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三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

現地ルポ 崇仁地区再開発(1)

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崇仁地区取材の続編。「現地ルポ 崇仁地区再開発」では現在、検討されている再開発プロジェクトに蠢く人、政治、財界、行政の裏側に迫る。過去の事件簿である「直撃! 崇仁協議会 ヤクザ、武富士、地上げの過去を追う」とは同時並行で進めていく。(文中敬称略)
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豊洲市場の見学会に潜入!

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小池百合子都知事の移転延期によって開場が遅れた豊洲市場(東京都江東区)。一旦は築地再開発というプランを掲げたものの断念したのはご存じ通り。現在、豊洲市場は今年10月の開場に向け整備が続けられているが一般向けに見学会を開催して周知を進めている。見学会では本来、業者以外の一般人が入れないエリアも公開。またとない機会なので豊洲市場の見学会に参加してみた。

豊洲市場はゆりかもめ「市場前駅」の前。水産卸売場棟、水産仲卸売場棟、青果棟の3施設で構成されている。見学者は施設中央部の「管理施設棟」内のPRコーナーに集められた。ここで市場の概要説明や注意事項のガイダンスがある。注意事項といっても厳格なものではなく、市場内では靴にビニールカバーをつけること、撮影は自由でネット上の公開も可だが、看板の業者名は見せないことなど。係員の誘導で水産卸売場棟、水産仲卸売場棟、青果棟を回っていく。

市場としての機能ではなく、見学者のために随所に工夫を凝らしていることだ。築地市場は多くの観光客が競りの様子を見学に訪れていた。単に「市場」ではなく有力な観光地でもある。しかし年々、観光客の見学マナーが問題になっていたのも事実。そこで豊洲市場は見学ルートが設けられ競りの様子を一望できるようになっている。

業者、見学者の双方に配慮した設計だ。水産卸売場棟のマグロの競り場(写真)の地面は、マグロの赤身の色が映え、より品質が確認しやすくなるため緑色になっている。また地面を清掃する時に水が流れやすいよう全体に100分の1の傾斜をつけた。

また水産仲卸業者の店舗が仕切りがあって、マグロが切断できないという報道があったのを覚えておいでだろうか。食品衛生法上、店舗間で仕切りを設置しなければならないためだ。しかし不便という意見を受けて、特例措置ができた。万一、衛生面で問題が起きた場合、業者間の連帯責任という条件で仕切りを撤去できるようになった。マグロ業者は60社あるが、そのうち30社がこの条件を飲んで仕切りを取る予定だ。それ以外の業者は共同の解体場でマグロを処理する。

また観光という点で見ると水産仲卸売場棟屋上の緑地は見物だ。広大な芝が広がり、晴海地区など東京湾一帯を見渡せる。特に家族連れにオススメできるスポットだ。

ご興味がある人は7月15日、豊洲市場魅力発信フェスタという開放日があるので参加してみてはどうか。

水産仲卸売場棟の屋上緑地。芝生が広がりとても心地が良かった。

水産仲卸売場棟の店舗。テリー伊藤氏の親族が経営するあの店も。

マグロの共同加工場。

報道でも話題になった仕切りがある。

排水の種類によってマンホールのデザインも異なる。単に機能だけではなく演出も。

水産卸売場棟のマグロの競り場。

築地市場で取引された最大級のマグロ。496kgの大物。

水産卸売場棟から見た水産仲卸売場棟。

ゆりかもめ市場前駅から見た豊洲市場。

ゆりかもめ市場前駅から見た豊洲市場。

青果市場内にある業者向けの野菜PRコーナー。料理場があり野菜の調理方法を提案する。

青果市場の見学ルート。

青果市場。

屋上から東京タワー、レインボーブリッジ、晴海地区などが一望できる。

保守派からのLGBT施策が
持つ意味と課題(後編)

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LGBTは同和と同じ道を歩んではいけない! 「LGBTの人権文化を育む2018」で自由同和会中央本部事務局長・平河秀樹氏が語ったことはとても意義があったと思う。またややもすると「LGBTは左翼の専売特許」というイメージを払拭させようとする諸氏の意図も理解できる。しかし同時に疑問点も感じた。後編は保守派がLGBTを考える意味と課題を検証していく。まずは平河氏の話の続きだ。
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保守派からのLGBT施策が
持つ意味と課題(前編)

