【太陽光利権】ようやくメガソーラー導入支援終了へ どうなる悪徳業者の駆け込み申請対策

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By Jun mishina

森林を切り開き、景観を壊し、土砂災害の不安まで招く――。全国で住民トラブルを引き起こしてきたメガソーラーに歯止めか。経済産業省は3月19日、大規模な地上設置型太陽光発電について、2027年度以降はFIT・FIPの支援対象から外す方針を決定。再エネの名のもとに野放図に広がってきた巨大開発にメスが入るが、も制度終了を前にした“駆け込み申請”や“規制逃れ”が増加する可能性もある。(写真は奈良県平群町のメガソーラー)

政治、行政、財界、左派も一致した太陽光推進

(*)FIT(固定価格買取制度)は再エネ電力を固定価格で全量買い取る安定重視の制度に対し、FIP(フィードインプレミアム)は市場価格に連動した補助金(プレミアム)を上乗せするやり方。

再生可能エネルギーの中でも政官民を挙げて推進した太陽光発電。普段は環境保全を訴えるリベラル政治家、著名人らも同調したがその一方、各地で起きた山林破壊に対する問題意識は薄い。さらにこの間、元衆院議員の秋本真利氏が太陽光発電をめぐる受託収賄罪などで逮捕。国際政治学者・三浦瑠麗氏の元夫、三浦清志氏が太陽光投資詐欺で逮捕。

太陽光発電をめぐる投資詐欺などの事件、トラブルは枚挙にいとまがない。

そもそもメガソーラー開発に対する反発が強まったのは2021年7月3日、熱海土石流がきっかけだろう。土石流起点付近にメガソーラーが建設されたことが原因ではないかと取沙汰された。しかし当時、静岡県は原因究明について当初からメガソーラーを検証対象外としたのは驚きだ。

なぜこれまで異常に太陽光発電、特にメガソーラーについて政治、行政は後手の対応だったのか。それほど巨大な利権だったとしか思えない。

太陽光見直しではなく屋根設置型や次世代型へ

東日本大震災と福島第一原発事故の後、日本では再生可能エネルギーの拡大を求める声が急速に強まった。そうした中、2012年7月にFIT(固定価格買取制度)が始まり、再エネの導入は一気に加速した。

実際、再エネ比率は2011年度の10.4%から、2022年度には21.7%まで上昇している。

その一方で、FITが最も大きく押し上げたのは太陽光発電だった。2023年12月末時点で、FIT開始後に運転を始めた再エネ設備約7700万kWのうち、実に約88%が太陽光で占められている。

制度が太陽光発電の普及に大きく寄与したのは間違いない。だが本来は再エネ普及を目的とした制度が、実際には投資対象として利用される側面も強かった。

巨大なパネルを並べて発電し、その電気を20年間にわたり高値で電力会社へ売る。初期費用を回収した後は利益を得る――。こうして広がったのが、いわゆるメガソーラー事業である。

しかし、このビジネスモデルは莫大な国民負担の上に成り立ってきた。経済産業省の試算では、2025年度の再エネ買取総額は4.9兆円、再エネ賦課金は3.1兆円に達する見込みだ。再エネ賦課金は、電気料金を通じて国民が負担している。

問題はそれだけではない。各地で森林を切り開いてメガソーラーが建設され、釧路湿原や阿蘇山周辺など、景観や自然環境への影響が懸念される地域にも開発の手が及んだ。

にもかかわらず、現状ではメガソーラーそのものを包括的に規制する法律はなく、各自治体が条例で対応するほかないのが実情だ。住民訴訟や地域紛争が相次ぎ、さらに2030年代後半には使用済みパネルの大量廃棄も懸念されている。

今回の経産省の見直しは、単純に「反メガソーラー」へ転じたという話ではない。実態としては、支援の重点を変える「選別」に近い。政府文書でも、再エネ導入拡大の観点から、屋根設置型など地域との共生が図りやすい太陽光発電は引き続き重要だとされている。

