WHOに対抗? WCHジャパン 議連発足に 絡む「ラエリアン・ムーブメント」ってなんだ?

カテゴリー: 宗教 | タグ: , | 投稿日: | 投稿者:
By Jun mishina

コロナ禍が炙り出したのは給付金詐欺に悪質商法、人智を越えた思考を持つ“アレ”な人々。アレは反マスク、反ワクチン、反グローバル経済を掲げ、世界の支配者たるDSと闘っているという。そんな面々のご本尊と化しそうなWCHをご存知だろうか。そこに異星人との交信を目指す謎組織まで絡みカオスな状態なのだ。

自民党議員まで 参加した WCH設立総会

アレ=阪神タイガースの日本一で盛り上がったこの秋。一方のアレたちは「DSと闘う銀河連邦軍」と鼓舞し、有名人の訃報は「コロナワクチンが原因」とデマを飛ばす。アレな面々の日常である。 

そんなアレたちが信奉するのが反マスク、反ワクチン、陰謀論、疑似科学。当サイトがレポートした神真都Q、そして参政党がその受け皿だった。だが神真都Qはワクチン接種会場での妨害行為で逮捕者を出し、そして参政党はボードメンバーの離脱で揺れている。

寄付金で運営するという。高額セミナーとの声も。

なにしろアレたちは移り気で新しいモノ好き。そこで新しい集合体になりそうなのがWCH(ワールドカウンシルフォーヘルス)ジャパンである。団体HPの概要をみると

ワールドカウンシルフォーヘルス (World Council for Health) は、2021年9月にイギリスで、アメリカ、カナダ、イギリス、南アフリカ、ドイツから集まった医師、科学者、法律家、人権擁護運動家たちによって設立されました。現在、世界45か国以上、200以上の団体が賛同する、健康をめぐるより良い方法を目指した、各分野におけるトップレベルの専門家と草の根活動がつながる、世界的な連合体です。

との説明がある。グローバル経済、国際資本に牛耳られたWHOに対抗するためWCHが正しい医療情報を提供し「人々が自分の健康と幸福をコントロールできるようにすることに取り組む」という。国際医療の新しいプラットフォームといったイメージだ。

現在、WHOが進めるパンデミック条約によって国家主権が奪われワクチン接種が強制になるというのがWCH信奉者たちの“ お説”。こうした主張は国政・地方議員の間でも広まってきた。

11月16日、衆議院議員会館で「超党派WCH議員連盟(仮称)設立総会」が開催され、立憲民主党・原口一博衆院議員、自民党・平沢勝栄衆院議員、参政党・神谷宗幣参院議員が出席した。与野党広く議員を集めたから関心は高いようだ。

原口氏といえば反ワクチンを信奉者であり、またDSが世界を支配するという考え方を持つ。典型的な陰謀論者として発言が物議を醸すこともある。そして泉大津市・南出賢一市長とともにWCHジャパンのアドバイザーを務める。

YouTubeはすでに削除。

冒頭、挨拶に立った原口氏は「各分野 個人の尊厳や基本的人権は最大限尊重されなければなりません。人権と個人の健康に関する自由な仕組みを確保するために考えていきたい」と訴えた。

トップレベルの専門家?
スピリチュアルに心酔する須藤元気参院議員も参加。

また原口氏と同じくWCHジャパンのアドバイザーを務める南出賢一市長はこの日は欠席。代理の出席者がワクチン後遺症対策の取り組みを説明した。

コミュニティーノートの連発

設立総会後、出席者たちが各々でSNSに投稿。しかし案の定、Xではコミュニティノート(背景情報)の餌食となった。そもそも「WCHジャパン」自体、新型コロナウイルスへの有効性が確認されていない「イベルメクチン」の推進者たちが関与する。

パンデミック条約によってワクチン接種を強制され主権を失うという主張だが、パンデミック協定案第3条、IHR第3条には各国の主権が明記されており、WHOにも命令する権利はない。

そうした説明もなく単に「主権を失う」という不安を扇動しているかのようだ。全国で唯一、首長としてWCHに関わる南出泉大津市長もこうした主張に同調するのか。同市長に質問してみたが「答える立場にありません」(秘書広報課)という。

代わって同市人権くらしの相談課は「お問い合わせの件につきまして、WCHジャパンに関しては、市長個人としての活動となり、市政として関与するものではございません。また、市へのお問い合わせ(市政へのご意見箱)につきましては、市政に対してのご意見・ご要望をお伺いするものでございますので、個人的な活動や考え方についての回答はできかねますのでご理解ください」と回答した。

南出市長に直接の質問も「受け付けられない」という不思議な対応。信奉者に囲まれた時やYouTubeなど一方的な配信の場合は勇ましく、外部からの指摘には口を閉ざすのも特徴的だ。

