四条畷・同和の隣のトトロ館は ジブリが許可ってホント?

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By 三品純

2017年5月に公開した記事自由同和会四條畷支部の隣(?) にある謎のトトロの館のアクセス数が5月末から6月上旬の間、一時的に増加した。同記事は大阪府四条畷市田原台のとある家屋に施された『となりのトトロ』のレリーフを報じたもの。閑静な住宅街にある不思議なトトロ館。常識的に考えれば著作権法でアウトのはずだが…。トトロ館は横割り型分離住宅の一角で自由同和会旧四条畷支部が隣接する。この地域は同和地区ではないが「となりの同和」というわけである。アクセスが殺到したのは“トトロ館 ”の住民でもある旧四条畷支部長で同会兵庫県本部前会長・山崎晃平氏が5月21日、職務強要の疑いで逮捕された影響だろう。元会長は日本政策金融公庫が実施する「新型コロナウイルス感染症特別貸付」制度を使って事業への融資を受けようと「分かってるやろな」などと公庫職員を脅したという。この脅し文句は無論、「同和」を意識したものだ。まさかトトロ館もそんな調子でジブリを黙認させたとか!?。

こういった独自製作にありがちな「コレジャナイ感」がなく完成度はかなり高い。

「小学校の卒業制作で巨大なミッキーマウスの壁画を作ったところ謎の集団によって消された」

都市伝説でありがちなストーリー。ディズニー社の版権管理がとても厳格であることを皮肉ったもの。一方、日本のアニメ制作の名門、スタジオジブリも適正に版権管理業務を行っているはずだ。ところが権利関係に厳しいこのご時世に豪快なまでのキャラクター使用。当時、トトロ館を取材した際、おそらく山崎氏であろう人物が弊誌編集長・鳥取ループの質問に対して

「あれは家族が趣味でやっていることで、ちゃんとジブリの許可も取っとるんや。ほっといてんか」

と回答した。スタジオジブリに許可を得た、ということだが個人宅の私的使用に許可を出すとは考えにくい。同社の版権管理の一部は、長らく宮崎駿氏の個人事務所でもあった「株式会社二馬力」(2016年にスタジオジブリに吸収合併で解散)が担当していた。何しろ宮崎氏、反戦、平和、環境、こういったキーワードに敏感でリベラルな御仁。そこで特別な“配慮 ”をしたとか? あるいは一部ファンの間で「深読み」されるトトロと狭山事件の関係。主人公のサツキとメイが事件の被害者をモチーフにしているとの俗説だが、まさかそれを盾にしてトトロ使用を認めさせた? こんな調子で妄想と邪推は膨らむばかりである。

そこでスタジオジブリ広報部に聞いてみると、トトロ館については把握していないということだった。許諾の有無については

「申し訳ありません、許諾についてはお答えできません。ところでこのお電話は取材と言うことでしょうか。版権管理の問題になると法務部の対応になりますが…」

単純に許諾について聞きたかったが、それも答えられないということだ。またこちらから質問状を送ると伝えたが

「法務担当がどう対処したかもお答えできません」

ということで要するにゼロ回答だ。一応、広報部と法務部の両方宛に質問状を送ってみたが、やはり当初の説明通り返答はない。

では再度、家主に当たるしかない。分離型二世帯住宅の旧自由同和会四条畷支部側に連絡してみたが不在。前述した理由で別の場所にいるのだろう。またトトロのレリーフがある側の家屋の登記事項によれば「株式会社イワクラ」という会社が所有者だった。しかし同社の電話番号はすでに通話不可。地元住民によれば玩具関係の会社というからトトロやネコバスもそんな遊び心から製作したのかもしれない。

自由同和会大阪府本部によれば「すでに四条畷支部は廃支部にしていますし、当人(山崎氏)も除名処分になっています」とすでに同会と無関係で「コメントする立場ではない」という説明だ。逮捕された時の肩書は「兵庫県本部前会長」となっていたが、四条畷支部が無くなったため山崎氏自身で兵庫県本部を立ち上げたという経緯だ。

自由同和会大阪本部HPより。四条畷支部の名はない。

四条畷市田原台は同和地区とは無関係な住宅街。四条畷支部が同和を名乗る根拠がないしその上でわざわざ兵庫県に活動拠点を移すのもおかしな話だ。「分かってるやろな」と威圧するぐらいだから同和を背景とした行政・企業との交渉事は行っていたであろう。確実に言えるのは山崎氏自身は地元の評判が芳しくないことだ。絵に描いたようなエセ同和行為を行うぐらいだから悪評も仕方なしか。

「課がまたがる」同和フラグが立つ!?

それからキャラクター使用と同様に気になったのが安全性の問題だ。トトロもネコバスも打ちっぱなしのコンクリート壁面に施されている。となると素材もコンクリートのようなものか。経年劣化やあるいは地震の時など崩落の危険はないのか。となると四条畷市は何らか対応・指導をしているかもしれない。そこで同市に問い合わせてみると最初に対応したのは都市計画課。

「(トトロ館は)市としても把握しておりますが、少なくとも5年以上前に同様の問い合わせがありました」

前回記事とは年月が異なるため、この“問い合わせ ”は全く別人によるものだろう。その上で

「以前の調査ではレリーフは発泡スチロール素材のようなもので中身は空洞だから危険はないということでした。ただ古い話ですし、担当課がまたがるので再度、調べて上で連絡させて頂きます」

ということで一見、レリーフはコンクリートや石材にも見えたが、硬質な素材ではなさそうだ。そして賢明なる読者ならばお気づきだろう。それ以上に面白いのが「担当課がまたがる」ということ。通常、担当課が複数に関わるというのは同和対応における常套句と言ってもいい。このためもしや仰天の裏事情が控えているのかと期待したが「またがる」と言ってもただ同市建設課というだけだった。

「危険はないので特に問題視していません。素材も発泡スチロールではなくてモルタルのようなもので…いえはっきり言えませんが…。5年以上前に問い合わせ? いえ20年ほど前に問題があるのではないかとの問い合わせがありました」

なんとあのトトロやネコバスは20年も前から存在していたのか。その割に綺麗に保たれている。素材ははっきりしないが市は安全と判断したようだ。

「自由同和会の支部だった? はいそれも承知していますが、それでどうこうという話ではありません。確かに(レリーフは)若干、道路側にはみ出していますが一般のお宅でも植木の枝が出ていますし…」

苦しいような当惑したような建設課の説明だった。要するに市としては「関知しない」ということだろう。あとはそのうちトトロとネコバスが消えていたら“ スタジオジブリが動いた”ということになる。ジブリ対同和という壮絶な展開はマニアにすればこれ以上にないスリリングなドラマだ。

それにしても山崎氏の逮捕といい、また和歌山市の連合自治会長事件、そして関西電力を牛耳った森山栄治の存在が明るみになったことなど昨年から各地の同和人脈が続々と白日の下に晒されている。いかにポリティカル・コレクトネス隆盛の時代とは言えこの一連の流れは部落や人権を盾にした犯罪や利権を許さないという何らかのメッセージと裏読みしたくもなる。

本稿とは関係ないが関西名物、スーパー玉出はなぜディズニーキャラクターが使用できるのか。

三品純 について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

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