昨年、発覚した交野市役所の幹部職員によるパワハラ問題。1月から第三者委員会の調査が始まるが、昨年12月8日議会の山本景市長の答弁についてもぜひ検証してもらいたい。パワハラ行為を行った幹部職員が市議に〝ある団体の票〟を持ちかけたという話の中で山本景市長も同様の経験があると答弁した。しかしこの答弁は事実関係に誤りがあり「虚言」の可能性がある。幹部職員に全て責任転嫁する狙いがあるのではないか。(写真は交野市マラソン2024パンフレット)
第三者委員会対象を「特別職にある者を含む」に修正
12月23日の議会でパワハラ問題に関する第三者委員会の設置条例が可決。当初の案では対象外だった「特別職にある者を含む」が追記された。同日、ほり天地・交野市議がXに投稿したところ即座に山本市長が噛みついた。
「修正以前から職員と規定し、その対象には特別職、議員、一般職員を含んでいました。にもかかわらず、維新の修正案は、議員を除くと規定しており、議員は現時点で第三者委員会にはかからないようにしてしまいました。交野市民の皆様は、騙されないよう交野市を代表して皆様に真実をお知らせします」

「修正以前から職員と規定し、その対象には特別職、議員、一般職員を含んでいました」と投稿したがこれはおかしい。
市側は議会で第三者委員会の対象者について「特別職も含め職員と呼んでいる」と説明したもの。山本氏はこの答弁を根拠に「修正前も特別職を含む」と強弁しているに過ぎない。
第三者委員会の設置条例に対象者を明文化していなければ「(特別職は)条例で対象に入っていない」と拒否する可能性も出てくる。このため条例には特別職も対象者だと明記する必要があった。
だから山本氏が修正以前から特別職を含むとの主張は不正確だ。むしろ開き直りですらある。パワハラ問題とは無関係の議員を持ち出したこと、また突如、「身を切る改革は笑止千万」と維新批判を持ち出した辺りからして、苛立ちが伝わってきた。
「修正以前から特別職を含む」との投稿は明らかに事実と異なるが、れいわ新選組支持者など信奉者には「既成事実」として広まっている。反論すれば山本流の粘着、個人攻撃が始まるから厄介だ。
しかしXどころか議会の答弁でも疑わしい話がある。それもパワハラ問題を責任転嫁するための虚偽の可能性が高い。昨年12月8日の議会答弁のことだ。
H氏はテニスコートの統合を相談していた

同日の議会については前回記事で取り上げたが、関心がある方は議会中継も視聴して欲しい。公明党・三浦美代子市議が質問の中でパワハラの当事者、H氏から「ある組織票」を持ちかけられたと明かした。そして三浦市議は市長にも同様の経験の有無を尋ねたのだ。
【交野市】パワハラ次長の闇 組織票を持ちかけられた市議が暴露 なぜ被害者職員は狙われたのか?⑪
一般の方から票をちらつかされることはあります。私は何票を持っているからとか投票したから言うことを聞け、ということはあります。大変、悔しい思いをします。その人が本当に投票したのかは分かりませんが、立場上特別職の公務員にそのようなことを言われるのは弱みにつけ込んだ一般的には票ハラというのですが、三浦議員のお気持ちはよく分かります。こういった行為を一般の方がやるというのはそもそも好ましくないですし、地方公務員が票をちらつかせて特別職の公務員の弱いところにつけ込むのは絶対にあってはならないことだと思いますし、許し難い行為だと考えています。三浦議員ご指摘の私に対してA氏、A職員がそういう話をしたのかということに関しまして答弁しますが、ありました。事実としてありました。
こう述べた上で突如、三浦市議ですら問うてない人物を持ち出した。
(Aさんを言い換えて)Xさんは〇〇団体の人で〇〇団体は会員が多い、票が多いという話をされたことがあります。またYさんについてはある団体におきまして力がある人だから言うことを聞いた方がいい、とかそういった私の立場上弱いところをくすぐるような、もしくはつけ込むような話を持ちかけたことも事実としてあったと考えております。団体との関係は実を申しますと、むしろ過去から5~10年は逆に対立関係にあったので選挙の支援どころか足を引っ張られたところもありますので公正公平な立場で発言できると思っていますので、当該A職員が私に話を持ちかけた時は口頭で注意をしたところでございます。
A、Xと匿名にしているがこれはパワハラ当事者のH氏のこと。〇〇団体とは交野市体育協会のことだ。前回記事では筆者も三浦市議の暴露を引用したがその後、山本氏が突如、Y氏を持ち出したのは解せない。そもそもY氏とは誰なのか。これは交野マラソン実行委員会会長、交野市体育協会・横尾一彦前会長とみられる。山本氏の答弁は曖昧で横尾氏自らが「力があるから言うことを聞いた方がいい」と発言したとも読み取れるし、また第三者が発言したとも解釈できる。
それ以前にH氏は三浦市議に何を依頼しに行ったのだろう。
体育協会関係者が内情を明かす。
「H氏が三浦市議に陳情したのは私部公園テニスコート(4面)、倉治公園テニスコート(2面)の統合計画。それから倉治公園は関西創価高校に近いので生徒さんが部活でテニスコートを使っていない時は使用させて欲しいという要望でした。そこでH氏が選挙協力を持ち出すというのは疑問が残りますね」
交野市はスポーツが盛んだが、大会が開催できる6面のコートがなかった。そこで旧交野市立第一中学校に6面のコートを建設する計画だ。
三浦市議に確認してみると「特定個人や名称の発言するのは控えます」としたが、私部と倉治のテニスコートを統合する案についてH氏から相談を受けたことは認めた。
また「票を持ちかけられたことは(音声などの)証拠はありません。ただY氏に対してH氏のパワハラを注意してもらうようお願いしましたが、聞いてもらえませんでした」と話す。
H氏は市役所内で〝剛腕〟で通っている。ただし票を持ちかけたというのは三浦市議が話す通り証拠がない。また民間人に過ぎないY氏に対してH氏を指導せよ、というのもかなり無理がある話だ。
「体育協会の会員はおよそ6千人でそのうちテニス協会の会員が200人程度。協会全体の票をまとめるなんて不可能です。それにH氏が要請したのはテニスコートの統合計画ですよね。〝テニス協会の会員200人がテニスコートの引き換えに投票する〟という話ならばまだ分かります。ならばその場合、票を持ちかけたのはI氏(テニス協会会長のイニシャル)になるでしょう。」(前出体育協会関係者)

