X(旧Twitter)で著名人らを中傷してきた「桜ういろう」なる人物の正体は共同通信・櫻井平記者と身バレしたのは昨年2月のこと。すでに過去の人と思いきや9月2日放送の『ニッポンジャーナル』によると「桜ういろう」名でMCの居島一平氏へ抗議文が送付されてきたから驚き。帰ってきた桜ういろうというわけだ。
桜ういろうの名が再びネットに駆け巡る
日本のマスコミとは本当に不思議な存在だ。天下国家の善導者とばかりにネットのモラルや匿名性の弊害を説く。ところが新聞といえば「Xのまとめ」と見間違う記事も散見され、テレビといえばYOUTUBE動画をあたかも独占ネタの如く報じる。しかもいざ災害や事件が起きればSNSユーザーに動画、写真を「くれくれ」と迫る。
ネットを批判しつつ、ネットに依存しきった現状をどう認識しているのだろう。しかも匿名アカウントで他者を攻撃し続けたのが「共同通信記者」だったとはブラックユーモアの世界である。
桜ういろうの攻撃対象は広く在日ウクライナ人で政治評論家のナザレンコ・アンドリー氏、自民党・杉田水脈衆院議員、WBPC(若草/BOND/ぱっぷす/Colabo)追及の暇空茜氏にも及んだ。暇空氏が桜ういろうに関する情報提供を呼びかけ特定が始まった。
すると毎日新聞出身で共同通信所属の記者であることも判明し、『週刊ポスト』『週刊文春』の2誌が詳細を報じた。
その後の桜ういろうはナザレンコ・アンドリー氏、暇空茜氏から提訴され、投稿の後始末というわけだ。「桜ういろう」の一件はマスコミ関係者の横暴、品性を問う際に引用されるが、ここ最近は関心が薄れつつあった。
ところが9月2日放送の『ニッポンジャーナル』でMCの居島一平氏が「桜ういろう」を名乗る人物による抗議文を公表したのだ。抗議文は7月29日、居島氏の所属事務所にメールで送られてきたという。
不偏不党の共同通信社は 笑うところか
メールの抗議文はこう切り出している。
御社に所属するタレント「米粒写経」の居島一平氏の出演番組での発言について、コンプライアンス的に問題があるのではないかと考え被害者の立場からメールさせていただきました。
ナザレンコ・アンドリー氏がゲストの放送回で居島氏の以下の発言を問題視した。
共同通信のデスクが桜ういろうの名前でヘイト発言を繰り返す、まだ記憶に新しい事件といいますか出来事でしたよね。この桜ういろうを名乗る人物は、旧ツイッター上で ナザレンコさんをレイシストなどと糾弾したり住所などの個人情報まで時には拡散しようとしたりということでナザレンコさん情報開示請求するなどして対処されてましたけどこの件、その後どうなってるんですか?
居島氏の発言は桜ういろう氏個人だけではなく“不偏不党を旨とする”共同通信社の信用をも著しく低下させたと訴える。そして謝罪と名誉回復措置を求めた。
共同通信社が「不偏不党」とは失笑を禁じえない。番組の視聴者にとっても 匿名で発言を続けた方がよほど社の信用を低下させたはずだ。桜ういろうの一連の投稿は「報道」とは全くかけ離れたものだ。
ただし注意すべきはこの人物が本当に桜ういろう本人なのか、ということ。
番組では共同通信に直接、確認しておりその様子も公開されたが「会社として関与できない」という説明だ。
また筆者も共同通信に対して居島一平氏に抗議文を送付したのは桜ういろう氏本人なのかを確認したがなんと「櫻井平という人物が桜ういろうであるのかは不知」という回答だ。
この時の共同通信の対応には呆れた。というのは筆者もこれまでマスコミ各社へコメントを求めたが過去の例でいえば朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、テレビ朝日、日本テレビは広報担当または総務を通じての返答だ。いずれも担当課を明かした上でのこと。ところが共同通信は総合窓口に丸投げ。「総務」の所見としての回答を総合窓口の担当者に“ 代返”させただけだ。ニッポンジャーナルの回答も同様の手法だったと予想する。
普段、攻撃的で高圧的なマスコミが自身に問題が降りかかると「答える必要がない」といった態度。マスコミというだけで社会的な免責制度があるようだ。
そもそも桜ういろうと櫻井平が同一人物なのかについては共同通信は認めていない。この点も疑問である。
ナザレンコ・アンドリー氏が桜ういろうを提訴した裁判資料でも曖昧な態度が垣間見えた。
ナザレンコ氏側の弁護人の照会に対して「一般社団法人共同通信社 法務部長 増永修平」名で櫻井平の在籍の有無について「当社に在籍しています」とした。ところが「櫻井平が同アカウントにて投稿した事実を認めたか否か」という質問に対しては「外部開示を予定していない社内手続きに関する事項であり回答致しかねます」と認めていない。
これだけ社会的な反響が大きい事案である以上、共同通信は事実関係を公表すべきではないのか。「不偏不党」「権力の監視」「社会の木鐸」なる自負はどこに消えた?