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一般社団法人LGBT理解増進会(繁内幸治代表理事)は6月13日、東京千代田区の経団連会館で第一回「LGBTの人権文化を育む2018」を開催した。同会は自民党のLGBT施策のアドバイザーとして活動しており、顧問には古屋圭司元国家公安委員長、田村憲久元厚労相、新藤義孝元総務相、稲田朋美元防衛相、橋本岳衆院議員、石田昌宏参院議員、宮川典子衆院議員が名を連ねている。LGBTと言えば野党や左派団体の”運動の具”になりがちだが、本フォーラムは保守派からLGBTに取り組みである。つまりややもすると「人権問題」を野党・左派の「側」にとられがちな保守派の逆襲というわけだ。取材を通して保守派からのLGBTの意味と課題を考えてみた。
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ジンケンのグルメ
「三重県四日市の焼肉定食ランチ」

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「時間や社会に囚われず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる」こんなナレーションで始まるのは人気ドラマ『孤独のグルメ』。同作にちなんで我々は同和地区、コリアンタウンなど「ジンケンのグルメ」で空腹を満たしてみよう。もともと同和地区、コリアンタウンは穴場店が多く、特に「肉料理」はガイドブックなどで取り上げられることも少なくない。今回、食したのは三重県四日市の地元の人気店「焼肉 幸」(寺方町2268−5)のランチメニュー「牛焼肉定食」だ。
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東ちづるのLGBT映画
『私はワタシ』の残念な中身

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女優の東ちづるさんがLGBTの啓発映画『私はワタシ 〜over the rainbow〜』(増田玄樹監督)をプロデュースした。全国の小中高校に教材として配布しようと現在、クラウドファンディングも募集中だ。5月31日、本作のPRを兼ねて参議院会館で上映会が開催された。また東さんのトークやLGBTを公言する文化人らのスピーチもあり盛況だったのだが、肝心の内容はというと疑問が残った。
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日本人のおなまえ研究(5)
西城秀樹 在日説に終止符を打つ!

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インターネット上では有名人に対する「在日認定」がたびたび起こる。今年5月16日、急逝した西城秀樹も同様に「在日説」が囁かれてきた。西城といえば70年代、郷ひろみ、野口五郎と並び「新御三家」として人気を博し、一時代を築いた日本の歌謡界の功労者だ。そんな西城の出自にまつわる真偽について検証してみた。
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ルポ 陰謀論者の楽園
「田布施システム」の真実(4)

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田布施に陰謀論が巻き起こるもう要因として「政治色」が挙げられる。特に町内にある新興宗教「天照皇大神宮教てんしょうこうたいじんぐうきょう」という存在は陰謀論だけではなく「政治と宗教」という観点でも語られる。せっかくなので天照皇大神宮教についても触れつつ、陰謀論が抱える諸問題を指摘して終わりたい。
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ルポ 陰謀論者の楽園
「田布施システム」の真実(3)

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今回は田布施システムの正体に迫ろうと思う。ここでキーワードになるのは「郷土史研究家」「郷土歴史研究家」といった人々だ。大室天皇こと大室近祐翁の信奉者、支持者とも言うべき郷土史研究家がいた。そしてこの人物の主張や言動を辿ると、田布施システムの「本質部分」が見えてくる。
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ルポ 陰謀論者の楽園
「田布施システム」の真実(2)

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田布施陰謀論は左右を横断すると前編で述べた。左派は安倍首相一族が日本を牛耳っているというストーリーに共鳴し、また右派は大室天皇が朝鮮のルーツを持ち今の日本は朝鮮人が牛耳っているという点で支持しているようだ。両者は信じる方向性がまるで違うが「すり替え陰謀説」という点では一致してしまう。不思議なことである。今回は、田布施システムのご本尊である大室天皇の親族から話を聞けた。証言の中で何か感じ入ることがあれば幸いである。
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ルポ 陰謀論者の楽園
「田布施システム」の真実(1)

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田布施たぶせシステム」。こんな言葉をご存じだろうか。幕末の動乱期、長州藩(現山口県)田布施村の若者、大室おおむろ寅之祐とらのすけが陰謀によって明治天皇にすり替わるという典型的な「陰謀論」である。もちろん決定的な物証もなければ、裏付ける資料は何一つない。ところが意外と田布施システムの信奉者は多く、中には政治家、著名人もいる。何が彼らを惹きつけるのか。また一体、田布施システムとは何か? 現地取材を通してこの壮大な陰謀論の正体に迫った。
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東京レインボープライドで見えた違和感と課題

