昨年話題となった森達也監督の映画『福田村事件』。朝日新聞や毎日新聞などのメディアはこぞって映画を賛美したが、その一方で「映画『福田村事件』を糺す会の声明文」なるものが出回っている。
声明文の作成者は兵庫県の部落解放同盟の関係者。名前は出ていないが「糺す会」には、映画のもととなった事件の被害者がいた部落の関係者も含まれているという。それに対して、森達也監督は無視を決め込んでいるようである。
まだ見たことのない方のために、映画の内容を大まかに説明すると、四国から関東にやってきた行商団が、関東大震災直後に朝鮮人が暴動を企てているという流言飛語の中で、朝鮮人と間違われて襲われて殺されてしまうというものである。
史実の「福田村事件」はそのようなものであることは事実だが、現存している事件の記録は限られており、森監督自身が認める通り映画の内容の大部分は創作である。行商団の出発地は香川県の部落であり、映画の中では朝鮮人のほか、ハンセン病患者も登場する。いわゆる「被差別」っぽい要素を盛り込んだ、森監督らしい作品であり、悲劇的な内容の各所に明るく脳天気な要素を入れて、娯楽性を高めようとした様子が伺える。
しかし、これが一部の解放同盟関係者の逆鱗に触れた。声明文では「この映画の制作者は、制作準備段階から、モデルとなった香川県の当該被差別部落、および部落解放同盟の方々と、意思疎通を欠くなど、当事者を無視、ないしは軽視し、結果的にアウティング事案まで起こした」としている。
現在発売されているDVD等ではなくなっているが、実は『福田村事件』が上映されはじめた頃は、行商団の出発の際に「香川県三豊郡」というテロップが出ていた。
それだけではなく、森監督が2020年にカメラを引き連れて、史実の行商団の出発地である香川県三豊市上高野を訪れており、これは地元住民にとっても寝耳に水であったという。なお、筆者も2022年に訪れているが、当時筆者は映画『福田村事件』の制作は知らなかったので、全くの偶然である。
メディアがこぞって取り上げたこともあって、映画の反響は大きく、わざわざ三豊市まで墓参りのために訪れる人もおり、地元周辺ではなおのこと知られることになった。詳細な事実関係は不明ではあるが、関係者によれば、地元の高校生が「あれはお前のところのことだろう」と言われ、LINEグループを外されるといったトラブルもあったという。
これを解放同盟関係者は「アウティング」であると問題視したわけであるが、一方で解放新聞Web版で公開されている福田村事件についての記事では「香川県三豊郡の被差別部落」と書かれており、森監督はそれを見て「三豊郡までならいいのか」と考えた可能性が高いだろう。
ただ、史実の「福田村事件」は近代史に興味を持つ人にとっては印象深い事件なので、以前からインターネットで検索すれば、行商団の出発地がどこなのかは分かるような状態だった。
そして、もう1つ問題とされたのは、行商団が口八丁手八丁でハンセン病患者にニセ薬を売りつけるシーンだ。これは完全に森監督の創作なのだが、部落の人間がこういった悪どい商売をしていたと誤解させ、ハンセン病患者を軽々しく描いていると受け取られたようである。
さて、森監督の対応はどうかというと、関係者はこう語っているようである。
「話し合いをしようと声明文を何度も送っているけど、森監督の居所も分からないし、話にならないです。あの人は二枚舌で、謝罪すると口では言ってもその通りにしないし、最近も講演で言いたい放題話しています」
7月にはこの問題についてのシンポジウムを開催する計画があるそうだが、このまま森監督が無視を続けるのであれば、本人不在のままやることになるであろうとのことだ。
若い頃「破戒」を読んだ時に、あとがきで解放同盟の人だったと思うが細かくいちゃもんをつけていて驚いたことを思い出しました。
小説にいちゃもんつけてどうすんの? 解放同盟の考えに合わなければ文学も否定されるのか、と憤慨しつつも出版社側もよくこんなものを載せるなぁと思ったものです。
部落差別を扱うならうちを通せってことで仕方なかったんだろうか。
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解放同盟の考えに合わなければ文学も否定されるのかといえば、それはそのとおりです。夢野久作は「骸骨の黒穂」を書いたために水平新聞で
「部落民は怪教徒で野獣的な
惨忍なる復讐的な悪魔だとして
最も劣悪なるものと規定
大胆極まる差別魔夢野久[ママ]を叩き伏せろ!」
とテロ予告を受け、警察に警護を依頼する騒ぎに発展しました。
菊池寛は『父帰る』の中で「穢多」の語を用いたため水平社から糾弾され、当時の総理大臣の給料より高いカネをゆすり取られました。
松本清張は『眼の壁』で解放同盟から糾弾を受け、解放同盟幹部に50万円支払う羽目になりました。
その他、解放同盟にいちゃもんをつけられて絶版に追い込まれた作品もあります。今江祥智の『ひげのあるおやじたち』などですね。
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部落解放同盟員は上から目線でイチャモンを付けてくるが、その解放同盟員本人とその部落や言葉と何の縁があるのだろうか。
私は穢多の子孫であることが分かっているので何の抵抗もなく「穢多、穢多」と連呼していたところ、とある解放同盟幹部に注意を受けた経験があります。
その解放同盟幹部は部落出身であるというだけで穢多の子孫かどうかは分からないと言っていました。
私が「あなたも穢多の子孫なのですか?」と聞いたところ、「先祖の身分なんて分かりませんよ」と笑っていました。
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そんなものです。確かに穢多の子孫だという根拠のある同盟員なんて見たことがありません。
特に大阪はインチキだらけです。
因みにその解放同盟幹部は神奈川県連の人です。
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誰でしょう?
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違います。東京都連です。
何で神奈川県連だと思った???
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解放同盟鹿児島県連や宮崎県連の時吉さんたちは古文書に残る大前時吉氏の子孫ですから、穢多の子孫だという根拠を出せる可能性があります
地方議員が町議会だよりで同和姓をアウティング
https://www.satsuma-net.jp/material/files/group/2/050906161138_s8990234.pdf
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中山英一『差別をのりこえて』の記載を信じるなら、解放同盟長野県連の深井さんも穢多の子孫だという根拠を出せるんじゃないですか? 全国部落調査裁判の上告審などで、機会があったら尋ねてみてください。
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そもそも同和団体は血筋を加入条件にしていないので
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