「すべての愛に平等を」をテーマに5月5日、6日、東京・代々木公園で「東京レインボープライド2018」(TRP)が開催された。企業、自治体など様々な団体が出展し、LGBT向けファッション、商品、サービス、支援策をアピールした。また6日は渋谷周辺のパレードで37グループ、約7000人が性的少数者の平等を訴えた。会場は両日で14万人(主催者発表)を集め大盛況。しかしLGBTブームに乗り遅れるなとばかり政治的、商業的な“思惑”も感じてしまうのだ。
コスプレしたゲイによる軽妙なトーク、そしてパフォーマンスで来場者を楽しませる。とてもファッション性が高い。とにかくお洒落でとてもセンスがいい。パフォーマーたちと記念撮影をする光景が各所で見られる。現在、メディアではマツコ・デラックス、ミッツ・マングローブら同性愛を公言する芸能人が人気だが、その理由がよく分かる。
これが解放運動のイベントならゼッケンを着込んだ活動家に太鼓、焼きそば、かすうどん、あるいは在日コリアンのお祭りならマッコリに焼肉、最後はチョゴリを着た女性活動家の泣き落としが関の山。ところがTRPはこういう“活動家臭”と全く無縁で洗練されている。「性的少数者」という過酷さを感じさせない。この雰囲気をネットスラングに頼るのも悔しいが、凄まじいほどの“リア充”的な雰囲気に包まれている。まさにカーニバルだ。
会場には一般人も散見された。普段はお堅い自治体職員が「イエーイ」とパフォーマーとハイタッチする。日常生活ではシャイなオジサンが東京ディズニーランドに行くと妙にハイテンションになりミッキーマウスと戯れる。そんな光景と重なって見えた。エンターテインメントとしてもTRPは優れている。お堅い話よりも、むしろこうしたエンタメ的なアプローチの方が理解促進に貢献するはずだ。例えば日常生活で男性同士が手をつなぎ歩く光景は、好奇の目で見られるもの。しかしこのTRPという空間ではごく普通にゲイ、レズビアンのカップルが寄り添いながら楽しんでいる。きっと心の拠り所になったことだろう。ただ水を差すようで申し訳ないが、違和感も抱いてしまった。
LGBT商売!? 電通感とアリバイ仕事の政治家たち
TRPの終了後、SNS上ではパレードの最中に反安倍首相のプラカードを掲げていたことから「政治利用だ」という批判が起きていた。確かにわずかながら政治的なメッセージを掲げた参加者もいたが、パレードが政治利用されたというほどでもなかった。むしろ感じたのはLGBTの商業的利用だ。
福祉美容脱毛トリートメントサロン、メイク、シューズ、保険、旅行、ファッション、美容家電、ありとあらゆるモノとサービスが揃っている。要するにLGBTビジネスというものだ。脱毛やメイクのサロン体験には、若い男女たちで列ができている。特にムダ毛処理ができるパナソニックの「グルーミング体験」や資生堂のメイクのブースは人気だった。なにしろファッション性が高いせいか、LGBT以外の若者たちも集まってくる。LGBTという現象が持つ“お洒落さ”に吸い寄せられてきた格好だ。企業もアピールに懸命で、ブームに乗り遅れまいと、LGBTで需要拡大を狙っているのがありありと伺える。広告代理店のプロモーション、早い話がなんとも“電通感”に満ち満ちているのだ。本当に喜んでいるのはLGBT当事者だろうか?
そして一方で繰り返される「差別と偏見」の繰り返し。会場のシンポジウム、政治家のスピーチでは「LGBTへの根強い差別」「偏見」といったキーワードが連呼されている。もちろん社会的な制度も十分ではないと思う。
しかしLGBTを冠したイベントが多くの人を集め、しかもこの通り「LGBT市場」というものが成り立っている。差別という割に商売になっているじゃないか? 本当に根強い差別と偏見があるというならば、そもそもLGBTビジネスは成立しえない。もちろんTRPという空間が特別なものとしても、本当に差別されているというならば、妨害行為があっても不思議ではない。ところが平穏無事にイベントは進んでいる。
もちろんLGBTに対する差別や偏見が存在しないというわけではない。特に職場、学校などで不利益を被るケースもあるだろう。そこで出てくるのが「LGBT差別解消法案」というわけだ。6日、LGBT議連会長の馳浩衆院議員、立憲民主党・枝野幸男代表、社民党・福島みずほ参院議員が同法案の成立を訴えた。ただ過去の同類の法律を見てほしい。部落差別解消推進法、ヘイトスピーチ規制法、要するに理念法というもので実効力がない。早い話が「配慮した」というアリバイ法、懐柔、もっと言えば声が大きな人々の鎮静剤に過ぎない。
また活動家、パレードでは「同性婚を認めてほしい」「民法改正」こういう訴えもあった。しかし仮に民法改正で同性婚を認めたとしても、それは「養子縁組」と何も変わらない。どういう形ならば平等であるのか? LGBT当事者もこの点を真剣に考えるべきだ。コスメに、差別解消推進法案、パフォーマンスで沸いたTRP。しかしフェスティバルにとどまることなくより本質的な議論をすべきではないか。
こういうイベントを見るたびに、何故部落解放運動で似たようなイベントを開催できないのかを考えます。
ファッションやコスメ、小物、こういうアイテムと直結する
LGBTは企業も様々な展開ができます。これは
大きいと思いますね。
それからTRPの場合、一般人も巻き込んでいこうという
意欲に溢れていました。ここは大きいです。
一方、解放運動の場合、所詮企業は講演会ビジネス、啓発ビジネスの
エサにすぎないし、その根底には
「部落出身者以外はみな差別者」という発想があるから
社会に広く訴えかけるというのは難しいでしょう。
同和はゼッケンを捨てろ
在日はチョゴリを捨てろ
これに尽きると思います。
なるほど、社会運動も公共事業という考えがありですね。
北朝鮮拉致事件の救う会も、予算取りのためにやっている様で、
広報で頑張っているだけで、
公安を動かして闇組織を暴く事まではしていませんよね。
使い方に縛りをかけている、中央省庁や政治家が悪いのだと思います。
イベント当日は音喜多都議も来ていたようです。
何でも首を突っ込む同氏ですがこの問題では「老舗」なのしょう。
尤も直接の原因を作ったのは本人ですが…
https://twitter.com/junmishina/status/993014066250596353
音喜多さんはLGBT自治体議員連盟の議員たちと登壇されていました。
なんというかものすごい嗅覚のある人だと思います。
音喜多都議は議員になる前のブログの内容でLGBTから叩かれています。
なのでLGBT問題に関する取り組みについてはいわば老舗です。
https://matome.naver.jp/odai/2137140008911234901
http://otokitashun.com/blog/daily/11293/