【日本青伸会】謎の元国連理事・大野寛文理事長に内閣府が命令書 決算書未提出で公益法人取り消し寸前

By Jun mishina

元国連理事という謎の肩書で保守系インフルエンサー、伊勢市議になった大野寛文氏。同氏が理事長を務める伊勢神宮の奉仕団体「公益社団法人日本青伸会」に対して昨年12月、内閣府から勧告書、次いで2月に命令書が通達された。同会の運営が改善されないことから内閣府の〝最後通牒〟。だが大野氏が内閣府に提出した報告書は言い訳にすらなっていない。(写真は大野氏のFacebookより。小麦抜きはどうなった?)

伊勢市・参政党市議も大野氏に心酔

【緊急警告】「元国連理事を自称」「伊勢神宮奉仕団体を乗っ取り」大野寛文・伊勢市議にご用心

伊勢神宮も完全拒否! 青伸会・大野寛文理事長が議事録の改竄、ニセの捺印の証拠 私文書偽造では?

今や『チャンネル桜』の常連にもなった大野氏。主張が陰謀論、疑似科学との指摘がある日本誠真会、参政党、ゆうこく連合との関係は深い。大野・伊勢市議としても活動中だ。

「伊勢市議会では参政党・神谷明子市議と同室です。神谷氏は大野氏について〝あれほど博識な人はいない〟と心酔しています」(伊勢市関係者)

神谷氏は昨年の伊勢市議選でトップ当選を果たした。勢いがある神谷氏も一目を置く大野氏。ところが同氏のYouTubeを視聴しても独自情報、または知見を感じさせる主張が見つからない。要するに「誰でも言えそうなこと」としか思えないが、ネットを背景にした保守層には大野氏の発言は刺さるらしい。しかし妙なもので保守層が最も尊崇するであろう伊勢神宮を利用し、法外な会費を集めその挙句、神宮から事実上の〝出禁〟を受けた。こうした事実を大野氏の信奉者に突き付けても話は全く通じない。

大野氏に限らず一部保守活動家をめぐる環境は新興宗教に通じる世界がある。

「公益社団法人」が取り消しの危機

日本青伸会は1941年(昭和16年)に結成された「大日本青少年団」が前身。敗戦後、昭和21年に復員した有志により年末年始の神宮庭燎奉仕・奉納が始まる。翌年に「青伸会」、また昭和51年に「社団法人日本青伸会」と改称。2012年(平成24年)に内閣府から「公益社団法人」として認定された。非常に歴史ある団体だ。

戦後、神道に対する忌避意識が高まる中で伊勢神宮を守ってきた。しかし今、青伸会が危機的な状況にある。昨年12月24日、内閣府が同会・大野寛文理事長宛てに勧告書を通達。「役員変更の届出」「必要書類の公開、報告」「財産目録の提出」「再発防止策の提出」を求めた。

これに対して大野氏は2月13日、内閣府へ「報告書」を提出。内容は報告というよりも「言い逃れ」に近い。

報告書一部。

過去、勧告を受けた団体は他にもある。

会計処理不備、会内のパワハラが報じられた「公益財団法人全国里親会」。知人企業に優先発注など不祥事が相次いだ「公益財団法人国際人材育成機構」。元事務局長がコカイン使用で逮捕された「公益社団法人日本駆け込み寺」など。いずれもメディアでも大きく取り上げられた。青伸会はこれらの団体と同レベルにあることを大野氏以下関係者は自覚しているだろうか。

ところが改善が見られず2月17日、内閣府は大野理事長宛てに命令書を発した。

不利益処分の理由について内閣府は以下の問題点を指摘した。

●昨年12月の勧告で求められた措置を、期限の令和8年1月30日までに実施しなかったこと。

●未実施の理由について大野氏は2月13日の報告書で「①通帳・印鑑の引継ぎ遅れや郵便転送の問題」「②理事間の対立による情報共有不足」「③金融機関の取引履歴開示に2~3週間かかること」などと説明。①と②は内部事情、また③は本来の提出期限(昨年6月30日)であり時間がたちすぎ理由にならない。

●提出した金融機関の取引履歴は一部に過ぎず、不十分。

青伸会・大野氏は弁明したものの、容赦なく内閣府から〝ダメ出し〟を受けた。大野氏は青伸会が混乱していることについて「理事間の対立による情報共有不足」というのだが、対立を煽っているのは一体、誰か。現在、Webサイト上で苦言を呈した理事を〝晒し者〟にしているのは、他ならぬ大野氏の方針だ。

さらに大野氏が自筆の委任状を用いて理事に就任した2024年6月15日の青伸会総会。開催前に大野氏はある理事に対し、まるで〝脅迫状〟のような文書を送った。

選任される理事について大野氏は事前に協議を求めたものだ。一部を抜粋する。

なお、仮に貴殿からの返信及び御連絡がなく、定時総会を迎えた場合、議決権数からして、当方が選任を希望する役員が選任される可能性が極めて高く、貴殿の推進する役員候補者が選任されないと思われますので、その旨予めご承知頂けますと幸いです。