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「すべての愛に平等を」をテーマに5月5日、6日、東京・代々木公園で「東京レインボープライド2018」(TRP)が開催された。企業、自治体など様々な団体が出展し、LGBT向けファッション、商品、サービス、支援策をアピールした。また6日は渋谷周辺のパレードで37グループ、約7000人が性的少数者の平等を訴えた。会場は両日で14万人(主催者発表)を集め大盛況。しかしLGBTブームに乗り遅れるなとばかり政治的、商業的な“思惑”も感じてしまうのだ。
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”さよなら同和行政”に挑む 福山維新の会代表・石岡久彌市議インタビュー

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同和行政の監視・チェックは長年、共産党の独壇場で保守系は後手に回ってきた。しかし広島県福山市の石岡久彌いしおかひさや市議は自ら福山維新の会を結成し、保守系議員ながら市の同和事業を厳しく追及している。福山市といえば広島県内でも同和事業が最も盛んな地域だ。なぜあえて「同和政治の撤廃」という困難な公約を掲げ、福山市政に身を投じたのか? 石岡市議を直撃した。
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【GW特集】女性記者セクハラの温床は「報道機関」にあり!

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「胸触っていい」などとテレビ朝日女性記者へのセクハラ疑惑が報じられた財務省・福田淳一事務次官が18日、辞任を表明した。このセクハラ報道以降、福田氏そして麻生財務相の責任を問おうと「#MeToo」(ミートゥー/セクハラ体験の共有・告白)を掲げ、野党議員や活動家たちが抗議を続けている。目下、その怒りの矛先は政権、財務省に向けられているが「報道機関」自体の責任は不問なのか? ただ漫然と「セクハラ」と騒ぐ前に報道機関の「取材方法」も自省すべきだ。
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現地レポート”大脱走”受刑者が尾道市向島に潜伏中!?

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松山刑務所大井造船作業場(今治市)の平尾龍磨受刑者が脱走し現在、広島県尾道市向島に潜伏していると見られる。向島内では捜索が続くが、平尾の足取りはいまだ掴めていない。皮肉にも逃亡事件で全国的に注目された向島だが、なぜ格好の潜伏場になったのか。現地を調べてみると興味深い事実が分かった。
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4月14日国会前大行動 参加人数言い争う「愚」

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4月14日に開催された「安倍政権は退陣を!あたりまえの政治を市民の手で!0414国会前大行動」に市民、労組運動家が多数集結。国会議事堂前は人で溢れかえった。この日、14時から始まったデモには延べ5万人集まったという。この参加人数に対して「水増しだ」「どう見ても5千人」といった反論も挙がっている。この種のイベントでありがちな現象だ。しかし冷静になって考えてほしい。この言い争いがいかに不毛なことか―――。
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特集LGBTを斬る②
「LGBTを食い物にするピンクウォッシングという罠」

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東京都渋谷区の「同性パートナーシップ条例」が2015年に施行されて以来、各自治体でLGBT施策が進んでいる。世はLGBT時代だ。LGBTを冠した団体が増加し政治集会、シンポジウム、あるいは企業・公務員の総務・人事担当者を対象にした研修会を開催している。様々な団体、取り組みがある中で反イスラエルを鮮明にするLGBT団体がある。虹色の運動家たちとイスラエル問題。一見関連性は見い出せないが、なぜイスラエルを問題視しているのか? これを検証するとLGBTどころか、人権問題に共通する“罠”が見られるのだ。
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「部落差別」と言わない佐高信は何を忖度した!?

