社会の非常識は交野市役所の常識。それも本来は模範たるべき山本景市長の言動が常軌を逸している。過去記事で山本氏から侮辱的な扱いを受けた西井一家についてお伝えしたが、さらに悪質なことに交野市は西井家の個人情報、家族構成を文書化して、寝屋川市役所に持ち込んでいたのだ。それも生活状況、病歴を含めて要配慮情報である。(写真=交野市立保健福祉総合センター)
「万博はファシズム」と言った口で…
昨年4月10日、全国600以上の自治体が参加している「万博首長連合」から交野市が脱退したのは記憶に新しい。それ以来、万博反対派の首長としてマスコミからも一目置かれた山本景市長。
そして同月20日、Xにこう投稿した。
「大阪関西万博は共産主義以下のファシズムだということです」

万博に対して強く反発するが、信念に基づいた発言ではないだろう。単純に山本氏の古巣、維新の代表、吉村洋文大阪府知事が万博の推進役というだけの話だ。要は維新への憎悪の裏返しである。
ところが万博憎しのはずがルクセンブルクパビリオンは交野市に移築されるのだ。あれだけ忌み嫌った万博パビリオンを臆面もなく誘致した神経は理解に苦しむ。
さらに考えてほしい。山本氏の発言が政治家としてどれだけ品位と礼節を欠いたか、という点だ。ルクセンブルクは第二次世界大戦下でナチス・ドイツの侵攻を受け併合された。同国にすればファシズムとは歴史的トラウマだ。
ルクセンブルクに対する発言ではないとしても言動の一つ一つがあまりにデリカシーに欠ける。しかもファシズムとまでなじった万博の展示物を誘致するのは「身勝手」「矛盾」以外の何物でもない。
ルクセンブルク大使館に山本氏の投稿について見解を質問してみたが「大使館が直接、関与していない」という理由で回答は得られなかった。
ところが万博反対派としてマスコミから注目されたにも関わらず4月12日の万博1周年記念イベントに参加表明したから驚きだ。SNS上でも批判意見が殺到したが、さすがに本人も動揺したのだろう。交野市Webサイトには当初のスケジュールに万博1周年記念イベントとの記載があった。ところが批判を受けてか「ルクセンブルクパビリオン部材再利用の展示の確認」に変更。
名目を変更し、いかに取り繕うとしてもイベント参加には違いない。


こうした非礼、不義理があったとしてもなぜか容認されてきた山本氏。どころか市役所内では意見すらできない状況だ。そして日々、SNS上では特定の議員、ユーザーを罵倒し続けている。
不快な思いをさせられたが後が怖い。おおかたの市民たちは山本氏に沈黙せざるを得ない。
だが昨年夏、市内の商業施設で嘔吐したことを山本氏に侮辱された女子中学生の父、西井氏(仮名)は「このまま泣き寝入りできない」と憤る。
また奇遇だがその長女は13年前、中学時代に山本氏からのアプローチを受けた一人だった。今でも西井氏は交野市に説明を求めているがその最中、同氏の家族の個人情報が外部に流出するというトラブルが起きた。
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怪文書から始まった交野市の身辺調査書疑惑
そもそも西井氏と筆者はどのように接触を始めたのか説明しなければならない。今年2月、ある怪文書が筆者の手元に送られてきた。
内容は交野市が西井という人物に手を焼いているという内容だ。また経済状況、病歴などいわゆる「センシティブ情報」を含めた相関図も含まれていた。
そこで怪文書に記された西井氏の連絡先で取材を申し込んだが、事情は大きく異なっていた。それ以上に驚いたことは山本氏との関係だ。三女が夏に体調を崩し嘔吐したことを山本氏に揶揄われたこと、また13年前、山本氏のLINE事件と同時期に長女が接触されたことなどが語られた。
西井氏は家庭の都合で現在は寝屋川市に住む。2023年7月頃から交野市に住む長男の生活相談のため同市の生活福祉課に通うようになった。その最中、「今、交野市と揉めているんだ」と家族に話す。すると西井氏の長女が秘めた過去を打ち明けた。
「ウチも中学生の時にこの人(山本景市長)の事務所に呼ばれた。〇〇(友人の名)ちゃんもおってん…」
話は13年前、つまり山本氏が中学生とのLINE事 件で維新を追われた時だ。西井氏長女もまた同時期に山本氏から接触された一人だった。
西井氏は驚いた。「その時になんで言わへんかったん?」
「だって親に言うたら学校にチクるで、と言われたから…」
山本氏にすれば「証拠を出せ」というかもしれない。なるほど、確かに動画、音声、写真、証明するものは何もない。だが小中学生の女子が「町で声をかけられた」「事務所に招き入れられた」という証言は一つや二つではないのだ。
西井氏は生活相談と同時に担当の生活福祉課や秘書課にも「そちらの市長(山本氏)は昔、ウチの長女にしたことを説明してほしい」と抗議を続けた。市役所は〝面倒臭い〟と感じたのだろう。予想外の出来事が起きた。
寝屋川市も巻き込む騒動
2023年8月頃、西井氏は寝屋川市福祉部の関係者からこう告げられた。
「交野市の職員が西井さんのご家族に関する情報を持ち込んできました。とてもこんなものは受け取れません。お返しします」

