学術・研究:部落探訪(265)香川県 善通寺市 大麻町 高橋

カテゴリー: 部落探訪 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By 宮部 龍彦

香川県の部落を研究するために活用した資料に、『香川県の被差別部落 ―現地研修報告―』(安竹貴彦)がある。それによれば、善通寺市には指定同和地区が2つあるという。しかし、『全国部落調査』に記載のある部落で現在の善通寺市域内にあるのは1つだけである。

しかし、「指定同和地区」であれば同和施設が手がかりとなる。同和地区の隣保館が加入する全国隣保館連絡協議会(全隣協)に所属している施設が、善通寺市に2つあり、その所在地は与北町よぎたちょう大麻町おおさちょうだ。

前回訪れた三豊市から善通寺市大麻町に行くには南側からアプローチすることになる。途中で名高いこんぴらさんの前を通るが、部落探訪が目的なの平日でも賑わう観光地を華麗にスルーした。土産はもちろん、写真も撮っていない。

そして、降り立ったのが公営住宅に囲まれた何の変哲もない公園である。ストリートビューで下調べした時に、あ、軽自動車が停まっているなくらいに思ったが、これは停まっているというより廃棄されている。

地図を見ると山の方に神社があるので、そこに行ってみた。

しかし、神社は荒れており、夫婦のような石が置かれた祠があるだけだった。

この神社の氏子の名字は当地の公営住宅には見られない。ということは、この大麻上地神社は部落とは関係ないし、上地も部落ではないと推測できる。

『香川県の被差別部落 ―現地研修報告―』には善通寺市E地区として記載されており、1990年前後のデータだと思うが158世帯のうち同和関係122、403人のうち同和関係307の「混住」地区とされている。無論、この混住というのは歴史学的な部落民の比率というよりも、どのような基準で同和関係者認定をするかという現代の政策を反映したものと見るべきだ。

それを踏まえて墓地を訪れると、気づいたことがある。まず宗派が混じっている。そして、さきほどの大麻上地神社の氏子と同じ苗字がある。そして、浄土真宗の墓には「荒木」という名字が多いということだ。

これは同和関係とそうでない家の墓が混じっていることを示唆している。これは混住地区と記録されたことと関係がありそうだ。

全隣協加入施設である高橋会館に行ってみた。その名の通り、この辺りの小字は高橋である。

案外融和していて、公民館みたいな使い方をされているのかなと思ったが…

人権関係の掲示物があることから同和地区であることが分かる。

ところで、どうして同和施設には人権・部落関係の掲示物があるのか。かなり前にとある施設で一度聞いてみたことがあるが、政府関係・民間団体など様々な団体から時々郵送されてくるのだそうだ。

会館に用事ですか?と声をかけられたが、「いえ、ないです」と答えておいた。少し前までなら気さくに地元の部落事情を聞いたものだが、隣保館職員が筆者と接触した後に部落探訪写真や動画が掲載されると「どうして止めなかったんだ!」と解放同盟から糾弾されてしまうらしいので、そうするしかない。

再び、さきほどの公営住宅付近に戻ってきた。よく見ると、近くの駐車場に停められた車も、半分くらいは単に停めてあるとは言い難い状態だ。

公営住宅の間に持ち家もあるが、やはり荒木が多い。そして石田。

やっぱり香川のニコイチには漏れなく太陽熱温水器があるんだなあと感じた。

この公営住宅のデザインはどことなくサイバーパンクであるし、壁に書かれた番号の字体は昭和末期のロボットアニメを思わせないか?実際、作られたのは1980年前後のようだ。この建物をデザインした人は、きっとそのようなものをモチーフにしたのではないかと思う。それはそれとして、ここでも駐車場に注目して欲しい。

思わず、ここは香川ですよね?とつぶやいてしまった。このような放置自動車は京都や奈良でも目にしたが、もしかすると香川はそれ以上なのでは。香川といえばニコイチの太陽熱温水器と思ったが、この先は自動車にも注目されたい。

さて、『香川県の被差別部落 ―現地研修報告―』によればここは非人部落との伝承があるという。しかし、この部落の起源にはまだ未解明のことがありそうだ。気になったのは、ここを流れる金倉川の対岸の琴平町側にも部落があり、そこは『全国部落調査』に記載されていることである。

次回は琴平町側の荒井という部落を探訪する。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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学術・研究:部落探訪(265)香川県 善通寺市 大麻町 高橋」への15件のフィードバック

  1. 社会運動等標ぼうゴロ

     ふざけたコメントで申し訳ありません。前からここ行ってみたかった。だいま、おおあさor anything else? なんて読むか地名難しいです。
    例えば、柴島。

    返信
  2. 神社の氏子姓は高橋会館の西、改良住宅の北の集落。
    改良住宅の主な姓の石田、荒木、高原、秋田も少し離れた場所に多数の一軒家を構えている。
    上手いこと貸付金を借りたのか落ちぶれて改良住宅に混住なのかわからん。
    あんなPDFしか資料がないのならば素直に与北に行けよ。
    あと自衛隊駐屯地の近くに改良住宅があるな。
    次の仲多度郡琴平町苗田の荒井は川を渡った左隣たな。

    返信
  3. 象郷会館の近辺に石田、秋田姓などがある。
    するとここが琴平町の非人系か?

    返信
  4. 匿名

    この隼とかいう奴は、ここを自分の日記と勘違いしてるのか?たいして意味のない情報をあげて自己満足してるだけだろ

    返信
    1. 弥三川

      お前のコメントのほうが何の全くも価値が無い。
      琴平町の被差別部落内に大本教の支部があるな。

      返信
          1. 匿名

            ここで馬鹿だの無知だの吠えるなら、
            Youtubeで宮部さんを論破してみれば?

            そこまでの意気地があるかどうか知らないけど(笑)

  5. 平成28年11月30日

    >>降り立ったのが公営住宅に囲まれた何の変哲もない公園である。
    その青緑色の屋根の市営高橋団地401にて

    30日、午前1時すぎ、善通寺市大麻町の集合住宅で火が出ていると近所に住む人から消防に通報がありました。

    火はおよそ50分後に消し止められましたが、2階建ての集合住宅の1階部分、およそ40平方メートルが半焼し、この部屋に1人で住んでいた林昌一さんが(61)病院に運ばれましたが、まもなく死亡しました。

    警察のこれまでの調べでは火事があった集合住宅には林さんを含めて4世帯が住んでいたということですが、ほかの住人は逃げ出して無事だということです。

    返信

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