学術・研究:部落探訪(7) 埼玉県狭山市富士見一丁目

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By 宮部 龍彦

今回訪れた部落は、西武鉄道新宿線狭山市駅の東側にある。ここは1963年5月1日に発生した、1人の女子高生に対する強盗・強姦・殺人事件「狭山事件」の現場として知られている。

狭山事件当時は「入間川駅」だった駅名は1979年に「狭山市駅」と改名され、周辺地域は中心市街地として発展した。狭山市駅から西武特急に乗れば新宿まで37分で行ける。

1935年当時の部落の世帯数は59世帯。狭山事件関係の書物には「菅原4丁目」という部落の呼称が出てくるが、1967年に「富士見」に改められるまでは「入間川」が正式な町名だった。

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駅の近くには白山神社がある。周囲はビルで囲まれ、飲食店があり、典型的な地方都市の駅前である。

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少し歩くと、静かな住宅地になっている。

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古くからある民家と、マンションが入り混じっている。はっきり言って、住宅地としてはかなりいい立地である。この地域に古くから土地を持っていれば、その土地の価値はかなり上がっているはずだ。同和地区の法律上の定義であった「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」には、既に当てはまらないと思われる。

狭山事件で逮捕され、無期懲役判決を受けた石川一雄氏も1994年仮釈放された後は地元のマンションの一室で暮らしている。ペントハウスなどではなく、すこし築年数のたった、ごく普通のマンションの一室である。

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石川一雄氏の自宅があった場所。現在は「狭山再審闘争勝利現地事務所」となっている。立入禁止の看板があって中に入ることはできなかったが、内部には石川一雄氏の自宅の様子が再現されているという。事務所の横に停められた自動車に貼られた四つ葉マークが時の経過を物語っている。

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事務所の横には、かつての路地を思わせる風景が少しだけ残っていた。

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「石川」という表札の家が何軒かあった。石川という苗字は、この地に多いことが伺えるのだが、どの家も大きく立派な家だ。

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富士見集会所。狭山市のウェブサイトによれば「同和問題をはじめとするさまざまな人権問題の解消をはかり、明るい地域社会の創造をめざすことを目的に設置された施設」とされる、職員に聞いてみると、所管部署は教育委員会ということである。なので、位置づけとしては隣保館ではなくて、教育集会所ということなのだろう。

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実際は普通の公民館と同じく、地元のサークル活動等に使われているようで「同和」や「部落」に関わるものは一見すると見当たらない。

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それでも探してみると、廊下の脇にひっそりと写真の物件が置かれていた。狭山事件関係のチラシは1~4年前のもので、地元ではあまり大きな関心があるようには見受けられなかった。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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