以前から気になっている「フルーク映像」という映像出版会社がある。扱っているのは同和・人権、そして最近ではLGBT関連も含まれる講演のビデオ。気になるのは値段の高さで、30分前後のDVDが5万5000円という強気の価格である。
今どき、映像制作は個人でも出来る時代。特に講演ビデオなら役者を雇う必要もないし、この価格は妥当なのだろうか? とある所からそのDVDを借りてみたら、意外なことにDVD-Rだった。
フルーク映像の代表の酒井邦一氏は部落解放同盟大阪府連書記という肩書を持っていた。このビデオは自治体や企業に販売されており、解放同盟の人権ビジネスではないか?
そのことを全国部落調査の裁判で解放同盟側に聞いたことがあったが…
少数なので相応の販売価格設定となるのは常識的ということである。そこで、本当に常識的な価格なのか、現物を手に取って検証してみた。
今回、入手したのは「歩く水平社宣言」こと、山口県人権啓発センター事務局長の川口泰司氏の講演DVDである。パッケージを開けてみると…
インクジェット用紙のラベルが貼られたDVDが出てきた。よく見ると、確かにインクジェットプリンタによる印刷である。2004年の制作で、DVD-Rと書かれているのが気になる。
この青みがかった色合い、途中まで書き込まれているのが視覚からも分かるのは、まさにDVD-Rである。
一応映像は再生できるが、エラーチェックしてみると、かなりの読み込みエラーが出てしまう。DVD-Rで、しかもこれだけ時間を経ていると仕方ないだろう。
現在の価格だと、DVD-Rは1枚数十円、ラベルも数十円、ケースは100円もしないので、原価は総額150円くらいといったところか。しかも、注文があればその都度ブランクのDVD-Rに書き込んで、ラベルとパッケージを印刷して発送すればよいので、在庫を抱えなくてもよい。フルーク映像の住所には、ガレージのある豪邸があるが、市営住宅の一室のようなところでも販売できてしまうのではないだろうか、
2004年の制作だが、映像はVHSビデオ程度の画質で、1990年代のVTR編集機材を使って作ったように見える。
内容は、大阪での講演の撮影と、聴講者の感想等。校生時代の川口氏の貴重映像と、自宅と実家への密着取材は、個人的にではあるが見どころがあった。当時の機材と愛媛までの交通費も考えると数十万円程度の制作費はかかったのかも知れない。
こちらは2018年の作品。相変わらずDVD-Rにラベル貼り付けで、パッケージの質は2004年のものと変わらない。映像はデジタル編集になっているが、おそらく町費で行われたであろう鳥取県琴浦町で行われた講演を撮影して編集して字幕を付けただけのもので、むしろグレードダウンしているように見える。昨今は100枚5万円くらいでDVDをプレスしてくれる業者もあるので、DVD-Rである必要もないと思うのだが。
もっとも、東映の人権ビデオは7万7000円というような価格設定だ。ただ、あちらは役者を雇ってドラマ仕立てにしているものが多いので、今時であればPCで個人でも作れてしまうようなクオリティのフルーク映像のDVD-Rは、やはり高額すぎるだろう。
なお、こちらは東映の作品。さすがに、ちゃんとプレスされたDVDにちょくせつ印刷が施されたものだ。
川口さんの実家はやっぱりハイブリッドニコイチがあるあそこでしたか?
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そうです
フルーク映像の所在地近隣をストリートビューで拝見しました。
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