反天皇に血道を上げる名古屋家裁判事の「活動歴」

カテゴリー: 政治 | タグ: , , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

「公正中立」であるべき裁判所にもし特定の思想に染まった判事がいたら――。果たして正当な裁判が行われるだろうか。ところが実際にそんな判事が名古屋家庭裁判所に在籍しているから驚きだ。同家裁で家事調停、家事審判を担当する柳本つとむ判事は「反天皇制」「反元号」などをテーマにした集会に出席し、時にはスピーチまで一席ぶつ。そんな“ 活動家判事 ”なのだ。

3月13日、産経新聞は「昭和の日を「無責任の日」と批判 判事、過激派参加団体で活動も」と題しとある家裁判事の活動歴を報じた。記事では実名を伏せていたが、関係者への確認と「平成5年に任官」などの情報を「法律情報サイト e-hoki」で照合したところ、柳本判事と判明した。

記事によれば同判事は10年ほど前から反戦団体などで活動。 昨年7月「反天皇制運動連絡会」(反天連)が開催した「なぜ元号はいらないのか?7・21集会」に参加していた。実は著者もこの集会に参加していたがまさか現役の裁判官が同席しているとは思いもよらなかった。

また津地家裁四日市支部勤務時代の2009年には 「ピースリンク広島・呉・岩国」(呉市)の集会に参加して実名でスピーチしていたという。その後、 2013年に広島地家裁呉支部に異動すると同団体の活動に加わった。意欲的に市民運動と関わってきたことがよく分かる。

本誌記者も「なぜ元号はいらないのか?7・21集会」に参加。同じ場所に柳本判事がいたとは・・。
7・21集会の会場で掲げられた「反天有理」の横断幕。反天皇に道理があるということか。柳本氏が 優先すべきは「法」であるはずだが。

そして2016年に名古屋家裁に異動すると、「不戦へのネットワーク」(名古屋市)に参加し、会報に「夏祭起太郎」の名義で論考を寄稿した。同団体の「会報80号」(2018年2月4日発行)によると「天皇代替わり、どうする・・・ 」と題し、皇室問題を論じた。それはのっけからとても厳しい文言で始まっている。

1.明仁は名君?
昨年,中日新聞が天皇代替りに関連したリレーコラムを始めた。たしかその一人目で登場したのが樋口陽一。憲法学者で学界では、一応、国民主権論などに通じたリベラル派の重鎮と目されている人らしい。論旨は、「平成時代は、憲法を擁護する名君である明仁帝により良い時代だったが、次の時代はどうか、名君に頼ってばかりはいられない」というようなものと私は読んだ。公的行為拡大に熱心だった明仁を、憲法を擁護する名君(死語!)というとは、この方の「憲法擁護度」を疑わざるを得ない。所詮、批判的に読むようなものではなく、天皇と天皇制を無責任に賛美するコラムを「いいね」と読み流すコーナーか?

(中略)

天皇制の本領は、法律や憲法に定められている ところにはなく、天皇制の前ではみな膝をかがめるという事実状態にある。「反対の方もいらっしゃるようですね、ま、人それぞれですから」ということで済ませてくれないところが悪質であり、強みでもあり、弱点でもある。天皇制要りません、迷惑です、いい加減にしてくださいという意思表示の一つ一つが天皇制を掘り崩し、葬り去ることにつながると思う。

柳本氏が「夏祭起太郎」名義で寄稿した論考文。

「 天皇制を掘り崩し、葬り去る」と過激派ばりに天皇制廃止を訴えた。天皇制はそもそも憲法一条に明記されているが、法曹は憲法を遵守する立場ではないのか。これを執筆したのが判事とは驚きだが「去る2017年11月某日、都内で「天皇制要らない」をアピールするための集会とデモが行われ、デモには約200人が参加した」という記述もあり、集会参加は柳本判事のライフワークのようだ。

さてここで団体名が浮上した 「ピースリンク広島・呉・岩国」と「不戦へのネットワーク」 に柳本氏の活動に聞いてみると、いずれも産経の報道は把握しており、こう回答した。

「私たちの団体名が出ているということで記事は読みました。しかしこの件で私たちが何か言えることはありません」 (ピースリンク広島・呉・岩国)

「柳本という名前で活動している者は不戦ネットにいませんし、裁判官を名乗って活動している者もいません。記事に出ていた夏祭起太郎さんは会員ですが柳本つとむという方なのか分からないんですよ。マスコミ関係からの問い合わせは4社ほどありまして、その時も柳本さんという名前が出てきましたが、その名前を聞いたのは初めてです。会報における発言は不戦ネットの公式的な見解ではなく、会の方針とは全く違う内容を投稿される人もいますよ。(夏祭の記事には)植樹祭やオリンピック反対と書いているがそれを討議したことはなく、不戦ネットとして天皇制の問題は一昨年に交流会をやったぐらいです」 (不戦へのネットワーク担当者 )

両団体とも柳本判事との関係については否定した。一方、名古屋家裁は柳本判事の活動についてどう対応するのか?