「逆らったら許さない」こう言いたげな内容だ。他の理事からすれば大野氏は新参者なのに挑発的な態度である。むしろ大野氏自身が対立を深めたというのが正確だろう。

大野理事長体制の出納帳は内閣府に提出されていない

「勧告を受けて大野氏が報告書を提出しましたが、あの内容が役所に通用すると本気で考えたのでしょうか。内閣府に向けたというよりも、他の理事に向けて〝問題ない〟とアピールするための報告書だったかもしれません」(青伸会関係者)

報告書には「金融機関の取引履歴開示に2~3週間かかること」といった弁明が並んだが、〝宿題をやったけどノートを忘れました〟レベルの話だ。ところが大野氏はまるで自身に非がないような書きっぷりなのだ。

従来、当方が代表理事に選任される前は、当会の理事同士で意見の対立が生じており、かかる意見の対立に基づく業務情報を共有されていなかったことがガバナンス体制が構築出来ていなかった原因と分析しております。そのため、会員名簿に関する情報が共有されず、通帳の取引履歴等をはじめとする収支の状況等、が開示されなかったため、一部の元理事や前理事長等の独断で、業務が進められていたという事実がございます。

しかしながら、当方が代表理事に就任したことによって新たに通帳を再発行し、会員に対する会費の案内等について、やり直すことによって、これらの事態が改善されてきているものと考えております。

大野氏が理事長に就任して改善された? ならばなぜ内閣府から命令書が突き付けられたのか。疑問は尽きない。報告書には各種金融機関の取引履歴が添付されていた。ゆうちょ銀行分が2023年(令和5年)4月1日から4月20日まで、また三菱UFJ銀行分が2024年(令和6年)4月2日から同年8月13日まで。

ところがこれも一見して〝不十分〟と判別がつくものだ。大野氏は内閣府がこの提出書類を信じると本気で考えたのだろうか。

もちろん金融機関の取引履歴についても内部から疑問の声が挙がる。ある事情通の話。

「それは別の監事の頃に提出された出入金記録ですよ。令和6年5月から現在まで大野氏が管理している分は提出されていません」

大野氏は「通帳の取引履歴等をはじめとする収支の状況等、が開示されなかった」と訴えるが、皮肉にも提出できた銀行の取引履歴は前理事長、前監事時代のものだ。

令和6年8月13日以前の預金は大野氏が引き出したという。

「令和6年8月13日以前は前理事(会計担当)が会費を集め、プールしてきたものです。ところが大野氏が理事長になるとそれら(8月13日以前の預金)を引き出しました。過去の体制を批判するならば最新の出納帳を公開するのが筋でしょう!」(前出事情通)

内閣府は3月17日までに財産目録等の提出と再発防止策の提出を求めている。しかし今度ばかりはもう取り繕うことは不可能だろう。

事業計画は事業費約3千万円を見込んで申告

先の青伸会関係者も危機的な状況だと指摘する。

「2024年4月から2025年3月期の決算報告が未提出です。つまり法令違反(公益法人認定法)の状態。決算書を提出しないことは〝公益法人〟の存立基盤を自分で破壊しているのも同然ですよ。ところが今の理事たちは事の重大さを理解していません。本来ならば追徴課税でも仕方がありませんが、公益法人認定法の隙を突いて雑な報告をし続けたのでしょう」

国際情勢に明るいという〝元国連理事先生〟も会計に精通しているわけではない。

「公益の決算書は素人が処理できるほど簡単ではありません。一般企業とは異なり収支相償(収入と支出がほぼ釣り合っている状態)。税制が優遇されている代わりにチェックは厳格。なので公益法人専門の会計士に依頼してようやく期限内に間に合わせています。会計士に頼んだ場合、安くとも年約40万円はかかります。会計のために大野氏が大金を払うとは思えません」(同)

まだ難題は続く。

「内閣府に唯一、提出した事業計画は事業費約3千万円を見込んで申告したもの。ところが大野氏は神宮から実質、出禁状態で青伸会は今後、神宮庭燎奉仕・奉納に参加できないでしょう。それ以外にどんな事業ができるのか見ものですよ。事業計画が違っても即、違法ではありませんが放置すると監督措置の対象になりえます」(同)

危機的な状況だが一方でこんな意見も。

「青伸会が公益社団法人を取り消されたらただのボランティア団体で何の権威付けもありません。それでも伊勢市内に所有地(ひもろぎの里)があるでしょ。大野氏は数年かけて整備してきたので、何らかの事業はできるかもしれません。それに一般社団法人になれば監督官庁がないので、やりたい放題で運営できるでしょう」(伊勢市協力者)

仮に〝公益社団法人召し上げ〟になったところで大野氏の懐が痛むわけでもなし。しかし伊勢神宮ブランドを利用してきた大野氏としては体裁が悪い。3月17日までに内閣府に何らかの報告を行うだろう。

ただしSNS上に群れる大野氏の信奉者、参政党や日本誠真会の支持者界隈ならば「国際組織の策謀」「中国の圧力」などと訴えれば納得してもらえるはずだ。しかし相手は内閣府。これ以上、大野流詭弁は通用しない。

Jun mishina について

フリーライター。法政大学法学部法律学科卒。 月刊誌、週刊誌などで外国人参政権、人権擁護法案、公務員問題などをテーマに執筆。「平和・人権・環境」に潜む利権構造、暴力性、偽善性を取材する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)