「県庁職員は野菜を売ったり牛の世話をしたりモノ作りより知性の高い人たち」。4月1日、静岡県庁入庁式で川勝平太知事が新規採用職員に対して送った訓示はキリトリ一切なしの問題発言だ! その直後、川勝知事は辞職の意向を表明すると早くも“ポスト川勝”で各党がしのぎを削る。複数の候補が取沙汰されるが…。
「富国有徳の国づくり」を 提唱した川勝知事
県庁はシンクタンクで知能が高い? そんな有能集団がなぜ熱海土石流の真相解明ができないのか理解に苦しむ。
それに環境保護のためリニアを反対したにも関わらず、農業や畜産従事者を見下すというのはあまりにおかしい。失言が報じられると「#士農工商」といったハッシュタグが付けられ拡散された。農業、製造業より身分が高い県庁、そのトップに君臨する川勝知事にはバラモンの称号を贈りたい。
しかも要人の失言の場合、しばし発言の「キリトリ」という問題が起こるが、今回の川勝発言は一字一句そのままだ。2日夕方には辞意を表明し急展開。報道陣が川勝知事に殺到する訳だが、辞意表明の直前に立憲民主党・渡辺周衆院議員に「あなたやってくれますか」と後継を打診した。
後継指名を受けた渡辺氏に注目が集まる。静岡は民主王国ということも渡辺氏、またはJR連合推薦の国民幹事長・榛葉賀津也参院議員は有力候補になりそうだ。
平和寺問題で 住民の相談に乗った
静岡県といえば熱海土石流でも問題視された盛り土、産業廃棄物の不法投棄が横行している。業者が反社系というケースも多々あるため、行政指導が鈍くなりがちだ。
静岡県内の不法投棄事件といえば怪寺・平和寺も大きく報じられた。同寺への対応をめぐっては静岡県、伊豆市の対応は不可解な点が多く、筆者も指摘した。
その際、地域住民の相談に乗ったのが渡辺周氏だった。なにしろ県内は盛り土、不法投棄が多発する。仮に渡辺氏が候補になった場合、もちろん盛り土や不法投棄が争点とまではならないが、現状で名が挙がる人物よりは期待できるか。
与党からは 元副知事経験の 総務官僚擁立の噂も
川勝知事から後継を打診されたのが立民の渡辺氏。逆に与党からは静岡県出身の元総務官僚、大村慎一氏を推す声も聞かれる。大村氏は2009年に静岡県総務部長、翌年に同県副知事を歴任した。
生粋の静岡県民であり、副知事経験、総務官僚など候補の資質はある。
その他、地元政界で囁かれているのが元民主党系の鈴木康友元浜松市長、元連合推薦の平山幸子参院議員といった名が挙がっている。リニア新幹線容認の立場で与党とも一致するという。
これまで物議を醸す発言、失言が多かった川勝知事。それだけ新知事には期待が集まるが果たして。