議会で名指しされたY氏にも市長答弁について所見を求めたところ「私が体協全体の票を取りまとめるなんてありえない話です。それに仮にY氏というのが私のことならば突然、議会で民間人の名前を持ち出すのはおかしいですよ」と反論。
またH氏にも市長答弁について問うたが「第三者委員会があるので発言は控えますが、票を持ちかけたというのはありえません」とだけ言い残した。
交野マラソンの運営上、H氏とY氏が協力関係にあったことは事実だが、それでも山本氏が答弁した選挙協力というのは明らかに矛盾があるのだ。
「山本市長はパワハラ問題を全てH氏に責任転嫁しようということでY氏を持ち出したのではないでしょうか。また答弁で市長は体育協会と対立してきたと言いました。事実、市議時代から議会でも交野マラソンを批判してきましたが、市長になってからは2023年(オンラインマラソン)、2024年大会も開催しています」(体育協会関係者)
それに体育協会との対立と言っても山本氏本人が理不尽な〝逆恨み〟をしたこともあったという。元交野市議はこう明かす。
「体育協会と対立? 本人が挑発的な行為をしたこともありましたよ。現在の山本氏は維新を目の敵にしていますが、2012年の衆院選大阪11区(枚方市、交野市)で初当選した伊東信久衆院議員と懇意にしていました。翌年1月に体協が新春互例会を開催したのですが、伊東氏を来賓に呼ばなかったことを山本氏は激怒。ブログで体協批判をしていました。体協は伊東氏と縁がなかったから意図的に呼ばなかったわけではありません。それが今では維新批判でしょ。つまり山本氏にとっては味方も敵もその時の風次第なんですよ」
かつての支援者であっても裏切り、そして容赦なく罵倒する山本氏らしいエピソードだ。
【交野市】職員のパワハラを問う資格があるか?山本景市長〝保育園誹謗中傷事件〟のゾッとする話⑧
先の元市議はこう続ける。
「議会でもH氏を批判していましたが、梯子外しを始めましたね。H氏は評判が悪い人物ですが、仕事は熱心なんですよ。交野市が巡回バス事業を始めるにあたって自治会に対する説明会が行われました。H氏は市長について住民へ説明していましたよ。非常に厄介な仕事でしたが、馬力があるH氏ならではでしょう。こうした過去を考えるとパワハラ問題の全てH氏に押し付けるのはおかしいと思います」
もちろんH氏のパワハラ事案は十分、検証されるべきだが、ただし山本氏の言動が正確とは限らない。第三者委員会では本当に票の持ちかけがあったのか、またなぜ突如、無関係の一般市民Y氏を持ち出したのか、この点も追及してもらいたい。



