【世田谷区】共生社会の象徴として注目 立民・オルズグル区議が政務活動費で大量の書籍購入!

カテゴリー: 地方, 政治 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

〝共生社会の象徴〟の如く注目されるウズベキスタン出身、立憲民主党・オルズグル世田谷区議。「日本を愛する議員」のフレーズで人気上昇中だ。ところが同議会内で政務活動費を検証したところオルズグル区議が大量の書籍を購入したことが問題視された。勉強熱心(?)は結構だが、会派から注意を受けたという。

若林区議の政活費問題で各会派が検証

狂乱の都知事選でもお馴染み手塚仁雄党幹事長代行(現在)と街頭演説。(本人FBより)

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昨年10月、筆者は日本維新の会、若林りさ世田谷区議の政務活動費に不可解な点があると指摘。若林区議はいわゆる〝追っかけ〟がつくほど一部有権者の間でアイドル視されてきた。

結局、本人から説明はなく代わりに弁護士事務所が「事実無根」と反論。だがその後、若林区議は会派を解消することになる。現在は一人会派というわけだが、キャリアから考えると単独での活動は厳しい。「疑惑に対して説明もなく議会内での評判は下がりました。区内の行事もドタキャンが相次いでおり区政には関心がないかもしれません」(区議会関係者)

そこで新たな動き。

「6月の都議選に立候補すると専らの噂ですよ。維新は石丸伸二前安芸高田市長率いる新党と連携を模索する動きがありました。ところが石丸氏が公選法違反で刑事告発され危うい雰囲気。維新自体も支持率が落ち込む中、都議選は厳しいでしょうね」(都政担当記者)

一方、議会内部では意外な方向へ進んだ。若林区議の政務活動費を報じた結果、各会派が所属議員の使途について調査を始めたというのだ。その結果というのが―――。

「立憲民主党・れいわ新選組世田谷区議団(8名)所属のオルズグル区議が政務活動費で書籍を〝爆買い〟して問題になっていますよ」(同前記者)

令和5年分の収支報告書によると総額264万円の内、書籍購入費が33万3215円。全議員50名の資料購入費を平均してみると一人当たり平均約5万円。購入なしの議員もいる中で、オルズグル区議の報告は突出している。

あの号泣兵庫県議で政務活動費に厳しい目が

昨年の区議会議場開場式にて(本人FBより)

国政では政策活動費、地方議会で政務活動費の使途は長らく疑問視されてきた。地方議会でも大騒動に発展したことは記憶に新しい。中でもインパクト大なのが2014年に野々村竜太郎元兵庫県議が東京、城崎温泉など1年で195回もの日帰り出張で約300万円を受け取っていたこと。釈明会見での号泣は今も語り草だ。野々村騒動をきっかけに政務活動費に対して社会の関心が高まった。

山形県議会では2021年、野川政文元議員が10年間で約1200万円以上の不正受給が発覚。年数、金額からしても非常に悪質だ。

オルズグル区議の書籍購入費33万3215円は先のケースと比べればはるかに少額で、「不正行為」とはいえない。しかし年間の「書籍代」として考えるとかなり高額だ。それに今のご時世、研究や学習用としても節約を心がけてもいいのではないか。しかも昨年末、立憲民主党は「政策活動費廃止法案」を野党7党で衆院へ提出していた。国政・地方の違いはあるかもしれないが、党本部が政策活動費の廃止を訴えてきた以上、地方議員も政務活動費について慎重であるべきだ。

ではどんな書籍を購入していたのか気になるところ。

令和5年度政務活動費会計帳簿

購入した書籍は「多文化共生政策」「インバウンド政策」「ソーシャルビジネス支援策」「行政・議会全般」「若者支援」「動物愛護政策」「貧困支援・格差社会支援」「起業・フリーランス・まちづくり支援」などの項目が付されている。購入目的を説明したものだ。

「行政・議会全般」だと『地方議員のための役所を動かす質問のしかた』などの書籍が購入されていた。同書などは調査研究のためよりか自己研鑽用のイメージである。

地方議員として能力を向上したいという思いは大切なことだ。しかし議会活動と分けておく必要もある。この辺りは地方議員たちも涙ぐましい努力をしているようだ。

「参加している政治塾の勉強会は遠方で開催されると節約のため夜行バスを使ったり、仲間の地方議員と車の乗り合いで参加しています。有権者からみれば当たり前と思われるかもしれませんが、個人的な活動とは切り分けていますよ」(都内議員)

