あの藤原紀香の初出演作品が同和問題の啓発映画? マニアの間で囁かれる超レア作品『ビッグタウン ふたりの朝』(1993年)だ。事実上“お蔵入り状態”にあった本作を全国部落解放協議会(全国協)は、独自に発掘。そこで6月5日、全国協の学習会として同作の上映会を東京都中野区内で開催した。
本作は1993年当時、同和対策事業を所管していた総理府総務庁地域改善対策室と、同和事業を行う府県と政令指定都市で組織された全日本同和対策協議会(現在の全国人権同和行政促進協議会)が企画し、東映が制作。一般の映画ではなく、人権啓発映画である。社会人向けの企業の研修や地域の行事などで上映することを想定して制作された作品と思われる。
マニアの間では、藤原紀香が主役と思われがちだが、久野真紀子とダブル主演といったところ。物語は、看護師を目指すキミコ(久野)、カヨコ(藤原)の日常生活から始まる。バブル末期の雰囲気がムンムン伝わる原色系のスーツとヘアスタイルに厚い化粧。まだ洗練されていないだけに逆に初々しさを感じる。啓発ビデオながら久野の入浴シーンもあり! 一体、誰に対するサービスなのか分からない。
しっかり者のキミコ、逆に子供っぽさを残すカヨコ。二人は、親友でありルームメイトでもある。そして同じ学校で学び、同じ病院で看護助手の仕事に就いている。そんな何気ない日常が続いている。ところがキミコには、秘密があった。彼女は、関西地方の同和地区出身だったのだ。幸いなことにキミコのボーイフレンドは、そのことを知って逆に同和地区についての理解を深めたという。
だがある時、キミコとカヨコに亀裂が入るのだ。二人が働く病院には「先生」と呼ばれる初老の女性が入院していた。この女性は元学校教諭だが、同時に同和地区出身だったのだ。ある時、カヨコは何気ない雑談の中でキミコにこう言った。
「あの人(先生)は、同和地区出身なんでしょ」
そしてカヨコは「先生」が同和地区出身であることを理由に中傷し始める。ショックを受けるキミコ。そして二人の関係は冷めていき、悲しむキミコは、実家に帰省してしまった。反省したカヨコは、キミコのもとに行きめでたく関係修復、というわけだ。現実的にもし同じことが起きた場合、この病院だけでなく所在地の自治体の首長、総務部長まで引っ張り出されて糾弾されるだろうなあ、と思いつつ展開を見入ったものだ。
さらに気になることがある。本来、人権啓発というならばキミコがどのように、どんな言葉を使ってカヨコを説得できるか? そこがキモのはずだ。ところが肝心な啓発シーンが一切ないのだ。
さてストーリーに戻ろう。このビデオ、後に参加者の一人が「超展開」と評したほど、不可解な進行が続いていく。カヨコの「同和地区発言」以外に、なぜか正体不明の男がキミコに対して「お前は同和地区の出だ」と嫌がらせ電話を始める。この人物が一体、誰なのか全く明かされなければさらに全く伏線がないので登場が突然すぎた。
さらに面白いことに総務庁と全日本同和対策協議会という両団体による「官製映画」だけあって決して「被差別部落」「部落」と言った言葉は出てこない。みな「同和地区」という用語に統一されているのがいかにもだ。
結局、犯人と思しき男が病院内にいて異動になる様子が描かれている。ただ怪しいというだけで「犯人」と特定できたわけでもない。またキミコも疑いつつも差別電話を問い詰める様子はなかった。
展開が散らかっているので何か残尿感すら感じる内容。参加者たちからは「見どころは久野の入浴シーン」「キミコの実家の舞台設定は滋賀県だが、撮影は神奈川の津久井湖ではないか」など示現舎の読者らしい感想が相次いだ。期待していた超レア作品『ビッグタウン ふたりの朝』だが、90年代の雰囲気が満喫できたのが最大の収穫かもしれない。
これ見ましたよ!
鳥取ループ氏の生誕の地と思わしき西日本の某県庁の講堂で。
このころは、藤原紀香がようやくドラマの端役から準主役になりつつあるころで、周囲の誰も紀香さまの存在に気付かない中で、自分だけ紀香さまがご出演していることに気付いていました。
それから20年以上経過しましたが、紀香さまが梨園の妻にまで出世するとは思いませなんだ。
それと三品氏の言うとおり確かに同和関係の映画にしては言葉遣いに違和感があったなと思う映画でした。
たしか『同和地区』というキーワードを発言していたかとおもいます。
藤原紀香さまのご尊顔にやすらぎを覚えます。
人権団体の作る映画はどことなく、ふわふわしていてつかみどころがありません。
それに比べ、女性団体の作る映像は、迫力満点!
これ!
https://www.youtube.com/watch?v=ziWrMEq_VLs
父親は犯罪者という事でしょうか?恐ろしすぎる映像ですね。
お忙しいところ大変失礼しました。
是非、マッドな女性団体を調査してください、と言う意味です。