だ。普段は浅瀬で川遊びもできる穏やかな津保川が氾濫した。ニュース映像では上之保地区の被災状況がたびたび中継されたがその他、地域も被害は深刻だ。ただ道の駅平成は両隣の家屋が浸水したにも関わらず、難を逃れた。周辺の店舗が大水によって閉店している中で道の駅平成は通常通り営業していた。

津保川にかかる橋。橋脚に引っかかった流木が水位を高さを示す。

周辺地域では住民が自宅の修復や清掃に従事している。なにしろこの週末は36~38度を記録しとても暑い。その上、一度路上に流れ出した砂が乾燥して車が通るたびに粉塵になって飛び散る。川は収まったが過酷な状況が続く。津保川にかかる橋にはゴミや流木が引っかかっている。どれだけ水位が高かったのかよく分かった。

工場から樹脂が流れ出してしまった。

社員が総出で回収に当たっているという。

さらに川岸を見ると竹林や林に妙なものがぶら下がっている。下之保内の樹脂工場から流れ出たポリエチレン樹脂だ。とても不気味な光景である。

振り返ってみれば北海道南西沖地震(1993年)、阪神淡路大震災(1995年)、中越地震(2004年)、東日本大地震(2011年)、平成は巨大な災害との戦いの時代でもあった。他人事ではなく自然災害は自身に降りかかることとして考えていかねばなるまい。

この地域は林業が盛んだが、ある製材業者はこんな話をしてくれた。

「山に入ってみたけど案の定、豪雨の影響で荒れていたよ。今は山が保湿力を失っとるからね。やっぱり杉が増えたことだわ。例えば檜を今、植えたら成木するのはオレの孫が大人になるぐらい。逆に杉の成長は早いけど、根っこが弱くてもろい。これでは山が水を貯えることができずに山崩れを起こすよ。これは全国的に言えることで日本全体の課題になる。今後、護岸工事も重視されるだろうけど、山の整備もしないとまた深刻な事態を起こすと思うよ」

岐阜に限らず手つかずの山は全国にある。しかし全国の山が適正に管理されているとは言えない。保湿力を失った山の土砂が住宅街に押し寄せる。こうした現象は今回の豪雨でも見られたことだ。平成最後かもしれない豪雨被害だったが、これはもしや次の時代への警告ではないか。そんな思いに包まれている。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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「平成末」に「平成最大」の豪雨が「平成村」を襲う」への1件のフィードバック

  1. さつき

    杉みたいな針葉樹は、根をあまり張らないので土砂崩れなどの原因となります。
    これを教訓として、これからは広葉樹を多く植林するようにすべきと思います。

    返信

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