年別アーカイブ: 2019年

学術・研究:部落探訪(136) 広島県広島市西区福島町

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広島県最大の部落は、原爆の爆心地から約2kmの場所にある。1935年の記録では982世帯、5693人という大部落は、原爆で90%の建物が全壊し、住民の10%が即死、60~80%が負傷した。

それでも、地域の産業、文化、コミュニティが完全に破壊されることはなく、部落としての福島町は残り続けた。

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琴浦町議会での議員の質問が「差別事象」として県人権局に報告される(後編)

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そもそも固定資産税の同和対策減免はどのようなもので、何の意義があるのか、その点を説明しておく必要があるだろう。

同和減免とは何かと言うと、端的に言えば、同和対策全盛期はいわゆる「部落民」であれば固定資産税を払わなくてよいということが普通にあった。これは「同和利権」「同和特権」であると考えて差し支えない。払わなくて良いとまではいかなくても半分で良いとか。3割引されるということもあった。

意義はあるのかと言うと、身も蓋もない言い方をしてしまえば、実質的には何の意義もないと考えられる。

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学術・研究:部落探訪 (135)山口県岩国市玖珂町同道・柳井田下

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玖珂町くがちょうの柳井田下、同道には部落があったとされる。1935年当時の戸数はそれぞれ53,12で、生活程度は極端に悪くはなかったようだ。筆者は研究者と共にその地域を探訪した。

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琴浦町議会での議員の質問が「差別事象」として県人権局に報告される(前編)

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地方議会で同和行政に関する議員の質問が部落差別認定されるということは、滋賀県甲賀市や福岡県那珂川町など、過去に何度も起こっているのだが、今度も同様のことが鳥取県琴浦町で起こっている。しかし、今までとは異なり、町執行部側が町議会議員の質問を差別認定したのに対し、議会が反発するという珍しい事態になっている。

実は町が差別認定をしたことには、筆者が関わった裁判のことも関係している。そのことを含め、今回の事態の背景を探った。

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学術・研究:部落探訪(134) 広島県呉市山手2丁目

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今回は、アニメ『この世界の片隅に』の舞台となった呉市にやってきた。呉市の代表的な部落は山手やまて2丁目、別名「山手の谷」と言われる地区だが、正確にはここは部落ではない。

ここが唯一の事例というわけではないが、近世の被差別民の居住地とは無関係であるのに同和地区指定された顕著な例である。

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自民に推薦願いを出した “解放のふるさと ” ドンの本音(後編)

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「解放のふるさと」と言えば奈良県御所市。当地の解放運動のドン、部落解放同盟奈良県連委員長で奈良県議の川口正志氏が先の統一地方選で自民党に推薦願いを出していたのは事実だった。そしてさらに深層部分に立ち入っていくと解放運動と政治、そしてリアルな地方政治の顔が見えてきた。後編となる本稿はまず推薦願いの舞台裏から話を進める。

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学術・研究:部落探訪 (133) 山口県岩国市 周東町獺越 明神 喜十郎

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1935年、現在の岩国市周東町獺越おそごえ明神みょじん喜十郎きじゅうろうという名前の部落があったとされる。

主な職業は農業、砥石掘り、日雇い労働。儀正堂、明神を探訪した際に、喜十郎についても聞いたのだが、大まかな場所を知っている住民がいた。ただ、喜十郎には既に人はおらず、廃集落になっており、長らく行っていないので今はどのような状態になっているか分からないということだった。

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自民に推薦願いを出した “解放のふるさと ” ドンの本音(前編)

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部落解放同盟の支持政党と言えば歴史的に旧社会党・社民党、旧民主党、そして現在は立憲民主党。おおかたこのような系譜になるだろう。少なくとも建前上は反自民の立場だった。ところがこのところ解放同盟も自民党に接近し、また自民党議員も解放同盟の旗開き(新年会)、全国大会に出席するなど関係を深めているようにも見える。解放同盟といえば反体制、反権力を鮮明にしてきたはずだがもうそんな時代でもないのだろうか。そんな折、解放運動の故郷・奈良県御所市の“ ドン ”こと 部落解放同盟奈良県連合会(通称、川口県連)委員長、奈良県議の川口正志かわぐちしょうし氏が先の統一地方選で自民党に推薦願いを出していたという情報が舞い込んだ。川口氏は元社民党の議員のはずだがなぜ自民に? 話を受けて現地にて川口氏周辺を取材してみると―――。

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学術・研究:部落探訪 (132) 山口県岩国市周東町 獺越久杉儀正堂・三瀬川東日成

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岩国市の部落を研究しているという方に招かれ、筆者は岩国市を訪れた。まず、興味を持ったのは旧周東町の少数点在部落である。特定は困難と思われたが、幸いにも特定に成功した。

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関西生コン「ヤドチョウ」たちの裁判④ なぜ滋賀が狙われた?