しかもWCHをめぐっては種々の団体、関係人物が登場する。議員、首長としても懸念材料ではないのだろうか。特に「カネ」絡みのことはなおさら、である。

設立総会前に 謎の集団が 登場した

設立総会を前にオンライン署名&クラウドファンディング 「Voice」で

「WHOの「パンデミック条約」に、断固反対します!日本政府に、パンデミック条約に調印しないことを求めます!~「日本国憲法」・「基本的人権」・「自由」を守るための署名運動~

パンデミック条約を反対する募金と署名が呼びかけられた。投稿したのは日本ラエリアン・ムーブメント(非営利国際ボランティア)代表 永井久美子とある。通常、「Voice」では署名と「エール」(募金)が募集されるが、担当者欄が原口氏になっていた。署名のみならともかく議員が特定の活動費のために募金活動とは不自然だ。

これに対して原口氏もX上で否定。またWCHジャパン公式サイトも募金活動と無関係だとした。

そもそも日本ラエリアン・ムーブメントとはなんぞや?と思う人も多いだろう。団体についての詳細は後述するとして、ともかく永井氏に原口氏との関係を取材するため同団体に連絡してみた。すると応対した男性は「普段、(永井氏は)ここにいません」という。そこで永井氏宛てのメールを確認してもらうように告げた。

さらに永井氏が運営するグループLINE「日本の未来を救う会」で本人と接触。その後、筆者の元に永井氏から返答があった。

原口氏との関係については

「私は「個人的に」応援させていただいている一国民に過ぎません。ただ、署名提出の紹介議員に関しては、私の代理で遣わした者が直接彼に伺って、「もちろん」とご了承を取っております」

とし何らかの接点はあった模様。

「10月14日の大阪講演会(*WCH講演会@マイドームおおさか)でも、広く支援者や献金を募っていらっしゃったようですが、(献金サイトがあるということも耳にしておりますが)署名活動が終了して、献金させていただく段階で、先方の所定の手続き方法を伺って、寄付させていただくつもりでいます」(永井氏)

また募集期間が終了次第、WCHに寄付する予定だとの説明だ。それでもなくても疑似科学との批判が強いWCHジャパンに日本ラエリアン・ムーブメントという謎組織まで便乗してくるとは悩ましい。

異星人のための 大使館って…

多古町の団体施設。宇宙人と交信するのが目的らしい。

同団体は日本国内で宗教法人格を持たないが、一種の新興宗教に近い。

「ラエル」ことフランス人モータースポーツ系ジャーナリスト、クロード・モーリス・マルセル・ヴォリロン氏が1973年に創立した団体。ラエル氏はエロヒムなる異星人から地球外生物を地球に迎える大使館の建設を要求されたことが始まりだ。

日本国内では千葉県香取郡多古町本三倉に拠点を構え「地球外生命体を歓迎する大使館 千年紀プロジェクト」を進めている。

団体のマスコットキャラクター。

信奉者の間では「宇宙大使館」と呼ばれる取り組み。2018年3月28日のリリースによると

これまでもいくつかの国々からエロヒム大使館に対する誠実な関心が寄せられていましたが、このたび大使館建設に向けた正式な協議を進めるため、某国から正式にオファーを受けました。代表者が国際ラエリアン・ムーブメントのもとを訪れ、『宇宙人大使館に関する選択議定書』と記載された “外交関係に関するウィーン条約書” を持参。この議定書に関する世界初の国際会合を、この国が開催する可能性も話し合われました。

と報告しており、実際に大使館建設を申し出た国もあるというが正直なところ眉唾…。

本当にそんな国があったのか謎である。それ以前に異星人との交流は本気なのか。永井氏に確認してみた。

「宇宙と交信できるというよりも、人類を創造された エロヒム(ヘブライ語で”天空より飛来した人々”という意味)が降りていらっしゃり、科学の遺産を人類に伝授されます。 神と間違われてきた彼らが、地球にご帰還できるような体制になれば、色々な地球の問題が徐々に解決されていきます。そこまで行きつくには、まだまだ沢山のステップがあると信じます。 彼らをお迎えできるようになるには、まず、『外交関係に関するウィーン条約』に対して、地球外文明に提供する大使館についての選択議定書も追加しなければなりません。 色々ことがサイトに記載されておりますので、ご興味あるようでしたら、是非、そちらをまずはお読みください」

異星人との交信によって地球の問題が解決するそうだ。これだけでもアレたちの吸引力になるかもしれない。なにしろ異様に思い込みが強く、またインフルエンサーの主張を無自覚に受け入れてしまうのが反ワク、陰謀論信奉者界隈の特徴。何やら再び騒動のタネが増えたような…。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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WHOに対抗? WCHジャパン 議連発足に 絡む「ラエリアン・ムーブメント」ってなんだ?」への2件のフィードバック

  1. 匿名

    20年くらい前に、ヒトのクローンに成功したと言っていた団体ですね。
    #42819f8bc77c9da1305026cba28bdb8e

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  2. うましかの一つ覚え

    スピリチュアル・オカルト信奉者や陰毛論者をターゲットにした情弱商法にしか見えない

    返信