総選挙の大勝に沸く自民党。保守王国の一つ、岐阜自民は中道改革連合(立民現職)から4区を奪還して県内全区で当選。2月1日、同県可児市内で開催された高市首相の街頭演説には約8千人が殺到し、周辺は渋滞が起きるほど大盛況。首相来訪で勢いづく岐阜自民だったが、2月4日に岐阜市議が市幹部を暴行したのだ。同市議は過去にもトラブルを起こしていたからタチが悪い。
懇親会で先輩市議や市幹部にウザ絡み

「この拳を天高く突き上げて頂きますようお願い申し上げます」
2月1日、高市首相の来訪に地元の有権者が殺到したが、首相演説より注目されたのが元世界空手チャンピオン、若井敦子参院議員のパワフルなガンバロー三唱だった。
宝塚歌劇団の男役スターのような迫力と声量。候補者よりも気合が入った演説はSNSでも話題になった。高市首相、若井氏らの応援を受けて、新人の加藤智大氏が初当選したのは結果のとおり。
ところが衆院選も終盤に突入した2月4日、岐阜市議が暴行トラブルを起こしていたのだ。
市関係者が内幕を明かす。
「2月4日、議長、議長経験者ら市議、部長級職員を交えた懇親会が開かれました。その席上、1期目の自民党・野本琢磨市議が議長経験がある石井浩二市議になれなれしいというのか、失礼な態度をとったのです。見かねた都市計画部長が注意。ところが悪酔いしたせいか横柄な態度をとり続け、酒席はすっかり白けムードになりました」
野本氏は2023年の統一地方選で初当選。市幹部は新人議員の教育係のような存在だ。市の重鎮が集う席だから注意されても仕方がない。散会後、一行は店前でタクシーを待っていたところ、問題行為が起きた。
「野本市議が都市計画部長に〝ハグしよう〟と〝ウザ絡み〟。野本氏が部長の首に手を回して、もみくちゃになる中、部長を平手打ちしてしまったのです。この時、野本氏を制止したのは別の部長。他の市議は何をしていたんだと思いますね」(前出関係者)
議員のパワハラに厳しい目が向けられるこのご時世、あまりに軽率な行為だ。
同席した市議は当時をこう振り返る。
「店を出ると、(野本氏が)ワァワァと声を出して揉み合いになった中で、部長に平手打ちしてしまったのです。(野本氏が)パニックになってしまったので、タクシーで帰宅させました」
過去にも消防団でトラブルを起こしていた

暴行、それも酒席での騒動だから有権者にすれば〝いい加減にしろ〟と言いたくもなるだろう。実は野本氏のトラブルはこれが初めてではない。騒動の発端は元議長、石井氏への悪態なのだが、野本氏とは浅からぬ因縁があったのだ。ある市議の話。
「野本氏が初当選した年にある女性が〝夫が消防団で野本氏からパワハラを受けた。注意して欲しいから市長に会わせてください〟と怒鳴り込んできたのです。応対した議員が〝市長ではなく議長がお話をうかがいます〟と宥めて当時の石井議長が女性から聞き取りをしたのです。この件については和解して野本氏は現在も消防団を続けています。石井氏には頭が上がらないはずですが…」
当の石井氏は怒り心頭かと思えば慎重な態度だ。
「翌日、双方(野本氏と部長)は和解したと聞いています。ですのでこれ以上のことは控えさせてください。私にも絡んできた?それも特にお話することはありませんし、消防団のトラブルについては本人を厳重注意処分にしています」
野本氏にとっては二度目の失態となる。しかも前回のトラブル対応に当たった石井氏の目前での暴行だったのだ。もちろん酔いの席というのは言い訳にならないし、度重なる粗暴な振る舞いは議員の資質を問われかねない。
野本氏を直撃したところ「今、忙しいです。後日にしてください」と応じる様子はなさそうだ。また翌日、和解したというのは事実なのか野本氏に確認したが「ノーコメントです」と言い残した。一方、当事者の都市計画部長にも取材を申し込んだが、返答はない。
市側、議会もひっそりと幕引きを図りたい意図があるようだ。しかし地方議会とはいえ自民党としては厳正に対処した方がいいだろう。衆院選の歴史的勝利で長期安定政権が期待されるが、好調の後で大コケするのも自民党。
「蟻の穴から堤の崩れ」とはよくいったものだ。