「記事中に出てきた人物が柳本つとむ判事なのか承知していません。把握していない以上、特に処分の有無も言えません。メディアからの取材件数や抗議件数? メディアからの問い合わせについては報道のことですのでお話しするのは控えます。また抗議件数も把握していません」( 同家裁総務部 )
さらに柳本判事の反天皇活動について調査はしないのだろうか? 「勤務外の行動についての調査の有無はお話できません」(同)。結局、名古屋家裁は「ゼロ回答」という結末だ。

ハンナン牛肉偽装事件の裁判も担当

ご承知の通り、弊社は現在、部落解放同盟と係争中だ。もともと反天皇、反元号は80年代、「やめよう!元号運動」として部落解放同盟が関東、関西でキャンペーンを実施。署名活動や自治体との交渉を行ってきた。もちろん柳本判事もこうした運動に理解があるだろうし、解放同盟にもシンパシーを感じるかもしれない。ところがもし弊社の裁判の担当判事が同氏だったら果たして公正中立の裁判が保証されるものか? ただでさえ「司法」にすら睨みが効く解放同盟だけに何らかの「忖度」が起こると勘繰りたくもなる。

例えば柳本判事の経歴として興味深いのは同和事業の事件史に残る「ハンナン牛肉偽装事件」の裁判にも関わっていることだ。2004年、ハンナングループ 「サノチュー」取締役でハンナン元会長・浅田満の娘婿、大川正利が牛肉偽装の詐欺罪を問われた裁判で担当判事だった。ハンナン事件は偽装問題と同時に同和利権というイデオロギーも関わってくる。こうした裁判に特定の主義主張を持つ裁判官が関わるのは不安が残る。

もちろん判事であっても政治信条や主義主張を持つのは自由だろう。しかし判事の立場で運動に参加するのは疑問だ。しかも裁判所と司法制度によって判事の立場は絶対的に守られているから、本件について柳本判事本人の口から説明があるとは思えない。また適正な処分が下る保証もない。右翼左翼、保守リベラル、立場は関係なく判事が個人的な信条を裁判に持ち出す可能性を排除すべきだが、名古屋家裁の反応を見るにそうした誠意は感じられなかった。

それでも彼が反天皇に身を捧げるというならば弁護士になってこうした関係の運動を支援すればいいだけの話だ。柳本氏は現在55歳で家裁の判事。法曹のキャリアとしては決して輝かしいものではない。むしろ反戦、反天の支援の方が“ スター弁護士”になれるというものだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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反天皇に血道を上げる名古屋家裁判事の「活動歴」」への6件のフィードバック

  1. 斉藤ママ

    政治的中立が守れない判事は、退職させないといけません。
    でも懲戒なり退職されないようなシステムを、
    裁判所一生懸命作っている様な気がしてなりません。
    最高裁事務総局はいったい何をしているんでしょうね?

    返信
  2. .

    元ハンナン食肉取締役の大川正利、元ロイヤルハンナンミートパッキング取締役の片山日出夫の両被告人に対する柳本つとむ判事の判決は懲役2年執行猶予4年(求刑懲役3年)というもの。被告人が初犯だったかどうか不明ですが、量刑相場よりやや甘い判決ですね。

    初犯で求刑懲役3年だったら判決は懲役3年執行猶予5年とするのが一般的で、判事によっては短期の実刑にするところでしょう。

    返信
  3. .

    >右翼左翼、保守リベラル、立場は関係なく判事が個人的な信条を裁判に持ち出す可能性を排除すべき

    これはその通りですが、単なる理想論です。実際は、判事の個人的な価値観は判決にどうしても影響します。どんな判事も判事である以前に人間ですから。これを完全に避けようとしたら人工知能を判事にするしかないですね。

    返信
    1. 三品純 投稿作成者

      ご指摘の通りで理想論です。しかし私の立場から自分の主義主張を
      ガンガン反映した判決を出してください、とも言えませんので。

      返信
    2. 斉藤ママ

      本当に一部を人口知能にしてもいいんじゃないかと思います。また民事に裁判員制度を導入するとか。

      返信
  4. 斉藤ママ

    公務員が退職してから反日活動(市民運動?)に走るのを結構聞きます。
    寿命が延びると、現役世代は反日の影響を強く受けてしまいます。
    コンビニで働くのでは、だめなんでしょうかねえ。

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