その点、オルズグル区議が購入した書籍は疑問符をつけざるをえない。

「起業・フリーランス・まちづくり支援」の項目がつけられた書籍には『40代から手に入れる「最高の生き方」 今すぐ知っておくべき人生を左右する「やっていいこと」「わるいこと」』がある。これは議員活動に必要だろうか。自己啓発用だ。

他の項目に目を移すと「動物愛護政策」には『ビッグコミックス』の『しっぽの声』(1~7巻)の購入歴があった。本作は動物愛護活動に関わるタレント、杉本彩氏が監修者。ペットの繁殖屋、買い取り業者などの闇を描いた作品だ。確かに問題作ではあるし、保護活動を考える一助にはなるだろう。しかし議員活動の参考資料として絶対的に必要なのか悩ましい。

世田谷区内には複数の愛護団体やボランティア団体がある。書籍やコミックで研究しなくても生きた調査研究材料が目の前にある。聞き取りや団体取材をしてみるのも一手だ。勉強熱心は結構だが、「書籍」ではなく区議という立場を活かして「行動」で学べる機会があるはず。

またコミックという点では「貧困支援・格差社会支援」として『健康的で文化的な最低限度の生活』(ビックコミックス5~12巻)の購入も確認できた。これも同様に政務活動費で購入する必要性があったのだろうか。

コミックを参考にするなとはいわないが必要?

むしろ議員という立場を活かし実地調査によって得られる知見や経験の方が貴重だ。そして日々の地道な活動がやがて有権者から「現場主義」といった評価につながるだろうし、議会での質問にも説得力が増すはず。「行動」は「書物」を超えるというものだ。

当のオルズグル区議に書籍購入の目的や成果について質問してみたが、返答はなかった。代わりに立憲民主党・れいわ新選組世田谷区議団幹事長・桜井純子区議が応じた。

「世田谷区議会議員の政務活動費につきまして、計3会派(公明党・日本共産党・生活者ネットワーク)に所属する区議会議員を除く計36名については議員個人への交付となっており、その支出や報告については各々の議員が責を負うことになります。議会事務局へ使途を報告する前やあるいはその支出が公開される前に、会派として各議員の支出細目を知ることが難しい状況であることは申し上げておきます」

とした上で

「オルズグル議員の政務活動費の使途の一部につきまして、「疑念を持たれかねない支出が含まれている」との指摘は、真摯に受け止める必要があると考えております。政務活動費の使用基準の内規等に照らして、ただちに違法であるとまでは断じることができないまでも、調査研究に際して代替手段がまったくなかったとも言えません。昨年12月初旬より、会派からオルズグル議員へそのことを厳に伝え、議会事務局とも修正に向けた協議を進めてきました。李下に冠を正さずで、有権者が感じるであろう疑念を払拭する責務を、すべての政治家が負うべきです」

「なお、国政政党が政党幹部へ支出し、その中身がブラックボックスに包まれてきたいわゆる「政策活動費」と、地方議会における「政務活動費(旧政務調査費)」は、その趣旨や中身につきまして制度設計などがまったく別個のものであり、一概の比較を試みることはなかなか難しいものだと認識しています。とはいえ、税金が原資となる部分が含まれるあらゆる政治活動・選挙活動に関する支出については、常に有権者から違和感を持たれることのないように公明正大に扱う必要性を改めて確認し、今後も議会活動に取り組みたいと思います」

との説明だ。証言通り内部でも問題視され会派から注意を受けていた。

桜井幹事長の説明通りただちに違法ではない。しかし野党系会派の性質上、クリーンなイメージが持たれる分、反動が大きいのも事実である。

地元政治通も議会運営への影響を示唆した。

「社民党(旧社会党)が強かった時代と異なり、長らく正副議長職は自公会派に独占されてきました。ところが現在、立民れいわ会派と公明会派は8名で並び、次期改選で副議長ポストが取れるかもしれません。その時、違法行為ではなくても大量の書籍購入とはマイナス要素です。立れ会派としては上手く解決しておきたいでしょうね」

オルズグル区議は国際親善から日本文化のPRなど非常に活動的である。書物の知識より行動力を活かした方がよほど実になりそうだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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