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湖東協事件の裁判では武建一被告らによる建設業者・生コン業者に対する恐喝などが審理されている。滋賀でも生コン価格を値上げすること、アウト企業を排除すること、といった連帯の方針が事件の根底にあるようだ。ではなぜ滋賀県の企業がターゲットになり武被告ら幹部まで介入してきたのだろう? それは滋賀の生コン業界の事情が影響していた。大阪、奈良、和歌山、京都、兵庫、関西地方では関西生コンの影響力は絶大だが、滋賀となると“制圧 ”できていない―――。そんな勢力図拡大が垣間見えた。

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学術・研究:部落探訪 (131) 奈良県北葛城郡上牧町 上牧北上牧

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今回訪れたのは奈良県北葛城郡きたかつらぎぐん上牧町かんまきちょうの部落である。

1935年の記録では279世帯の部落があったとされ、生活程度は比較的よかった。規模は前回探訪した御所市の柏原北方に近く、他の部分でも共通点が多い。

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蓮池透氏、れいわ新選組から参院選出馬へ

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北朝鮮による拉致被害者、蓮池薫さんの実兄・蓮池透さんは5月31日、次期参院選にれいわ新選組から立候補する意向を表明した。 蓮池氏は北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)元副代表だったが、すでに家族会とは距離を置き独自に活動、情報発信をしてきた。元原発技術者ということもあり最近では拉致よりも「原発問題」について発言する機会が目立つ。そんな蓮池氏が政界進出にかける思いとは…。

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学術・研究:部落探訪(130) 奈良県御所市柏原北方

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御所市柏原かしはら北方きたほうは1935年には260世帯、生活程度は中程度の部落であった。ここは全国水平社の創立者の西光万吉の出身地としてあまりにも有名である。また、現在は水平社博物館があることでも知られる。

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関西生コン「ヤドチョウ」たちの裁判③ 人を守らない労組の闇

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前稿でも説明したが関西生コン裁判は①湖東協組事件(大津地裁)、②大津協組事件(大津地裁)、③宇部三菱大阪港SS・中央大阪生コン事件(大阪地裁)に大別できる。今回、傍聴したのは大阪地裁、5月22日、宇部三菱大阪港サービスステーション(以下、 宇部三菱SS)出荷妨害事件の第3回公判だ。2017年12月、同社から業務委託されていた運搬車を妨害したとして関西生コン支部の副執行委員長の七牟禮時夫、執行委員の大原明らが威力業務妨害などを問われている。開廷表を見ると「大原明こと孫明」と表記されていたのも印象的だった。

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学術・研究:部落探訪 (129)大阪府藤井寺市林5,6丁目

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ご存知の通り、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産登録される見通しとなった。そこで、今回は古市古墳群がある藤井寺氏を探訪することにした。

この地域で興味深いのは、古墳の周囲に多数の部落があり、しかもそれらがどうも同和地区指定されていないらしいという点である。

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佐川急便が 東京人企連から脱退

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本誌の調査により、佐川急便が昨年に東京人権啓発企業連絡会(東京人企連)から脱退していたことが判明した。

東京人企連は『部落地名総鑑』購入企業により、部落解放同盟によって組織させられた東京同和問題企業連絡会が改名したもので、ソニー、ソフトバンク、電通、NTTなど日本の代表的企業が加入している。

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長谷川豊の「差別発言」の元ネタを探してみる

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ご承知の通り、日本維新の会の公認候補(現在は公認停止中)である長谷川豊氏が、講演での部落問題についての発言を巡って猛批判をされている。しかし、長谷川氏の発言のどこが差別なのか、よく分からない人が多いというのが実情ではないだろうか。

何よりも、長谷川氏の「差別発言」には元ネタがある。部落問題についての認識というものは、少し前までは研究者でさえ長谷川氏と同レベルで、それが史実として教えられていたもまた事実なのである。今回はその点を検証してみようと思う。

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関西生コン「ヤドチョウ」たちの裁判② コンプライアンス活動の罠

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2勝5敗。関西生コン裁判の傍聴券抽選の戦績である。抽選の倍率は日によって異なるがだいたい3~4倍といったところだろうか。傍聴券を入手できればいいが、早朝から大津や大阪までやってきて抽選に漏れた時のダメージは大きい。入学試験のように当選番号が張り出されるから顔なじみになった傍聴希望者からは「不合格やったな(笑)」といじられることもある。5月21日、湖東協組事件の公判は運よく傍聴することができた。2勝目だ。今回は大津生コンクリート協同組合の村井攻一理事長ら幹部も登場し、関西生コンの内情を語った。

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学術・研究:部落探訪(128) 神奈川県小田原市 東町1丁目・浜町4丁目・酒匂4丁目(後編)

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今回は、解放新聞および東町住民から部落とされている浜町から探訪する。しかし、結論から行ってしまえば、そこは歴史的な意味で部落とは言えないだろう。

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学術・研究:部落探訪(128) 神奈川県小田原市 東町1丁目・浜町4丁目・酒匂4丁目(前編)

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今回は小田原市の部落を探訪した。酒匂川さかわがわを挟んで東側に酒匂部落、西側に山王部落がある。1934年の記録では合わせて77世帯の部落があったとされる。