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佐高信。経済評論家、『週刊金曜日』編集委員。この人物がメディアで紹介される時は「辛口評論家」などと評される。その論評スタイルは簡単だ。自身と主張や理念が異なる政治家、評論家、文化人に対してただ感情的になじる。要するに「罵倒芸」というものだ。そして信奉者たちは佐高氏をこんな風に評価する。「佐高さんは怖いもの知らず」「タブーなく切り込む」と。ただ恐れを知らない、はずの佐高氏の発言で疑問を感じたことがあった。4月5日、上野恩賜公園で開催された「主権者が政治を変える!さくら祭り」の席上のことである。
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『アベ政治を許さない』にすがる高齢者たちの悲哀

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森友学園・加計学園問題で攻勢を強める野党、そして各左派団体。特に文書改ざん問題が発覚してからはほぼ連日のように永田町・議員会館前など各地でデモが繰り広げられている。もちろん安倍首相夫妻、稲田朋美前防衛相、あるいは一部の保守文化人がとった行動はあまりに軽率で不可解な点が多いのは分かる。ただ反アベで結集している面々の言動をウォッチしていると、何やら新興宗教めいた狂騒を感じてしまう。「アベを許すな」というこの気勢自体が彼らにとって「癒し」であり「娯楽」であり、生活の拠り所になっていないか!? 特に高齢者たちは―――。
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サヨク活動家はなぜ「カタカナ」表記を好む?

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ヒロシマ、ナガサキ、オキナワ、フクシマ、そしてモリカケ、アベ政治――――。左翼活動、反戦・反核、反政府、こういったシーンでは往々にして運動テーマが「カタカナ」で表記されるものだ。なぜ彼らは「カタカナ」を好むのだろう? こんな疑問を抱いたことはないだろうか。社会運動におけるカタカナ表記が持つ意味とは? 一線級の活動家の証言を交えてカタカナ現象を検証してみた。
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大学とは何か? 京大吉田寮・立て看板が消える日

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1913年(大正2年)に建設された京都大学吉田寮は開寮以来、同大の象徴的な施設となり多数の人材を輩出してきた。しかも長い歴史を持つため文化的価値も高い。吉田寮から貴重な資料が出てくることもある。単なる寮ではなく「歴史的建造物」と言ってもいいだろう。ところが昨年12月19日、京都大学は「吉田寮生の安全確保についての基本方針」を公表し、今年9月30日までに寮生全員の退寮を求めている。また吉田寮の保存についても目途は立っていない。同時に京大当局は立て看板にも制限を加えようとし、学生との間で摩擦が起きている。この一件、単に京大内部の権利闘争という以上に「大学とは何か」という根源的な問題を呈してはいないか。
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慰安婦報道・植村隆の原点は早稲田奉仕園だった!

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長年、左翼運動・市民運動の主要テーマだった「従軍慰安婦問題」。その最大の根拠となったのが作家、吉田清治(故人)による「吉田証言」。戦時中、旧日本軍が韓国・済州島で朝鮮人女性を拉致、強制連行したと自著『私の戦争犯罪』で述べた。慰安婦問題に取り組む活動家にとって吉田証言はいわばバイブルであり、多大な影響を与えてきた。

しかし90年代、同証言を報じた朝日新聞が2014年8月に過去記事を訂正、謝罪に至った。このため最近は関連シンポジウム、抗議デモもかつての勢いを失っている。どっちらけ気味、落日の慰安婦運動。しかし一方で1991年、朝鮮人従軍慰安婦を報じた朝日新聞の元記者・植村隆氏の闘いは続いている。そんな植村氏の過去を辿ると保守層から「反日の館」などと揶揄される早稲田奉仕園(新宿区西早稲田2-3-1)に行きつくのである。
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特撮の原点 帰ってきた『大仏廻国』(聖地巡礼編)

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特撮の原点とファンの間で語り継がれる映画『大仏廻国』(1939年)。前回の資料編に続いて今回は、映画のモデルとなった愛知県東海市「しあわせ村聚楽園大仏」など舞台となった“聖地”をめぐってみた。
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直撃! 崇仁協議会 ヤクザ、武富士、地上げの過去を追う(1)

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「有限責任中間法人崇仁協議会」(現在は一般社団法人)。崇仁を語る上で、同団体は欠かせない。崇仁地区を拠点にする同和団体なのだが、崇仁の土地買収にも深く関わってきた。今回、取材を申し込んだところ、同会の中口寛継理事長の快諾を頂いた。中口氏のコメント、また関係資料、地元の証言を交えながらまずは崇仁の“過去”を辿ってみた。

現在の崇仁協議会の事務所は、京都駅東地区市街地再開発準備組合(材木町463-3崇仁河原町ビル)にある。ここで中口理事長は取材に応じてくれた。時には図面を広げ、崇仁の歴史や現況など、意欲的に語られる。そして崇仁の再開発には並々ならぬ情熱を見せた。

