部落は意外に身近なところにある。筆者の家から一番近い部落はどこか調べてみると、距離にして約5キロ、車で14分のところにあった。
それが、今回訪れた厚木市中依知の部落である。
ここには天保年間に6軒、1934年に7軒の部落があったとされる。
中依知は厚木市の東端にある。相模川を越えると座間市。ここには2013年に開通した県央厚木ICがあり、高速道路の玄関口として座間市民にも馴染みの深い場所である。
この近辺の歴史マップ。日蓮さんゆかりの場所ということらしい。
『人権のとも』2008年9月15日号に「厚木市C地区」として部落の探訪記が掲載されている。船渡場と稲荷神社がポイントのようだ。
さきほどの幸楽苑から少し住宅地に入ったところに稲荷神社があった。しかし、ここは違うような気がする。
中依知自治会館。厚木市は同和事業を行っていたが、これは同和施設ではない。厚木市内の同和集会所は、白山集会所と岡田集会所だけである。
ここにも地域の歴史が書かれている。
住宅地をさらに相模川に向けて進むと、圏央厚木ICを一望できる場所がある。
崖を降りる途中に写真の石碑がある。船渡場というのは、ここで間違いないだろう。
今でこそ崖の下には田畑が広がっているが、かつてはここに相模川の河岸があった。この石碑は公的なものではなく、藤野光典なる方が私的に設置したもののようだ。
一応、ここは「仲の下公園」という公園のようだが、草が生い茂っており、通せんぼがしてある。船が置いてあるのは、船渡場にちなんだものだろうか?
中依知は大きな家と広い畑が特徴的な地域だ。船渡場の近くも例外ではなく、大きな家がいくつもあるのだが、「茂戸藤」という表札が目立つ。『人権のとも』にある「Mさん」というのはもしかして…
「茂戸藤」家の多いあたりはどこが道路で、どこが家の敷地なのか分かりにくい。舗装されていない道を通って、住宅地の中に入っていくと、見覚えのある家が見えた。『人権のとも』に出てきたあの家である。
家の横にはお稲荷さんが。
住民に聞いてみると、残念ながら『人権のとも』のインタビューに答えた人は既に亡くなってしまったようだ。地区の歴史を知っている老人も次々と亡くなってしまい、白山神社のあった場所はおろか、さきほどのお稲荷さんの由来も分からないそうだ。
よく見ると、他の家の敷地にもお稲荷さんがある。
トラックには「藤野建設」と書かれている、
高級車が停まった家が。『人権のとも』には「この地区の環境は良好である」と書かれているが、良好どころではない。どこからどこまでが部落かは分からないが、茂戸藤さんの家といい、中依知には金持ち、土地持ちが多いように見える。
茂みの中にある、これもお稲荷さんだそうだ。ちなみに、このお稲荷さんは石碑にあった藤野光典さんの豪邸の横にある。
白山神社は小高いところにあったというが、この近くで小高いところと言えばここしかない。これは「桜樹古墳」という古墳であるらしい。しかし、周囲には何もなかった。
この辺りは中依知古墳群という古墳群があるらしい。さきほどの藤野さんのところのお稲荷さんからも古墳らしきものが見えた。古墳の下に何かあったが、これが何なのかよく分からない。
最後のチェックポイントは日蓮宗の妙純寺。『人権のとも』には南西に3kmほどとあるが、実際は2kmほどの場所にある。思った以上に立派なお寺で、日蓮さんが佐渡に流される前に1ヶ月滞在した聖地なのだという。
広大な墓地がある。部落の人々の墓石はここにあるというが、なかなか見つからない。
お供え物の羊羹を食べる猫。
ふと、覚えのある名字が目に入った。目的の墓石はこの近くに違いない。
ついにそれを見つけた。『人権のとも』にあった日蓮宗の寺はまさに妙純寺のことであると確信した。ご承知の通り、日蓮宗は賎民を別け隔てしなかった。それゆえ、茂戸藤さんの墓は一箇所に固まることなく、分散しているのだろう。
神仏習合を未だに色濃く残しているのも日蓮宗の特徴である。寺の境内にも稲荷神社があった。
日蓮宗は商人の間でよく広まった宗派であり、現世利益を求めるため、商売と相性がいいと言われる。そして、稲荷神は農業をはじめとする産業の守護神である。
中依知の部落に豪邸が多く、商売で成功しているように見えるのは、この地の宗教が強く影響しているのではないかと考えられる。
茂戸藤さんは横浜市の根岸相沢の山元町にも居ますよね
・中依知に限らず、神奈川県の部落には富裕層が多い
・富裕層が多い部落では解放同盟より同和会の方が強い傾向がある
という見方で正しいでしょうか? 各部落の平均所得と同和会加入率との相関関係について、統計を取ってみたら面白いかも。
神奈川県の部落には富裕層が多いかどうかは分からないです。
外観から見る限りは、曽屋と六浦は違うような気がします。
小地域の平均所得を推計するのは工夫が必要なようです。
http://www.csis.u-tokyo.ac.jp/dp/103.pdf
妄想ぶりが面白いというか、バカというか。
http://komatsudayohei.jp/seijitosyakaijosei/39382/
>「余命3年時事日記」の正体(運営者)については、
>「鳥取ループ」という人物ではないか?
>などと、一部で噂になっているようですが、
https://yomeiblog.com/2017/03/07/601-%E4%BD%99%E5%91%BD%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93/
>鳥取ループという方が「余命」の正体ではないかという情報が寄せられました
リンク先のブログは、文体がもろに業者のアフィブログですね。
民生住宅さんの博打のカタに白山神社が無くなったは面白い
バブルでヤクザ化していたかな