【参政党研究】神谷代表が〝農業の師匠〟と仰ぐ林元政子参院選候補の娘が都ファで立候補していた謎

カテゴリー: 政治 | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

進境著しい参政党。報道各社の世論調査で支持率は自民、立民に次ぐ3位になった。参政党の上昇ムードを察知してか左派メディア、活動家から参政党叩きが強まっている。しかしそれらの多くは「保守的」「右翼的」だから許せぬといった感情論が大半だ。しかし同党の問題の本質は非科学的主張で有権者を扇動している点である。(写真は2021年の都議選で林元真季氏の応援に立つ神谷氏)

望月衣塑子記者も参政党の興味津々

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参政党は夏の参院選で飛躍が予想されている。共同通信が6月28、29日に行った世論調査によると参政党の支持率は8.4%。これは自民、立民に次いで3位だ。また7月7日のANNによる調査でも6.3%で3位と好調だ。しかも共同通信が7月5日、6日に実施した次期参院選の比例投票先に関する世論調査ではなんと2位にまで上昇。今、最も勢いがある政党と言えそうだ。

公示日の3日、街頭演説で神谷宗幣代表が「高齢の女性は子どもが産めない」と主張したこともバッシングを浴びたが、撤回はせず発言の趣旨を改めて説明した。仮に発言が自民党議員によるものならば直ちに謝罪、訂正に追われたことだろう。

しかし神谷氏はこれを突っぱねた。マスコミ流のキリトリには応じない姿勢だけは評価したいところだ。一時期、国民民主党に向いていた矛先が、現在の党勢を察知して今度は参政党に向いてきた。話題性のあるところに飛びつく東京新聞・望月衣塑子記者も予想通り参政党に興味津々のようだ。

印象的なのは7月3日、都内で「再生の道」の石丸伸二代表が街頭演説した後の囲み取材で、なぜか望月記者は石丸氏に参政党の政策や主張を問うた。石丸氏は「参政党に聞いて」と一蹴したのは当然だろう。参政党と無関係の石丸氏に質問するのは意味不明だが、それほど左派メディアの間でも関心が高まってきたことの裏返しだろう。

要するに参政党の主張が保守的、右派的、復古調的であることを批判したいのだろうが、そうした党のイデオロギーを攻めたところで同党の問題は見えてこない。

筆者は過去記事でも参政党を特集してきたが、同党の最大の疑問は非科学的な主張、オカルト言説、そしてビジネス臭が強いことだ。

特に農業をめぐってはたびたび物議を醸してきた。中でも昨年、党員がジャンボタニシ農法を推奨した騒動は党が公式的に党の政策ではないとの声明を発表。しかし筆者も指摘した「アートテン農法」(宇宙からのエネルギーを活用する)などの怪しげな活動を続ける支持者は少なくない。

その中心にいるのがこの夏の参院選に立候補した林元政子氏である。

家族の三連ポスターに「売名行為」との声

夫で和歌山市義の光広氏と長男で実業家の将崇氏の三連ポスター。

参政党の農業政策の胡散臭さについては元党員からの証言を得た。肥料作りの前に祝詞を唱えるなどの奇行は最たるものだ。また神谷氏は石川県加賀市で自立型コミュニティ「加賀プロジェクト」を運営してきたが、元党員が見学を希望したところ神谷氏が難色を示した。

そして「和歌山の林元政子氏が僕の農業の師匠だからそちらを見学するといい」と神谷氏に勧められたという。このエピソードは「加賀プロジェクト」が外部に見せられる状況にないこと、また林元氏が党の農業政策に影響してきたことを示している。

林元氏も先のアートテン農法の信奉者。そしてSNS上でも騒がせたのは「波動米」なる米を販売していることだ。大調和の波動を転写したという米だ。大調和とは参政党が掲げる理念の一つ。話題になったのは林元氏が最大350万円で大調和波動米の購入権を販売していることだ。米価が高騰したとはいえ350万円分の米というのは異様だ。それも「購入する権利」である。

また長男、将崇氏は和歌山市内で飲食店「お米のいいなり」を経営。将崇氏は昨年の衆院選に参政党員として立候補し、6人中5位だったものの13,422票という得票数は新人としては「善戦」と言えそうだ。