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日本最大のタブー地帯
京都・崇仁地区に「熱」と「光」を

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JR京都駅東側、京都市下京区の七条通から東海道線を挟み、南に下り九条通まで、東に鴨川、西に河原町通りに囲まれた地域、通称「崇仁地区」。関西最大級の部落であり、また東海道線より南の東九条は在日コリアンの集落として知られる。まさに“同和と在日”の街。狭い路地に雑然と家屋、老朽化した市営住宅が並ぶ。観光地・京都市の玄関口にも関わらず陰惨な光景が広がった。そこに暴力団、地上げ屋が密接に関わり、様々な事件、トラブルを起こしてきた。しかしそんなダークスポット、崇仁が今、変わろうとしている。血塗られた過去を超えて、訪れるのは光と熱か。それとも―――。本稿は現地取材、関係者の証言を元に崇仁に迫る。
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北朝鮮擁護論から見えた空疎な”香山リカ話法”

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スポーツの祭典という建前は何処へやら、北朝鮮の外交ショーになってしまった平昌五輪。国内外から“平壌五輪”と冷ややかな声も挙がっている。その一方で、相変わらず北朝鮮擁護を繰り広げる政治家、文化人も存在し「話し合いで解決」などと常套句を繰り返す。そして「精神科医」というよりも今や「活動家」と化した香山リカ氏もその一人。しかしそのお説を聞けば聞くほど、空疎な香山リカ話法ばかりが際立ってしまうのだ。香山流の北朝鮮論とは―――。

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特撮の原点 帰ってきた『大仏廻国』(資料編)

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1934年(昭和9年)に世界館(名古屋市)で上映された特撮映画『大仏廻国だいぶつかいこく・中京編』をご存じだろうか。特撮の原点としてマニアの間で語り継がれる作品だ。残念ながらフィルムの所在が確認されておらず、本編を視聴することはできない。しかし本作の枝正えだまさ義郎よしろう監督(故人)の孫、佛原ぶつはら和義かずよし氏の監修で株式会社3Yが『大仏廻国』2018としてリメイクし、今年12月に公開予定だ。平成の世も終わりを告げようという今、昭和の奇作『大仏廻国』が帰ってくる! では、一体どんな映画だったのか? また上映当時、どんな反応や評価があったのか? 現存する資料をもとに検証してみた。
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ガキ使『黒塗りメイク』炎上騒動の行く末は超表現規制社会(後編)

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前回に続く「ガキ使」の黒塗りメイク騒動。映像、紙媒体を問わずメディアにおける黒人描写は、たびたび論議を巻き起こす。そして「ブラック」「黒い」これらのキーワードに関しても黒人差別を助長する、といった意見も散見される。果たしてこれらは本当に差別なのだろうか。表現のあり方、また差別と訴える側の実態や論理に迫った。
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ガキ使『黒塗りメイク』炎上騒動の行く末は超表現規制社会(前編)

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昨年12月31日、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 大晦日年越しSP絶対に笑ってはいけない アメリカンポリス24時!』(日本テレビ系)でダウンタウン浜田雅功が米黒人俳優・エディ・マーフィーの出世作『ビバリーヒルズ・コップ』のアクセル・フォーリーに扮した。

が、この際、顔を黒塗りメイクしたことが「黒人差別」として批判を浴びた。番組終了後、ネットでは批判意見が殺到し、呼応するかのように人権運動家、文化人、メディア関係者も苦言を呈した。もちろん全ての表現物で人種的、民族的な描写は慎重になるべきだ。しかし過剰な批判と自主規制はいつか自分の首も絞める。特に出版、新聞、報道問わずメディア関係者の方、またジャーナリスト、作家の類、その矛先は自分に向けられるかも―――。

ダウンタウンと人権

ダウンタウン。紛れもなく国民的お笑いスターだ。かく言う著者も若い時分、番組観覧に行ったフリークだが、やがてダウンタウンで人権を論じるとは思いもよらなかった。

また同和問題に関心がある人ならば、あのコントを想起するかもしれない。90年代の人気番組『ダウンタウンごっつええ感じ』で松本・浜田両氏による「豆」というコントがあった。「豆」は、部落解放同盟の糾弾集会のパロディではないかと、マニアの間で語り継がれている。ダウンタウン両氏は、兵庫県尼崎市出身。解放教育がなかったはずがない。おそらく子供の頃の原体験に由来していると思う。興味がある方は、「ごっつ 豆 コント」こんなキーワードで検索すれば現在でも視聴できるはずだ。とても風刺が効いた名コントである。一見は不条理ギャグの世界、だが訳知りの人が見れば背筋が凍るだろう。