ペラ1枚の文書には西井家の家族構成の相関図が書かれていた。筆者のもとに送られてきた文書と同じものだ。まるで興信所の身上調査ではないか。しかも架空の人物との関係、また長男と三女とは血縁関係がないなど事実無根の内容が書かれていたという。
西井氏はこう話す。
「交野市が僕をなんとかしてくれという意味で寝屋川市に持ち込んだのでしょう。自分も〝やんちゃ〟していた時期があったから言葉が過ぎて、知り合いの市議さんからも注意されたことがありました。しかしいくらなんでも妻や子供の個人情報を持ち込む必要はないでしょ?」
西井氏は交野市立保健福祉総合センターの交野市生活福祉課に説明を求めたが「寝屋川市が作ったもの」だと一点張りだ。
逆にもし西井氏が裁判で交野市を提訴する時は協力するという寝屋川市職員もいたという。それにしても異常な行動だ。個人情報に厳格なご時世。行政機関、自治体に対する情報開示請求でも「個人情報」を持ち出せば非公開がまかり通る。
当の行政機関たる交野市が市民の個人情報を外部に漏らすのはおかしい。誤解があるならば堂々と反論すべきだ。
不可解なことが重なるのが行政というもの。西井氏と寝屋川市職員の証言には驚いた。2024年11月、西井氏は池の里市民交流センターで寝屋川市福祉総務部長Ⅿ氏、課長と個人情報文書について話し合いを持った。
その場で課長は文書についての対応を求めたのだが、現場は修羅場と化す。
西井氏や他の職員の目もはばからず部長は「オイ!お前!何を言ってんじゃ!おいコラ!」と課長を怒鳴った。
さらに担当課長の首をつかみ屋外にまで連れ出し叱責したのだ。

「Ⅿ部長は交野市福祉部のK部長とも親交があるため、交野市に配慮したのでしょう。私も現場に居合わせましたがあまりの剣幕に呆気にとられましたよ」(西井氏)
無視を貫く交野市、寝屋川市
その後も、西井氏は文書について両市に説明を求めているが全く反応はないという。もちろん納得がいくはずもない。
挙句の果て昨年7月、交野市立保健福祉総合センターで福祉総務課へ話し合いを求めたところ、警察が呼ばれる事態になった。なぜ説明を避けるのか交野市の対応は疑問だ。
筆者は交野市福祉総務課を訪問し、K部長と身上調査を作成したとみられる担当職員に説明を求めた。
ところが「情報マーケティング課広報担当が対応します」とK部長は言い残し、職員に囲まれ去っていった。もっとも同課に質問を投げかけたところで〝取材や問い合わせに対する協力はいたしかねます〟というテンプレートである。そして案の定、同課はそう回答してきた。
また寝屋川市には交野市福祉部・Ⅿ部長のパワハラについて確認した。事実関係を否定した上で「本件に関するこれ以上の取材については回答を指し控えさせていただきます」(寝屋川市福祉部保護課)
これでは説明になっていない。西井家の〝身上調査書〟は交野市職員が持ち込んだものだと寝屋川市関係者からも証言を得た。さらに新たな情報が舞い込んだ。Ⅿ部長のパワハラについては内部調査が行われたという。つまり寝屋川市はパワハラ問題を認識していたことになる。
その後、新年度の人事でⅯ部長は留任、パワハラを受けた課長は次長に昇進したのだ。つまり次長への昇進を引き換えに手打ちとなったのではないか。
そこで再び両市に質問状を送った。今度は「身上調査書」をめぐる西井氏らの証言は「嘘」「デマ」と考えているのか交野市・寝屋川市に聞いた。
また寝屋川市にはМ部長が内部調査を受けていたという証言についても確認した。両市の信頼性と名誉がかかった大問題だ。西井氏の誤解、問題があるならば堂々と指摘してもらいたい。ところが再質問に対して両市は「無視」だった。
ではあの身上調査は一体、誰が作成を命じたのか。そして目的は西井氏への見せしめ、報復なのか。一介の職員の判断だけで実行したとは思えない。では西井一家は誰にとって最も都合が悪い相手なのか。交野市の〝天の声〟があったとしても不思議ではないことだ。