まさしく参政党一家の林元政子氏は参院選公示日前に夫、光広和歌山市議と将崇氏とで三連ポスターを制作したことが一部で失笑されている。

「夫はともかく議員でもない息子を並べるのは一家の売名行為ではないでしょうか」(地元記者)。家族とポスターというのは手前味噌な気がしてならない。選挙ポスターではないとは言え、身内びいきと批判されても仕方がない。

当の林元氏にポスターの意図について質問するとこう説明した。

「掲示中のポスターは、選挙ポスターではなく演説会弁士3人の告知ポスターです。弁士の選択に関しましては広報戦略についての問いかと思いますが、広報戦略に関しましては誠に申し訳ございませんがお答え致しかねます」

また波動米、アートテン農法に関する具体的なデータ、栽培方法についても質問したが、こちらは返答がなかった。もちろん答えられるはずがないだろう。「大調和の波動を転写した」という農法を科学的、具体的に説明できる関係者がいればぜひ名乗り出てほしいものだ。

こうした活動も参政党の怪しさを際立たせるが、さらに林元一家にはもう一つの疑問が残る。

娘、林元真季氏が都民ファーストの会から立候補

今となっては随分、昔のことに感じるコロナ禍。参政党と言えば草創期の取り組みとして反ワクチン、反マスクがあったことを覚えているだろうか。神真都Qほど過激ではなかったが、反ワク反マスクだったことに違いない。当時、外出する際、また公共スペースではマスクは必須。着用していないことでトラブルが多発した頃である。

ところがそうした世相や社会ルールを敢然と無視して、参政党員の多くがノーマスクを貫いた。

コロナ禍での参政党集会。ノーマスク姿は定番だった。

また「緊急事態条項反対」というスローガンもあったが、現在ではほぼ聞かれなくなった。国のワクチン政策に反対し、またオーガニック色が強く、緊急事態条項の反対もあってリベラルを志向する有権者が勘違いして参政党に参加したケースも少なくない。

こうした党の歩みを再確認した上で話を進めよう。

林元政子氏の娘、林元真季氏は2021年都議選に都民ファーストの会から立候補していた。これも参政党ウォッチャーの間でこぼれ話として語られる。

では真季氏の選挙公報を見て頂こう。

黄線部に注目。

その公約には

「爆速」ワクチン接種で経済活動再開へ、国際ワクチン・治療薬の開発支援強化、1400万都民を守る「爆速」ワクチン接種計画

と掲げられていた。コロナ禍の参政党員ならば激怒しそうな公約である。もちろん政治主張が家族と異なるのはありえることだ。しかし疑問なのは神谷代表が都ファ候補である林元氏の応援に駆け付けたことだ。しかも神谷氏はマスク着用という点も気になるところ。

神谷氏がマスク姿で演説。

「林元政子氏は2010年に神谷氏が設立した『龍馬プロジェクト』のメンバーで、神谷氏の著作『日本のチェンジメーカー~龍馬プロジェクトの10年~』にも登場します。龍馬プロジェクトのよしみで応援したと思いますが、あまりに無節操ですよね」(神谷氏知人)

この一件は党内からも問題視する声が挙がっても不思議ではない。だが神谷氏の〝一神教〟となった今、意見することは難しいだろう。「除名」「離党処分」もありえることだ。

現在、勢いがある参政党、そして神谷氏にとってこうした指摘は聞く耳を持たないだろう。しかし党を見限る議員、党員も少なからず存在する。比例の投票先2位という人気政党になったが、長続きするとは思えない。

冒頭で紹介した記事【参政党研究】細菌の前で 祝詞? 元党員が 激白!参政党の ヤバい“オカルト農業”の ウラ側では除名処分を受けた元党員X氏の体験談を取り上げた。同氏の参政党に関する分析で特に印象的だったのはこれだ。

政党なのに「社会の視点」がありません。おかしい、怪しいと見られたとしても神谷さんにとってメリットがあれば問題ないということですね。それに離党して気付いたことがあって、それは党の中にいた時の情報と、党を出た時の情報がまるで違っていることです。中にいる間はその異様さが理解できないのでしょう。

参政党に熱狂する支持者が覚めた時、おそらく同様の感想を抱くだろう。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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