京都維新・松井春樹氏スタッフが 対立候補事務所にスパイ!? コンビを組んで M‐1 2023に出場も

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By Jun mishina

日本維新の会、一日一不祥事になってきた? 次期衆院選京都4区の同党候補、松井春樹氏の男性事務局長が同区選出、北神圭朗衆院議員の選挙活動に偽名で参加。これがスパイ行為だと批判が殺到している。松井氏と男性は同級生。両氏は組んでM‐1グランプリ2023にも出場しており文字通り“コンビ”という関係だ。

26歳東大卒弁護士 華麗なる経歴

エリートからヤカラ風情まで――。党の人材は昨今、流行りの“多様性”に富む日本維新の会。その点、松井春樹氏は1998年京都生まれ、東大卒で弁護士という若手エリート候補者だ。

「実家は裕福で“華麗なる一族 ”ですね」(維新関係者)

松井氏は弁護士として活動する一方、若くして政治家を志すとは単なる“ ボンボン”ではなさそうだ。YouTubeでは法律解説、またXへの政治活動の投稿など意欲的だった松井氏。そんな維新の若手ホープに前代未聞のトラブルが発生した。

同党が政治資金問題で紛糾する中、松井春樹氏の男性スタッフが北神衆院議員の選挙事務所に偽名で参加していたことは今、大きく報じられている。松井氏は24日、Ⅹ上で声明を発表。「① 衆議院支部長の辞任及び離党② 該当の同級生の事務局長解任③ 同者の事務所への出入り禁止」と報告した。

また同日のXでは事務局長とのやり取りを報告している。

昨年の12月頃、事務局長より私に相談がございました。「偽名で他陣営の候補とラインを交換しており、他陣営から街宣活動に誘われている」という内容でした。私はもちろん「やめてくれ。リスクでしかない。」と強く反対しました。その後に本人に確認すると街宣に実際に参加したことが発覚し、その時にはさらに強く引き留めました。その後は話題にならず活動は辞めているものと考えておりましたが、3月に再度、別の話の流れで、政治塾への参加に加え、後援会行事の参加や選挙期間のサポートにも入ったことを聞くに及びました。関わりが深くなっていることに危機感を覚え、再度説得を試みましたが、彼の気持ちを変える事は出来なかったように思います。

本人としては他陣営への参加を制止したのだと。つまり松井氏の指示ではなく、事務局長の個人行動であることを強調した。

京都政界に精通するさる地元選挙プランナーは偽名潜入が発覚した当時の状況を解説する。

「スタッフが潜入報道の前に北神議員の政治資金収支報告書の不記載があったのです。そこで当初、京都維新は“刑事事件でもないのだからこの不記載ネタで攻めよう ”という対応でしたよ」

他陣営に入り込むのは明らかにモラル欠ける行為。しかし党側は“反省”ではなく“攻勢”に転じようとしたフシがある。

M-1公式サイトより引用。松井氏(左)、右が事務局長。

また松井氏と事務局長は意外な過去があった。

「実は2人で組んで2023年にアマチュアコンビ『いろどり』としてM-1グランプリに出場していました。結果は1回戦負けです。その相方というのが今回の北神議員事務所に潜入した事務局長(写真右)ですね」(前出プランナー)

松井氏は公式プロフィールでもM‐1出場歴を公表している。

M-1グランプリはご存知、漫才日本一を決める大会だ。公式サイト上にある両氏の個人データには松井はるき、「金井塚」という名がある。こうした活動を考えても単なる同級生ではなく「親友」「盟友」「同志」というのが相応しい。

事情を聞こうと松井氏に話を向けると「今から事務所で報道陣にブリーフィングなので失礼します」とまさに会見の直前だった。一方、北神衆院議員事務所にも事実関係を質問してみたが「コメントは差し控えます」という回答だ。