居島氏も「論評の領域」なのでは?
共同通信とSNS。それは旧Twitter時代から問題視されており、共同通信公式アカウントですら、とても「報道機関」とは思えない主張だ。特に2016年11月18日の公式アカウントの投稿は居酒屋政談以下である。
裏返せば社内には桜ういろうと同等の記者たちが潜んでいるのだろう。桜ういろうとは偶然にも身バレした一人。同時期には別の共同通信の記者がSNSでの投稿を問題視された。現在は関西地方の支局に勤務する同氏に話を聞いたところ「当時はどうかしていました。もうSNSは一切やっていません」と振り返った。ところが桜ういろう本人からそうした弁は聞かない。
そんな桜ういろうだが現在はナザレンコ・アンドリー氏らと係争中。ナザレンコ氏に対して桜ういろうはX上で辛辣な言葉を投げかけた。中でも最も痛烈なのがナザレンコ氏が「人類史上、最も人を殺したカルトは「共産主義」」と投稿したことに対してのリプライ。
日本人は満州や朝鮮で、ソ連人に強姦され虐殺されました。日本人にとってナザレンコ・アンドリーさんの祖国ウクライナもまた加害者なんですよ。お金が欲しいのは仕方ないかもしれませんが、どうかインチキ宗教のお金目当てで日本人を扇動するのはやめてください
第二次世界大戦末期、ソ連軍による満州侵攻についてナザレンコ氏も加害者とした。これが不偏不党を是とする記者の投稿とは思えない。仮に保守政治家、保守文化人、または保守系メディアが「北朝鮮に日本人が拉致されたから朝鮮学校の生徒も加害者」と主張した場合、「批判」「糾弾」では生易しいほどの社会的制裁が待つ。場合によって職さえも奪われかねない。
この投稿に対して弁護側はこう反論している。
インチキ宗教のお金目当てとの表現は穏当ではない。しかし当該、表現は原告ではなく統一教会、国際勝共連合を指す表現であるから、当該表現により原告の社会的評価が直ちに低下するものではない。また統一教会は霊感商法等で信者から高額な金員を受け取り、家庭崩壊が生じる等深刻な社会問題を引き起こしてきた団体であることを考えあわせれば「インチキ宗教のお金目当て」との表現は直ちに違法といえるものではなく意見ないし論評の域を脱したものではない。
原告アカウントの共産主義を「人類史上、最も人を殺したカルト」「死者は一億人以上」と過剰に非難する原告の投稿に返信する形でかつてソ連による満州侵攻で多数の日本人が殺害されたことに言及しつつ原告の過度に反共的な政治的主張を扇動的であると批判する趣旨の投稿である。
ナザレンコ氏が旧統一教会系のメディアで発言したことに転嫁しているが、しかしソ連軍の侵攻とナザレンコ氏を同一視して「加害者」としたことへの反論や説明にはなっていない。それに「インチキ宗教のお金目当て」という桜ういろうの主張が「意見、論評の域」であるならば、居島氏の発言も同様に「意見」「論評」の範囲としか思えないが…。
繰り返すが居島氏に抗議文を送付したのは桜ういろう本人なのかははっきりしない。
にしても、だ。
先述した通り、桜ういろう騒動渦中、別の記者も素行が問題視された。また昨年12月には元ソウル支局長2人が約6千万円の着服で懲戒解雇。とても社内統制が機能しているとは思えないのだ。そんな危うい組織が膨大な情報、機密性が高い施設にアクセスできるのは恐怖そのもの。
加えて桜ういろう騒動後、共同通信または他報道機関は記者個人の素行やSNS利用についてどう向き合ったのか見えてこない。おそらくお抱え講師による社内研修がせいぜいだろう。
もっともこうした指摘も定番の「記者いじめ」と逆ギレする記者が相当量、存在することは容易に想像できる。
「この投稿に対して弁護側はこう反論している。」この後の弁護側の反論以降の文章にも引用を示す縦線がかかってないでしょうか?
申し訳ありません。
至急、修正します。
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