【中国問題】薛剣氏が帰国へ 不正の温床「特定活動ビザ」「経営管理ビザ」が厳格化は高市効果?

By Jun mishina

台湾有事について「存立危機事態」と答弁した高市首相に対してマスコミ、野党、左翼活動家のバッシングが続く。中国政府も訪日自粛を呼びかけるがオーバーツーリズムが深刻化した中で予期せぬ解消策になった。また反高市派は日本側のダメージを強調するが、日本の滞在ビザ取得要件が厳格化しており頭を抱える中国人も少なくないというのだ。(写真右は中国大阪総領事の薛剣氏)

大阪から中国人観光客が消えた!

渡航自粛前の道頓堀付近。

「大阪だけではなく奈良、京都の名所旧跡からも中国人観光客が明らかに減っています。天王寺駅など主要駅周辺では明らかに〝白タク〟であろうミニバンも消えました」(在阪記者)

旗を振るツアーコンダクターに引率された大勢の観光客一団、また駅構内、電車でキャリーバッグを引く姿、あるいは免税を謳うドラッグストアで行列をなす。中国人観光客の定番のスタイルだが、そんな光景も明らかに見なくなったという。それも台湾有事をめぐる高市首相の答弁に対して中国政府が国民に渡航自粛を要請したことが原因だが、図らずもオーバーツーリズム問題が解消された格好だ。中国政府の思惑が外れたのではないか。

また中国大阪総領事・薛剣氏も頭を抱えた一人だろう。11月8日、Xに「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬のちゅうちょもなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」と投稿したのはご存知の通り。

なにしろ日本国内にはいまだに〝中国様〟の風潮が強い。中国政府や薛剣氏にすれば「首を斬る発言」は日本国内の親中派で「支持」「理解」とまではいかないにせよ、薛剣擁護の論調を期待したのだろう。ところが予想外に反発を招いてしまった。かといって薛剣氏を処分することはありえない。

在阪の中国通はこう予想する。

「それでなくとも薛剣大阪総領事は本来、もう任期満了を迎えているはずなのです。総領事職の在任期間はおおかた3年。過去の例からすると薛剣氏(2021年6月就任)は長期になりました。中国側は〝任期満了だから帰国させた〟という形を落としどころにするでしょう。これなら中国側も面子が立ちます」

薛剣氏、そして中国政府の反応は決して得策ではなかったかもしれない。そして今、中国人が戦々恐々としているのがビザ取得要件の厳格化なのだ。

厳格化した経営管理ビザと民泊の怪しい関係

大阪市「民泊をはじめとする宿泊対策プロジェクトチーム会議」配布資料より。

先の中国通はこんな現状を明かす。

「10月から経営管理ビザが厳格化したことはご存知かと思います。これまでは500万円の出資金を出せば経営管理ビザが取得できました。建前上は日本での起業促進です。ところが経歴等は不問、日本語能力も問われないデタラメな制度。しかも500万円は〝見せ金〟なんですよ。実際は経営管理ビザで入国して例えば中国人が経営する民泊などで働き、中国人の飲食店や食材店で買い物をします。このため特に大阪市内では〝小さな中国〟が築かれました」

経営管理ビザで入国し日本で起業というケースは非常に疑わしいのだ。そこで10月改正で出資金は3000万円に引き上げ。常勤の社員を一名以上の雇用、また日本語能力も求められるようになった。そこでもう一点の問題が浮上する。

ここ数年、問題になった中国人経営の民泊。騒音、ごみ問題など「迷惑民泊」との批判も起きた。実は中国人観光客の金を落とすことだけが目的ではなく、グレーな形で入国した中国人雇用の受け皿にもなっていたのだ。

だが中国系民泊については住民から批判が殺到し、大阪府の特区民泊の新規申請受付が、来年5月29日で終了する。実質、抜け道だった中国系民泊も減少するだろう。しかもご丁寧にも中国政府が渡航自粛を打ち出したため、宿泊客も見込めない。

自民党の利権だった「特定活動ビザ」にもメス

厳格化したのは「経営管理ビザ」だけではない。実は最もグレーとされる「特定活動ビザ」についてもメスが入ったのだという。同制度については初見という人の方が多いかもしれない。

出入国在留管理庁のWebサイトの説明にはこう記されている。

法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動該当例としては、外交官等の家事使用人、ワーキング・ホリデー、経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等

一見、「高度専門職」に就く外国人に向けたビザというイメージ。ところが行政用語における「特定」「特別」「やむを得ない事情」を冠した制度は要注意だ。

特定活動ビザには「親(家族)の呼び寄せ」「人道上の理由」なども含まれる。親の呼び寄せの場合、通常の訪問ビザで90日、そして延長1回で計180日の滞在が可能なのだ。そして新年1月1日でリセットされるため短期帰国してまた再入国も可である。

すでに帰化した中国人・劉氏(仮名)も同制度に疑問を持つ。

「中国人の間では『特定活動ビザ』は政治枠という見方をされています。人道上の理由と言っても有力議員の口利きで特定活動ビザを利用した人もいるのです。具体的には自民党の〝親中派議員〟の枠といってもいいかもしれません」

親中派議員の特別枠とみられた特定活動ビザだが、劉氏によれば審査が厳しくなったと話す。

「特定活動ビザの在留審査処理期間が夏頃から明らかに長くなったのです。これまではまるで右から左という具合で申請が通っていたものですが、簡単にはいかなくなりました。今後は帰国を命じられるケースも出てくるでしょう」

厳格化というよりもこれまでが〝ザル制度〟過ぎたという見方もできるが、少なからずグレービザの改善が見えてきた。

これも高市効果か?と思いきや先の中国通の見方は違うようだ。

「確かに高市首相で厳格化は進むとは思いますが、石破政権末期から始まったことなんですよ。実際のところは特定活動ビザについてはこれまでやり過ぎたから、さすがに是正を求められたのでしょう」

かの地が生んだ論語「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉を日中の要人に贈りたいところだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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