【愛知維新の会⑦】刑事告発の過去も! 杉本衆院議員による 一宮市議への 妨害行為を 告発する

カテゴリー: 地方, 政治 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

愛知維新の会内部からパワハラ告発を受けている岬麻紀衆院議員を怒鳴りつけた杉本和巳衆院議員。同会内ではむしろ杉本氏の素行を問う声もある。2020年、杉本氏は秘書らと一宮市議の立て看板を無断で撤去するなど妨害行為を行っていた。過去のことだとして市議は沈黙を貫くが代わりに知人らが一部始終を告発する!

パワハラ問題の 岬麻紀衆院議員は 被害者でもある

オーム・チャンティングの会合。杉本氏のポスターが確認できる。

議員会館、選挙事務所でオーム・チャンティング(ヨガなどのグループヒーリング)の儀式を行う。

政治資金でほら貝を購入する。

スキャンダラスなエピソードは事欠かない。このところトラブルが多い維新の中でも杉本和巳衆院議員は複数回、週刊誌のターゲットになった。スキャンダルに加えて、所属議員や秘書らへのパワハラも見逃せない問題だ。

パワハラの責任を問われる岬麻紀衆院議員だが、実は彼女自身もパワハラの被害者かもしれない。衆院当選前の2020年のDM内容は凄まじい。朝8時30分に一宮事務所に呼び出し立候補辞退を迫る杉本氏と山下幹雄幹事長。愛知維新の会における“ ジャイアンとスネ夫”だ。

不可解な除名処分、離党勧告は過去レポートで指摘したものの、公にはなっていないが、愛知維新の会に所属していた一宮市議も杉本氏から壮絶な妨害を受けた。

市議は初挑戦の2019年、昨年の統一地方選いずれも上位当選で本来は有望視された人物。選挙結果自体は、順風満帆の議員生活のようだが、実はここに至るまでは並大抵のことではなかったという。

議員になる前から杉本夫妻との関係に悩んだ同市議。愛知維新の会に関する取材過程で同氏に関する惨状を知りえ、本人に取材を依頼したが承諾を得られなかった。代わって関係者、知人らが当時の困難な状況を説明してくれたが、杉本夫人、博美氏の存在感は際立つ。

博美氏については【愛知維新の会⑤】の証言を参考にしていただきたい。

「議員会館では月に一度、午前午後の部に分かれ各4~6人のグループで行われます。博美夫人も参加していますが、秘書にまで“アナタは家族と対話がない”と問いかけ“ 大丈夫です”と答えると“ それは心の底からの会話ではない。私たちの教えを信じれば救われる”という話をするんですよ

もちろん地元でも「面倒な人」で通っていた。「杉本さんだけではなく奥さんの扱いも大変でした」と振り返るのは地元知人X氏である。同氏も地元住民で杉本事務所に出入りしていたが、夫人のスピリチュアル癖には閉口したという。

維新本部「宗教のことは 昔からあるから」

オームのイベント動画に映る杉本夫人。

「当選する前の彼女(一宮市議)も最初は経験豊富な杉本氏に学ぼうと懸命でした。ところが杉本夫人から“今のアナタでは当選しないのでよく当たる占い師に相談するといい”と誘われていましたよ」(Ⅹ氏)

そんなⅩ氏は事務所の造形自体に違和感を持ったという。

当時の杉本事務所のイメージ図。

「一宮市せんいの杉本事務所は1階は事務机などが並んでいますが、2階にはエスニック風の隠し部屋のようなスペースがありました。瞑想などに使ったのでしょう。それから不気味だったのが念を送る儀式なんです。テーブルの中心に対象人物名を書いた紙を置き、5~6人が背を向けた形で円になって囲みます。そして大きな声で“ オ~ム~”と絶叫するのです」

昨今、一部政党でオカルトまがいの主張や行動が話題になることがあるが、曲がりなりにも「改革」を掲げる維新所属議員の事務所で行われるとは驚きだ。

杉本夫妻のスピリチュアル趣味は以前のレポートで指摘したが、一宮市議も悩まされた一人。

「杉本さんはオーム以外、崇教真光や実践倫理宏正会の『朝起き会』へ出席しており、市議にも会合へ出るよう促しました。さすがに“入信はできない”と断っていましたが、今度は夫人から“宗教じゃなくてヨガだから”とオーム・チャンティングの一日体験を勧められました。正確には強制参加ですが…」

X氏も参加した一人だが高額な参加費に驚いたという。

「体験だけですが参加費は3万円。市議とも“ヨガってこんなに高いの?”と驚くばかりでしたよ。当の杉本夫人からは“議員になれば取り返せるし自己投資と思ってやればいい”と言われていました」

国政、地方に限らず選挙活動は過酷だ。しかしこの市議の場合、杉本夫妻のプレッシャーもあった。二重の苦労を抱えて2019年、最初の市議選を迎える。杉本夫人からも手伝いに行くとの連絡が入ったが、出陣式以外は顔を出さなかったという。

