曲輪クエスト(425) 桶川市 加納

菊池山哉『長吏と特殊部落』には次の通り記されている。

○加納村の中程、岩槻街道中に位する。中仙道が出来たので、そこへ移った。移った先きを大加納と言ふ。大は小で、小加納の義、つまり加納の分かれ村の謂である。

○白山神。

○農家、一時拾七軒に増したが、今は十一軒、「風土記稿」に、十一軒とあるから、それから殖えないらしい。

○旧地に居った時分、岩槻城主の通行に際し、道路に大木が倒れて通れない。夫れを先岨が、やすやすと取片附けて、褒められたと云。墓に江戸時代の宝筐印塔があるから、中仙道へ移ったのは、江戸の中期頃である。「風土記稿」に「小名ぼっきり、一つに曽我殿と云、この処に長吏十一軒あり」とあるが、曽我殿の来歴は分らない。ほつきりとは耕地の末の義である。又小名に「蔵しき」がある。古く雑色の住むで、居ったところであらう。