菅直人、IR反対で存在感アピールも現実は「疎外」

カテゴリー: 政治 | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

一見すると政治活動家、実は元総理大臣。このところ立憲民主党・菅直人元首相がやけに元気だ。2月末には大阪に乗り込んでIRと日本維新の会批判を繰り広げた。低迷する立民の中で必死に存在感をアピール中だ。さすがに学生運動、市民運動上がりだけあって国会よりも街頭のアジテーションがよく似合う。ところが先の“ 大阪オルグ”は本人の気合に反して全く盛り上がっていないのが現実。あの世代的な表現をすれば菅氏は「疎外だ」という他ない。

CLP資金提供発覚は旧国民系のリーク?

「政治とカネ」を追及してきたはずの立憲民主党に年明け早々、降って湧いた「Choose Life Project(CLP)」問題。支持者からも少なからず批判を受けたが結局、うやむやに。仮に政権交代を狙えるほど立民に勢いがあれば尾を引いたかもしれないが、釈然としない幕引きは立民に対する関心度の低さを物語る。

政党支持率も振り返ればすぐ後ろに日本維新の会。そこで維新批判で失地回復を目指そうというのだ。しかも維新の地盤、大阪府では府と市が共同でIR整備計画の認定を申請する予定。IRとセットで維新攻撃をしようと菅氏は息巻く。

2月末に菅氏が大阪に乗り込んでIR反対活動をする。反対派から歓迎する声も聞かれた。

『産経新聞』(2月26日)によれば

立憲民主党の菅直人元首相は26日、日本維新の会の地盤である大阪に入り、維新批判を展開した。大阪市中央区の繁華街・ミナミでの街頭演説では「維新は自民党の別動隊だ」と力説。維新が大阪への誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)にも疑問を投げかけ、夏の参院選に向けて対決姿勢を強めた。

とIRと維新批判をぶち曲げた。しかし立民に詳しい在京の政治記者は「菅さんの本当の狙いは維新とIRではありません」と断言した。

「IRと維新批判はマスコミの関心を高めるための“フック ”でしょう。実際は、泉健太代表への牽制とみています」

しかもCLP問題と無関係ではないという。「CLPへの経済支援は秋元雅人前事務局長の意向があったと広く報じられました。秋元氏は党内、左派議員との関係が深い。対して豊原昭二現事務局長(旧国民民主党出身)は小沢一郎氏側近職員で先の代表選で泉氏を支持しました」(同)

つまりあの代表選は秋元氏‐豊原氏の代理戦争的という性質があった。1月17日の党人事で豊原氏事務局長、秋元氏が「特別参与」に落ち着くが、もし泉氏以外の候補が代表になった場合は秋元氏が依然として党運営に影響力を持ったであろう。

そこでCLPが浮上する。「秋元氏を一線から退かせるため、旧国民側が資金提供を外部にリークしたとの見方が専らです」(前同)

代表選当時、泉支持に回った小沢氏だがこのところ泉体制を批判するなどスタンスを変えている。一方で管氏にとっても泉代表は牽制しておきたい。菅氏の大阪行きはそんな思惑があったという見方だ。では菅氏の狙い通り、党内・支持者から歓迎されたのかは疑問。

党内調整に苦しむ泉代表。

「維新批判のためのIR批判じゃないか? という声は少なくなかったです。菅さんとIR反対などで行動を共にする府議を参院選候補にという話も浮上していますが(態度や人間性などで)とてもじゃないけど無理ということです」(在阪関係者)

総理大臣経験者として存在感を発揮したいところ。そこで大阪まで乗り込んだが、現実は蚊帳の外。まさに「疎外だ」というものだ。

IRは不可、パチンコは可という矛盾

3月25日から府内でIR誘致の是非を問う住民投票を求める署名運動(直接請求運動)が始まった。5月25日までに約20万人分を集める予定だという。

反対運動を取材する在阪記者もIRは関心事ではないという。

「カジノ反対といってもパチンコや競馬はなぜ許されるのか? という本質的な疑問にぶつかり説得力を失います」

野党にもパチンコ業者から献金を受けている議員は存在する。IR実施法の廃止法案を求めた福山哲郎前幹事長も平成30年度の政治資金収支報告書の寄付者欄に大手パチンコ店グループ・マルハンの創業者、韓昌祐氏の名がある。額としては微々たるものだが、IRは反対でパチンコは可という方針だろうか。

また隣接する和歌山県もIR誘致に対し反対運動が起きている。「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」(共同代表・豊田泰史弁護士)は昨年12月、誘致の賛否を問う住民投票条例制定を求める署名2万833人分を提出した。必要な法定数の3倍超ということで地元の問題意識は強いようだ。

だが一方で地元ではこんな揶揄の声も。

「豊田弁護士と立民・山本忠相和歌山市議が理事を務める『社会福祉法人ハッピーステーション』(和歌山市米屋)はDASH和歌山(馬券売り場)が入居しています。ちょっとした“複合施設 ”じゃないかと揶揄されているのです」

同弁護士によれば「パチンコや競馬とカジノは違いますよ。推進派の手先だな? 嫌だね。貧すれば鈍する」と反論する。やはり一部IR反対派に共通する「カジノ害悪論・パチンコ競馬(競艇、競輪を含む)は是」という矛盾の明確な説明になっていない。

確かにギャンブルが自治体の税収となるという不気味さは理解できるが、反対派のロジックも矛盾を抱えるケースがある。

それにパチンコといえば旧民主党以来、関連団体・企業との関係が取沙汰されてきた。もちろんこの点は立憲民主党と無縁ではない。今後、菅氏のIR批判がどこまで続くのか分からないが、壮大なブーメランが突き刺さる可能性もある!?

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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菅直人、IR反対で存在感アピールも現実は「疎外」」への5件のフィードバック

  1. 匿名

    各党のパチンコ業界との関係はイーブンかな。
    娯楽とギャンブルの違いをどこで線引きするかの議論でしょう。
    カジノが良いならサイコロ博打も良いような。

    返信
  2. 匿名

    他党を非難するのは珍しい事ではありません。政策の違いをアピールするため。
    菅直人の知名度が高いから記事になった程度と受け止めています。
    しかし、ルーレットと丁半博打とどう違うのだろう。
    暴力団でない、しっかりした組織が運営すればさほど変わらないと思うが、、、

    返信
  3. 匿名

    三品さんのこれですが
    、、、、、、
    壮大なブーメランが突き刺さる可能性もある!?
    、、、、
    IR推進の党も当てはまりますね。
    何で、ルーレットが良くて丁半博打はいけないのかとか、、
    キリが無いですね。
    勝てば官軍でしょうかね。

    利権も絡むし
    既に秋元司の判決もでました

    返信