一方、今回のガキ使で問題となった演出は、エディ・マーフィー主演の映画『ビバリーヒルズコップ』の主人公・アクセル・フォーリーのモノマネ。メイクが差別か否か別として、特に似てもいなければ、面白くもなかった。人種的な特徴をデフォルメしたメイクでもない。個人的には、日焼けしたパンチパーマのオジサンにしか見えなかった。演出のレベルとしては、とても稚拙だ。テレビ業界の人々は「ふりきった企画」とか「とんがった企画」という言葉を好む。そんなにとんがりたいならば、あの「豆」の再現というわけではないが、今回はポリスがモチーフ。ならば、だ。

黒塗りメイクをした浜田のもとに人権ポリスがやってきて糾弾する。『ちびくろサンボ』を絶版に追い込んだ「黒人差別をなくす会」のパロディ。どうせならこれぐらいの演出に挑んでほしい。では、抗議を受けた日本テレビの見解はどうか。局側の見解、抗議件数、また人権団体等からの抗議の申し入れの有無などを聞いてみると日本テレビ広報部名でこう回答があった。

今回の「絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」は、アメリカの架空の警察署という設定で制作しました。ご指摘のシーンについては、ダウンタウンの浜田さんが、あくまで、映画「ビバリーヒルズコップ」で俳優のエディ・マーフィーさんが演じる主人公「アクセル・フォーリー」に扮したもので、差別する意図は一切ありません。本件をめぐっては、様々なご意見があることは承知しており、今後の番組作りの参考にさせていただきます。

この通り無難でひな形的な内容だった。ただガキ使自体、日テレの看板番組であり、これぐらいの抗議で揺らぐとは思えない。またダウンタウンが所属するのは、あの巨大な「吉本興業」だ。芸能界では絶対的な力を持ち、また「同和問題企業連絡会」(同企連)の会員企業である。この団体、企業の人権啓発を行うのが目的だが、実質は人権問題でトラブルが起きた時の“用心棒”的あるいは“防波堤”的な役割を持つ。ガードは万全。詳細は『あなたの会社が同和に狙われる第4回 同和と企業は持ちつ持たれつ?』で触れている。

オバマ前大統領のマスク。この場合の黒塗りは許されるのか。

表現物における黒人描写の変遷

それにしても時代は変わったものだ。例えば80年代の人気番組『オレたちひょうきん族』では、ウガンダ・トラ(故人)がマイケル・ジャクソンに扮し『スリラー』のモノマネや黒人少女とのコントをやった。同じくひょうきん族で言えば、島崎俊郎の「アダモステ」は、肌が黒い南洋の原住民がモチーフだ。今のご時世ならば抗議があるかもしれない。また鈴木雅之、田代まさしらのバンド「シャネルズ」は、顔を黒塗りにしたバンドだった。この場合の黒塗りは、差別的な意図ではなく、純粋に黒人音楽へのリスペクトだろう。

TVCMでも印象的な作品がある。西日本、東海地方の方なら覚えているかもしれない。和歌山県の銘菓「那智黒」のCMだ。https://www.youtube.com/watch?v=lmM1br9zFSs

著者が小学校低学年ぐらいまでは、ごく普通に放送されていた。老女と黒人男性がダンスをしながら、男性が「ナチグロ」と叫ぶだけ。同じく80年代、読売ジャイアンツで活躍したウォーレン・クロマティが漫画で登場する時は、チリ毛、分厚い唇、体臭、といった描かれ方だ。韓国のプロ野球から日本球界に復帰した新浦にうら壽夫ひさお投手がニンニクやキムチを食べた口臭をクロマティに吐きかけ、クロマティは腋の臭いでやり返す(高橋春男『Black & White』より)。現在なら新浦の描写も併せて別の線からも怒りを買いそうな内容だ。

近年の例を挙げよう。元SMAPの香取慎吾は、2005~2007年頃流行した「ブートインキャンプ」のビリー隊長のモノマネをした。この時のメイクも黒塗りだ。またお笑い芸人のノッチは、オバマ前大統領のモノマネをしていた。彼自身、もともと地黒だから黒塗りメイクというほどでもないが。ただ当時、香取やノッチに抗議が殺到したという話は聞いたことがない。