要するに、「広い土地を必要とする大規模案件」よりも、「需要地に近く、建物を活用し、地域の理解を得やすい案件」へと政策の軸足を移そうとしているのである。

さらに政府は、従来型のシリコンパネルだけでなく、軽量・薄型・柔軟という特徴を持つ次世代型のペロブスカイト太陽電池の普及も後押しする方針だ。

大阪・関西万博でも実証実験が行われ、経産省は2030年度までに発電コストを1kWhあたり14円以下に抑える目標を掲げている。

総じて言えば、国民負担や地域共生の失敗が目立った地上設置型メガソーラーから、住宅用太陽光や事業用屋根設置型太陽光へと比重を移していく。これが今回の政策見直しの大きな流れだ。

駆け込み悪徳事業者は抑制できるのか

全国再エネ問題連絡会の全国シンポジウム。

もっとも、制度の転換期には駆け込みも起こりうる。政府は地上設置型の事業用太陽光について、2027年度以降はFIT・FIP支援の対象外とする方針を示しており、現行制度では2026年度が最後になる見通しだ。支援が切れる前に、少しでも認定や落札の権利を確保しようとする事業者が出てくる可能性は高い。

メガソーラー建設に反対してきた団体関係者は、こう警戒する。

「起きやすいのは、土地だけ先に押さえる、近隣説明を後回しにする、接続や許認可の見通しが甘いまま認定だけ先に狙う、といった動きです。制度上の区分を回避するため、案件を分割して見せるケースも考えられます。資源エネルギー庁自身、50kW未満に細かく分けて本来の規制を逃れるような“分割案件”を問題視しています」

こうした駆け込みに対して、国も手を打ち始めている。

「2026年度の最後の申請については、認定取得期限までに認定を取れなかった場合、第2次保証金は一律没収し、返還しない方向が示されました。制度終了前には、認定枠の確保を狙う駆け込みが十分に想定されますが、政府も分割規制や保証金没収によって、“権利取りだけの案件”を抑えようとしています」

とはいえ、制度に抜け道を見つけようとするのもまた事業者の常だ。中身の薄い案件や、地域説明や防災配慮を欠いた案件を、どこまで実効的に防げるのかはなお不透明である。

では今回の見直しによって、山林の違法開発は抑え込まれるのか。各地のメガソーラー問題を調査してきた技術者は、「今後も警戒は必要だ」と指摘する。

「確かに、FITを前提に山林を確保して大規模開発を進める従来型のスキームは、かなり抑制されるでしょう。しかし、違法開発そのものがなくなるかは別問題です。規制の多くは自治体頼みで、監視や現地確認、是正命令まで行政の裁量に左右される部分が大きい。事業者側も、小規模分割や名目変更によって規制を回避しようとする動きを続ける可能性があります」(同)

同技術者は、2012年以降の太陽光発電拡大に比べて、環境アセスメントの仕組みがあまりに脆弱だったとも指摘する。

「環境省は今年1月から、太陽光発電事業の環境影響評価について、規模要件などを見直す検討会を始めました。ここまでメガソーラーが乱立してきたのに、環境影響評価の強化はいまだ議論の段階です。いかに無理な開発が先行してきたかを示していると言えるでしょう」(同前)

再生可能エネルギーという大義のもとで、太陽光発電は急拡大してきた。だがその陰で、国民負担の膨張や地域との摩擦、環境破壊といった歪みもまた広がった。今回の見直しは行き過ぎたメガソーラー開発に歯止めをかける効果はあるはずだ。

むしろFITを前提としたメガソーラーよりも、ロブスカイト太陽電池など新技術を推進した方が将来性はあるかもしれない。しかしいかに新技術だとしても例によって〝補助金〟漬けにして、完成したものがガラクタだった。そんな顛末が脳裏をかすめるのだ。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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