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関西生コン「ヤドチョウ」たちの裁判

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全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下、連帯)の武建一委員長らが恐喝未遂、威力業務妨害罪などを問われている裁判。関西生コンをめぐる事件は複数に及ぶが、湖東協組事件(大津地裁)、大津協組事件(大津地裁)、宇部三菱大阪港SS・中央大阪生コン事件(大阪地裁)の3つの公判が進行中だ。各裁判所には傍聴のため連帯活動家、関連企業社員、支援者らが大量に動員される。このため傍聴するにも抽選が必要だ。5月8日、大津地裁で武委員長ら3名の湖東協組事件第16回公判があり、初めて傍聴券を得ることができた。もちろん本公判だけでは連帯の全貌はつかめないがそれでも彼らの活動手法の一端が垣間見えた。

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全国部落調査事件 第6回弁論準備手続

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5月13日、東京地裁で全国部落調査事件の第6回弁論準備手続がありました。結論から言えば、「原告が「被差別部落出身者」であることを証明する公正証書 」 は今回も出てきませんでした。次回弁論準備手続は7月10日10:00です。

今回も動画で解説しています。

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「野党共闘」は共産党の疫病神

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「野党共闘」で挑んだ先月21日の衆院大阪12区補選。共産党前衆議院議員の宮本岳史氏(以下敬称略)は野党共闘の候補として無所属 (共産、自由推薦)で立候補したが落選。「安倍政治さよならののろしをあげる、野党共闘の命運がかかった選挙」と宮本は意気込んだものの、哀れ供託金没収という惨敗だった。今後も共産党は他党に協力をを呼びかける方針だが、力強い言葉とは裏腹に野党共闘は疫病神に見えてならない。

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学術・研究:部落探訪(126) 大阪府八尾市安中町8丁目

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大阪市八尾市安中町の同和地区は、もとは「東八尾座」という部落であり、1935年の記録では115世帯、1958年の記録では61世帯と記録されている。この部落の範囲についてはよく分からないことが多い。

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「崩れた砦」保坂展人の俗物根性

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首長の多選、地方議員の無投票当選者…毎度のことながら大都市を除けば、無風状態で終わった統一地方選挙。特に首長選ともなれば「現職有利」がゆえ劇的な展開も期待できない。「国会の質問王」、そして「脱原発区長」と左派から称賛される世田谷・保坂展人区長も三選目を果たし多選首長の仲間入り。かつての革命少年も今や立派な「体制側」の政治家だ。革命よりも「地位」に生き甲斐を見出だしたようである。

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学術・研究:部落探訪(125) 山梨県都留市つる5丁目 “鷹の巣”

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あまり知られていないが、山梨県にも部落がある。1929年の内務省による調査では23の「被圧迫部落」があったとされ、戸数は342、人口は1873であった。

ただし、経済生活の程度は、全般的には「一般と同じ」であったと報告されている。後述するが、戦後になって長らくの間、同和地区は存在しないと山梨県が国に報告したのはそのためだろう。同和事業特別措置法は、その内容からすると被差別部落であれば全てが対象となるわけではなく、実態として経済等の発展が阻害されていることが対象地域の要件である。

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帰ってきた『全共闘白書』続編へ

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全学共闘会議 (全共闘)に参加した77大学256人の団塊世代男女による証言集『全共闘白書』(新潮社・2000円)の続編『続全共闘白書』が企画中だ。同書は1994年に刊行され約4万部を売り上げた。「安保闘争」「学園紛争」などの貴重な資料として運動家、研究者らに現在も重宝されている。当時の団塊世代と言えばおおかた45歳前後で働き盛りだ。しかし世はもう「令和」、発刊から25年四半世紀過ぎ団塊世代は後期高齢者に差し掛かっている。冗談ではなく“ ♪おらは死んじまっただ”と、かつての闘士たちも「老い」と「死」を考える齢になってきた。そんな団塊世代が今、何を思うのか。

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「NHKから国民を守る党」の研究

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統一地方選挙の後半戦投票が迫っている。主要政党がしのぎを削る中で、ひっそりと存在感を増している党がある。それが、「NHKから国民を守る党」(名前が長いので、本稿では「N国」と省略させて頂く)である。

その名前からして地上波テレビではほとんど話題にされることはないが、地方選挙では実際にごく小数とは言えないほどの当選者を出しており、とても泡沫政党とは言えない党だ。しかし、その将来は決して安泰ではない面もある。今回は独自取材したN国の内情をお伝えする。

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学術・研究:部落探訪(124) 福島県会津坂下町 塔寺大門“塔寺二区”

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1921年の記録によれば、会津坂下町には41戸の部落がある。1935年の記録では34戸で食肉、皮革、草履づくりの仕事をやっていたとされる。無論、同和地区指定はされていないが1963年に国からの補助で同和事業が行われたとされ、1968年の同和地区実態調査結果に当時の様子が書かれている。

また、ここは春日八郎の出身地としても知られる。

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