何より笑ってはいけないシリーズでは、以前も黒人に扮する演出があった。「絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時」(2013年)でタレントのマツコ・デラックスが同じく黒塗りメイクで「エマニエル坊や」に扮した。ところが当時、ガキ使が炎上したとか、批判が殺到したとか、そういう話は聞かなかった。

にも関わらず浜田の黒塗りメイクは、問題だと言う。この違いが謎だ。このことは「人権意識の向上」といった性質のものではないだろう。ネットを中心とした批判、抗議、バッシングといった現象は、謎のレールが存在し、僅かなきっかけやその都度の空気感でレールに乗せられる。このレールは、誰にも見えない。何かに怒りたい不特定多数の暗い情念が一定量集まった時にレールが敷かれる。現象は異なるがネット上で“文春砲”と賛美された『週刊文春』も目下のところ小室哲哉の不倫疑惑で炎上中だ。勢いがある著名人の不倫報道は「功績」で、かつての輝きを失った小室の不倫報道は「残酷」という。この違いも全く謎である。文春報道も浜田の黒塗りメイクもこの謎の抗議レールに乗せられたと思う。

本当の怒りの根源はアナタの心の闇! 抗議する人たちの素顔

それともう一点気になることがある。とにかく抗議者たちは、ここ2~3年で先鋭化したことだ。全ての俳優、歌手、政治家ら著名人は、パロディの対象になる。しかしガキ使への抗議者たちは、黒人に関してはその対象外と考えているのか。例えばトランプ大統領の被り物は許容され、オバマ元大統領の被り物は禁止、そういうわけでもないだろう。通販サイトを見れば、肌が黒く塗られたオバマ元大統領の仮面やおもちゃが販売されている。

ただ抗議者たちの怒りは、沸点に達するのも早いが、冷却も早い。黒塗りメイク問題は、年明けからネットニュース、SNSでも随分盛り上がったものだ。現在は、すでに収束状態にある。中には、純粋に人権問題に関心がある人もいたのだろう。しかしその大半は、とにかく怒るタイミングを待っているように見受けられる。これが人権問題だろうが、企業の不祥事、タレントのスキャンダル、大学生や高校生の悪戯…なんでもいい。とにかく騒動があるところ何でも抗議の対象にする。

ちなみに抗議と言えば弊社、示現舎もご想像通りとても多い。そしてその経験上からある傾向を感じている。例えば「同和問題」の場合、抗議主は、人権団体の当事者というよりも例えば「ネットを見た」「新聞で見た」という人々だ。特に知識があるわけでもなく勢いで抗議してきたのが容易に分かる。そんな人々の話を聞いてみると、最終的にこんな本音を吐露することがある。

「教育委員会が私の意見を聞いてくれない」

「人権意識が低くなったので私の文集を図書館が採用してくれない」

こういったもの。なんだ結局、自分のことじゃないか? 怒りの根底を辿ってみると日常生活における不平不満が募っている。そんな様子だ。参考に『住所でポン』の抗議は、さらに鮮烈。

「お前らのせいで反日ユダヤと朝鮮総連の工作員が家の前にいる」

「創価学会が電磁波攻撃をしてきた」

最初のような不満はまだしも「反日ユダヤ」「電磁波攻撃」の類は、老婆心だがライフスタイルや精神状態を改善した方がいい。電話をかける先を明らかに間違えている。もちろんこれらは、極端な例かもしれない。ただ何かにつけて抗議、苦情といきり立つ人々、本当の怒りの元は、自分の心に潜んではいないか。

メディアやヤフーが黒塗りメイク騒動を煽っているという声もあった。

黒塗りを禁じることが問題解決なのか?