「周囲も“まぁ維新から出るのはおきゃあ(尾張弁、やめとけの意)”という人もいましたが“ これもご縁だ”ということで日本維新の会の候補としての出馬でした。ところが選挙活動になると事前に登録していたウグイス嬢の女性が仕事で来られなくなったというのです。早い話がドタキャンですよ。幸いなことに他の支援者たちが不慣れだけど代わる代わるウグイス嬢を務めると逆に結束が強まりました。ところが後々、その子に確認したら“(杉本氏の)奥さんから来なくていいといわれた”というのです。もちろん市議はそんなことを言っていませんよ。それでも当時は杉本衆院議員にお世話になってきたし、内々で収めようということになりました」(X氏)

こんなトラブルにも遭いながら新人ながら上位当選。はれて日本維新の会所属の議員になったわけだが以前、報じた杉江秀一氏を除名、また副代表の元蟹江町議、安井興紹氏を離党勧告処分問題が直撃する。

当時の状況は元愛知維新の会関係者が詳しい。

「会議といってもほとんどが杉江氏、安井氏の悪口大会。それに2019年に参院選に出馬した女性候補を全く応援しなかったことについて嫌気がさした市議が愛知維新の会のグループLINEに“身内の足を引っ張るのはやめてください”などと投稿したのです。すると今度は杉本氏が“誰のことをいっているのか。嫁(博美夫人)にも謝罪しろ”と激怒。市議に詫び状とご主人の署名付きの誓約書を提出を求めました」

一宮市議の苦悩については日本維新の会党本部も責任大だ。

「市議については2021年2月20日に離党届が受理されています。しかしそれ以前に大阪の日本維新の会党本部に出向いて離党の相談をしています。杉本夫妻がオーム・チャンティングをしつこく勧誘することについても相談しました。ところが党本部は“政治に宗教が絡むのは昔からあること。議員として力をつければ近づいてこない ”と諭されていました」

宗教団体も有権者に違いない。選挙に関わることがあるだろう。しかしこの場合、選挙事情というよりも勧誘に悩んでいるとの訴えだ。党本部の回答は要は“ 聞く耳持たぬ”という態度。この辺りがしばし指摘される党ガバナンスの欠如である。

こうした相談を放置した結果、杉本氏が議員会館でオーム・チャンティングの会合を開催していたスキャンダルにつながるわけだ。

そして本来は、大きなスキャンダルになるはずの「立て看板撤去事件」が発生する。維新から離党勧告を受けた元副代表の安井興紹氏は馬場伸幸現代表宛てに「愛知維新の会代表杉本和巳不正について」と題した告発文書を送付。同文書内でも立て看板撤去について詳細が報告されており、党本部も当然、把握しているはずだ。

市議の立て看板を 無断で撤去

2020年2月24日、杉本氏とスタッフが市議の4つの立て看板を撤去し、一宮市内の同市議宅に放置して立ち去るという事件が起きた。立て看板は同市内の市議支援者宅などに設置してあったもの。4つの立て看板のうち3か所は杉本氏の支援者宅だったのでまだ納得できたが、その1か所は市議知人宅に設置してあったものだ。

偶然にも周辺を通りがかった市議の知人が看板付近で杉本氏とスタッフの姿を目撃していたのだ。しかも撤去した後、杉本氏はご丁寧にも自身のFacebookへ新たに看板を設置したことを投稿した。

市議の自宅に放置された立て看板。
代わって貼られた維新のポスター。

支援者にも迷惑がかかった撤去問題。さすがにこれまでは我慢を続けた市議だったが、一宮警察署に告訴状を提出した。

「警察は内部でも共有させてもらうが、同じ政党内で起きたことで内部事情が絡む上、看板が破損されずそのまま戻されたので立件は難しいという見解。ただ離党した場合はどうなるのか分からないとの説明でした」(先の知人Ⅹ氏)

刑事事件にはならなかったものの悪質な行為に変わりない。しかも刑事告訴された時、杉本氏は愛知維新の会代表の立場。代表者が自党の議員の妨害をするとはまさに「反党行為」である。

立て看板の撤去について杉本氏に説明を求めたが――。

「お問合せの件、誠に恐れ入りますが、多忙のため回答出来ません」(杉本和巳事務所)

と応じることはなかった。

妨害、そして離党、それでも市議は昨年の統一地方選で上位当選したのはせめてもの報い。逆に愛知維新の会にとっては一部の幹部の都合だけで前途有望な市議を失ったことになる。これほど短期間のうちの離党者が相次いだことに対して愛知維新の会役員の運営能力や責任が問われるはずだがそうした話は聞かない。

一宮市議が当選した2019年は同会所属の自治体議員が一気に増加した年。ところが現在、大多数が維新を離れたのは異常だ。一般企業ならば間違いなく責任が問われるはず。ところが維新幹部にとって責任どころか、所属議員を“排除・追放することはそれ自体が権威や権力の誇示になっている。

それから不思議なことには支持者たちは“仲間が減った”ことを惜しむよりも“仲間でも遠慮なく切る”ことを「改革」や「強さ」としてとらえているようだ。それは今年6月に党員資格停止処分を受け、今月9日に引退表明した足立康史前衆院議員に対する一部支持者の罵倒がそれを物語る。

党員を排除して強さを実感する異常な世界、それが維新。もっとも離党者が続く中でいつまでその虚勢が続くか。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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