一体、男性スタッフはどのように北神陣営に入り込んだのか。

立憲民主党学生部入会で 身バレした

教育無償化にも意欲を見せた松井氏。

M‐1で「金井塚」と名乗った人物が松井事務所のスタッフとして北神陣営に忍び込んだわけだ。事務所側はノーコメントとしたが、北神議員知人が内情を解説する。

「昨年11月に北神の母校、京都大学で市民参加の勉強会が開催され講師として登壇したのです。講義が終わったところ彼(金井塚氏)が“僕は工学部ですけど先生の後輩です”と話しかけてきました。“僕も親も先生を応援してきました。政治に興味があるので事務所のボランティアとして働かせてください”というのですよ。この時は確か『美馬』と名乗っていましたね」

北神議員はかねてから勉強会や政治塾を開催しており青年層との交流も積極的だ。北神議員は京大法卒で学部違いとはいえ後輩を名乗る美馬青年からのボランティア志願を意気に感じたのだろう。「美馬青年」はビラ貼り、挨拶回りの他、勉強会にも積極的に関わった。

「今年2月の京都市長選も手伝って支援者名簿を見て電話をかけていましたね。“彼が名簿を見ていたかと思うとゾッとする”とスタッフの一人が話していました」(同知人)

名簿は議員の生命線。名簿狙いの潜入もありえる話。同氏が驚くのはとても自然な様子で北神陣営に溶け込んだことだ。

「北陸への研修旅行もあったのですが、彼は学生ということで無料だったそうです(笑)。街頭演説の手伝いぐらいなら分かりますが、ここまで食い込みましたからね。潜入のプロですよ」(同前)

研修まで参加とはボランティア生活を“ エンジョイ”といったところか。ところが今年6月、異変が起きた。

「立憲民主党学生部に『金井塚』と名乗る青年が入会を申し込んできたのですが、経歴書に北神圭朗事務所でボランティアと書かれていたのです。立憲さんもトラブル回避をしたかったのでしょう。北神事務所に“そちらの事務所スタッフさんがウチに入会希望というのですが大丈夫ですか ”と問い合わせたのです。ところが北神側は“金井塚なんてスタッフはいません ”と答えたものの、風体の特徴などからして“美馬のことだ ”と発覚したのです。京大工学部卒というのも嘘でした」(同前知人)

北神事務所に入り込んだものの、立憲民主党学生部の入会希望のプロセスはあまりに稚拙だ。これが原因で身バレしてしまった。ただ不思議だ。本当にスパイ目的ならば素性も完全にガードしたはず。もしや本当に選挙ボランティア生活を満喫していたという推測も成り立つ。

地元京都新聞によれば26日の記者会見で松井氏は「(事務局長が)北神事務所に出入りするのを止めたが止めきれなかった。名簿の流用はない。勉強目的とゲーム感覚で潜入したのではないか」などと説明した。松井氏による指示だったかについては強く否定し、あくまで金井塚の独断、暴走という見解である。ただし松井氏の説明にあった「ゲーム感覚」という指摘は非常に意味深だ。

もちろん若気の至りでは済まされない。

「大きな被害はなさそうで何よりですが、前代未聞で恐ろしい話ですよ」と嘆息するのは先の選挙プランナー。

「全国の議員は我が事と考えた方がいいでしょうね。支持者やファンと近づいても目的までは見抜けないのですよ。例えばスタッフを名乗って勝手に有権者に飲食を振る舞ったり、違法な呼びかけをしたり“自爆妨害”という可能性もあるでしょう」

最終的に対立陣営の北神議員を混乱させるどころか、味方の松井氏は出馬を辞退する羽目になった。両陣営へダメージをもたらしたのだから恐ろしい。しかし当の金井塚氏は雲隠れ状態。一体、何が目的だったのか謎だ。

先の北神議員知人はこう話す。

「松井氏の説明ではゲーム感覚とありましたね。私はそれがしっくりきます。というのは彼(金井塚氏)も実家が“太い”のですよ。生活には困らないから選挙ボランティア活動に刺激を見つけたのかもしれませんね」

問題が山積する日本の維新の会だが、たった一人の青年の暴走でこれほど大きな事態になるとは…。自爆妨害というに相応しい。日本維新の会としては予想だにしない不祥事となったが、改めて党内ガバナンスが問われるだろう。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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