保守分裂が相次ぐ統一地方選2023。奈良県知事選は日本維新の会が推薦する山下真氏が先行、次いで自民党県連(高市早苗会長)が推す平木省氏、現職の荒井正吾氏が追う。県連の方針と異なり県内自治体の多くが現職支持、そして高市氏の支援者で安堵町“同和のドン ”の平山観光・平山亘氏も荒井支持だという。まさしく自民分裂を物語る一幕だ。
現場自民党員たちの 嘆き
奈良県知事選は自民・維新いずれも重要な選挙。仮に山下氏が当選した場合、一昨年、日本維新の党が推薦した兵庫県・斎藤元彦知事に続き大阪府以外での維新系知事になる。ちょうどオセロゲームのように大阪府を中心に維新の陣地が広まる。
関西の自民党員は維新の勢いに直面しているが、それに反して自民党本部の危機感が低いと現場の議員、支援者らは嘆く。
府内の自民党関係者は「安倍晋三元首相が亡くなって党内の求心力が無くなった」と保守分裂を分析するが、その一方で「知事選、市長選で保守分裂は安倍首相の時代でも起こっていたこと」と反論する関係者も。
奈良県知事選の保守分裂は一つに高市早苗県連会長への反発があるという。平木氏は高市氏が総務大臣時代の秘書官。平木氏擁立にはもちろん高市氏の意向があった。
これに対して党本部の対応は不明瞭だ。県連関係者からはこんな不満も。
「森山裕選対委員長が県連に対して党本部の平木氏推薦を認め“ 荒井氏を説得する”と言ったにも関わらず、荒井氏に対しては“ 頑張ってください”と二枚舌を使ったのです」
2月に行われた自民党の調査によれば山下氏が35.2%、平木氏が25.1%、荒井氏は18.5%という結果だ。またこのほど読売新聞が行った情勢分析でも山下氏やや先行と報じた。
高齢で多選(5選目)の荒井氏に抵抗を感じる党員、県民も少なくない。平木氏で一本化すれば有利か、拮抗した可能性が高い。
現場の党員が嘆くのも無理はないだろう。
第二の 安堵町長、平山亘氏が 荒井氏支持へ
現職支持を打ち出す県内自治体の中に生駒郡安堵町の名があった。同町について当サイトは過去、特集したことがある。平山観光(同町東安堵)の前社長で自由民主党安堵町支部長、部落解放同盟安堵支部長の肩書だった平山亘氏(高市早苗を 支援した “安堵町第2の町長”)が2019年10月17日、農地法違反の疑いで逮捕され懲役1年執行猶予3年の有罪判決(会社としての平山観光には罰金300万円)を受けたことだ。
平山氏の農地法違反容疑は、農地転用には県知事の許可が必要なところ、その手続を踏まず安堵町の農業委員会の許可だけで転用、開発を行ったこと。元は田んぼだったところに建設残土を入れて整地し、商業施設にしたのだ。
平山氏は第二の町長と噂されるほど、安堵町内では圧倒的な存在。無論、同和行政・事業が大きく影響する。同社㏋には「弊社代表平山亘は1985年10月に安堵町同和対策事業 特別委員会 委員長に就任」との記載が象徴的だ。
役場内でも平山氏に意見できない状況だったという。興味深いのは平山氏は解放同盟支部長だけでなく、自由民主党安堵町支部長の立場にあったことだ。通常、解放同盟の支持政党は旧民主系、特に立憲民主党。“解放の故郷 ”奈良県は解放同盟奈良県連委員長の川口正志県議が自民党会派という独自の事情がある。
平山氏も自民党支持で高市早苗県連会長の支援者。高市氏の政治資金収支報告書でも平山氏からのパーティー券購入が記載されている。
ならば今回の奈良県知事選も高市氏の意向を組み、平木氏支持と思いきや事情は違っていた。
「県連関係者が影響力がある平山氏に平木氏の応援を依頼したところ“ 荒井さんでいきたい”と断られたのです」(党関係者)
詳細や地元政界事情を取材すべく同社で平山氏に取材を申し込んだが「政治に関する取材はお断りしているんです」と応じてもらえなかった。
一方、平木氏の有力支援者は荒井知事支持者にこう憤る。
「結局、旧態依然の奈良県政を維持するには荒井氏が都合がいいということでしょうね」
あとは平木氏がどこまで追い上げるのか注目だ。
高市氏をめぐっては放送法の政治的公平に関する総務省文書に関し国会でも追及を受けたのはご存じの通り。国会で総務省文書を取りあげた立民・小西洋之参院議員の失策もあり高市氏は乗り切った。しかし県知事選についてはかつての有力支援者が荒井氏支持に回るなど厳しい状況は続くようだ。
地元民です。期日前投票率が前回の3倍以上とのニュースで、地元の注目度の高さが伺えますね… 奈良県は「奈良府民?」の多い地区と地元民の多い地域では意識が別の県みたいですね⁈ 奈良府民は維新・地元民は自民かな?と言われたりしていますが‥結果はいかに⁇
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60%越えの間違いです(期日前投票)失礼しました。
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