それにメディア関係者の反応も疑問が残った。浜田の相方、松本人志が出演する『ワイドナショー』(フジテレビ系)1月14日の放送回では、黒塗りメイク問題が扱われた。出演者各氏の反応が興味深い。松本は「言いたいことがあるけど、面倒臭いので浜田が悪い」と笑いを取りつつ、明らかに不満気だった。

逆に演出に対して否定的だったのは、キャスターの安藤優子。「エディマーフィーに扮したことではなく笑いのネタにしたことが問題だ」と指摘した。また音楽プロデューサー・もふくちゃん は「国際的な立場になっているということに目配せした番組作りが必要なんじゃないかなというふうに思います」と訴えた。

安藤、もふくちゃん両氏は、黒塗りメイクを否定的に見ていた。今後、どんな意図であれ黒人を連想させるような演出はNGという意味か。松本はこう問いかけた。「モノマネとか色々バラエティで、黒塗りは、じゃあもう、なしでいくんですね?  はっきりルールブックを設けてほしい」。するともふくちゃんは「黒塗りはアウトだと思います」と応じ「塗らないやり方のモノマネはいくらでもある」と強調していた。彼女も表現に関わる立場として、こうあっさりと演出の手段、手法を閉ざしてしまっていいものだろうか。

なぜなら仮に黒塗りメイクを禁じても、批判者たちは別のシーンで差別の鉱脈を見つけるものだ。だからもふくちゃんの認識はとても甘い。『ピーターパン』のフック船長も障害者差別だ、やがてこう言いだしかねない。他人に対する「差別」というレッテル貼り。相手を屈服させるにこれほど効果的な言葉もない。行政、司法、政治すらも「差別」という言葉に白旗を挙げることもある。だから新聞、テレビなど報道機関は、政治家などの失言を待ち構えている。その効果を熟知しているからだ。だからこそ逆に「差別」という批判にも弱い。こうした特性上、今回の黒塗りメイク問題によって放送業界では一層、自主規制が強化されると予想する。

ブラック企業は差別的表現? 人権派教授もやり玉に

もちろん自身が一撃必殺の「差別」を使用できる立場の時はいい。しかし逆に身に降りかかる可能性がある。今回の黒塗りメイク問題の場合、黒=肌の色、という分かりやすい状況があった。では言葉の表現はどうか。例えば「ブラック」「黒」。

元来、日本語で「黒」はネガティブなイメージで使われてきた。「腹黒い」「頭の黒いネズミ」「暗黒街」「暗黒社会」。あるいは「黒い霧解散」(1966年)、「黒い霧事件」(1969年)など。この場合の「黒い」は、主に暴力団関係者を示している。また「容疑者はクロ」この場合は、犯人ということを意味する。

そんな経緯から労働基準法を逸脱したり、過酷な労働環境にある企業に対しては「ブラック企業」と言うようになった。また金融機関で返済状況が悪い利用者などを「ブラックリスト」と言う。中身が不透明で怪しげな様を「ブラックボックス」。この通りブラックもネガティブなイメージで使用されてきた。この場合のブラックは、もちろん黒人を示すものではない。従来から黒に込められた意味を当てはめたにすぎない。それに色で物の様態、状況を表すのは「黒」に限ったことではない。「白」もしかり。また「真っ赤な嘘」、「黄色い声援」、「青ざめる」などもある。あるいは、共産党員を「アカ」という。これも蔑称に違いないが、なにしろ赤は共産主義のシンボルカラーだし、共産党員自身が自虐的に「アカ」と自称することもある。

ところが「ブラック」「黒」の使用について黒人差別を助長するという声が少なからず存在する。「ブラック企業」という表現も黒人差別を助長する、こういう主張に対して、我々日本人はどう向き合うべきだろう。特に左派の方々、メディアにとって「ブラック企業」問題は、とても関心があるはず。ブラック企業の過酷な労働現場に迫って喝采を浴びるかと思いきや、別の一派から差別とお𠮟りを受ける。そんな可能性が大いにあるのだ。

先述したもふくちゃんが言うところの「国際的な目配せ」が必要と言うならば、「ブラック企業」「ブラックリスト」「腹黒い」「黒い人脈」これらも排除しなくてはならないのか。メディア関係諸氏、そして黒塗りメイクに抗議した人々は、こういう状況を望む?

そして中には人権問題に取り組む専門家ですら“ブラック狩り”に遭遇することもある。在日コリアン、被差別部落問題に取り組む東京造形大学・前田朗教授もまたその一人。人権派の前田教授も「ブラック企業」という言葉を使ったら差別的だと指摘を受けることもあるのだ。そこで前田教授に「ブラック」という表現について、また批判に対してどう応じたのか聞いてみた。
(次号に続く)

東洋経済は黒塗りメイクを批判する記事を掲載したが、ブラック企業が差別と言われたらどうするのだろう。

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