今回訪れたのは大阪市東住吉区の矢田地区である。本来の地名は「富田」であり、戦前は370戸の部落で主に行商やわら細工をやっていたとされる。戦後には591戸に増加した。
かつては穢多村が存在したが、大阪の他の部落と同様に明治末期以降に急速に移住者が増え、戦後の同和事業開始の時点で住民の殆どは賤民とは無関係であったと考えられる。
矢田と言えば、1969年に解放同盟と共産党の対立を背景とした暴行監禁事件である、矢田事件が知られている。詳しくはWikipediaを御覧いただきたい。
訪れた日は寒くて雨模様。カメラのレンズが曇ってしまった。ここは部落の寺で、浄土真宗本願寺派の光明寺である。
この部落では美味しいホルモンや油かす、チェリースモーク(さいぼし)が買えると評判なのだが、何せこの天気。野外でバーベキューを考えていたのだが、断念せざるを得なかった。
この部落も同和対策の団地が立ち並んでいる。
ここは宝神神社。不動明王が祀られている。
駐車禁止の標識がない道路には路駐されている。
そして異様な雰囲気が漂うのはこの一角。ここには矢田の同和事業の箱物施設が集積されている。
これ見よがしに部落であることを強調するネーミング。
しかし、これらの施設は全て閉鎖されていて、廃墟となっている。
ただし、青少年会館横の公園と運動場は手入れがされている。
保育所も運営されている。
そして、この地域でさらに異様な雰囲気を醸し出しているのが、この 「大阪市立ゆとり健康創造館」 通称「ラスパ」という施設。民間のスーパー銭湯のように見えるが、大阪市の施設である。そして、今は巨大な廃墟となっている。
1999年に大阪市が126億円をかけて建設。同和事業のために先行取得された用地に建設され、市の外郭団体である大阪市中小企業勤労者福祉サービスセンターが運営した。2006年からは民間企業のニュージャパン観光が運営を委託されたが、一度も黒字になることはなく、2009年に廃止。
看板にある通り、天然温泉があった。その温泉は地元から年800万円で買っていたものなのだが、それについては後述するとおりである。
この廃墟となった集会所の隣…
矢田の名物である天然温泉がある。
この温泉が出た経緯が大阪市同促の『40年の歩み』に書かれている。部落の北方にある湯里住吉神社はその名の通り昔は境内の井戸から温泉が出ていたとの記録があり、1984年に、掘れば確実に温泉が出るだろうと見込んだ日本地下水開発社長の弟が地元に話を持ちかけてきた。
そこで、地元の生協が資金を出して掘削を開始、1988年に45.1度の温泉が湧出した。
そして、それが現在の「ふれ愛温泉矢田」である。
入浴料は大人440円と格安。同じ源泉を使っていたラスパは1600円だったので、勝負にならなかったと思われる。
運営する団体は矢田人権協会。その紹介文も同和地区であることを主張するものとなっている。
こちら摂津國旧榎並荘荒生雪駄村皮田百姓。
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