曲輪クエスト(247) 大阪府 富田林市 若松1丁目

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By 宮部 龍彦

ここはかつては「南新堂」と言い、戦前には268戸の部落だったとされている。さらに昔は「富田」と言い、応仁の乱の落人の7戸から始まったとされる。

この場所を探訪しようと思ったのは、地元研究者からリクエストがあったからだ。しかし、研究者によればここはそもそも賎民の村ではなく、水平社によってでっち上げられた部落なのだという。

近くにあるスーパー、サンプラザ富田林店付近から探訪を開始した。ここは親しみを込めて略称の「若一」と地元では呼ばれる。以前に探訪した西一のようなものか。

『部落解放研究』2019年3月号に「大阪府富田林市・富田地区の歴史概観」(田村賢一)という記事が掲載されており、新堂村の枝村である南新堂が斃牛馬の処理や太鼓づくりをしていたことが書かれている。

ここは部落の墓地で、若松一丁目からは少し離れたところにある。名字の傾向は特になく、皆ばらばらで、古くから様々なところから人が移住してきていることを示唆している。

この墓地が同和事業で整備されたことが、はっきりと書かれている。

浄土真宗のお墓が多いが、日蓮宗(あるいは創価学会)等他の宗派も混じっている。

なお、この墓地は市から自治会が墓地の運営を委託されており、毎年8万円が自治会に支払われている。自治会が行政から墓地の運営を委託される例は初めて聞いた。

なお、墓地の横の道路には多数の車が放置されていた。中には明らかに廃棄されている車もある。必ずしも住民のものとは限らないが、この場所に駐車禁止標識がなく、幹線道路でもないので、車置き場になってしまっているとのことだ。

右翼のワンボックスカーを横目に、とりあえず部落の方へと向かった。

途中に赤レンガで囲まれた何かがあるが、地図には「若松町1丁目の辻井戸」とある。文字通り、昔使われていた共同井戸のようんだ。

この辺りが昔からの住宅地になる。

浄土真宗本願寺派圓光寺。一応はここが部落の寺ということになる。

さらに進むと共同浴場の葛城温泉がある。ここから北側に様々な同和施設があるのだが、ここは昔は田畑だったばしょだった。それが、明治末期以降に様々な場所から人が集まって都市スラムのような状態になっていた。

ご覧の通り今も運営中で、入浴料は非常に安い。ここも自治会に運営が委託され、年間650万円が市から支払われている。実は一時期廃止が予定されていたのだが、市長が代わってからなぜか廃止が延期になったという。

なお、こちらがその自治会館。

そして、若松1丁目と言えば、非常に目立つこの建物。若松団地と言い、2016年に建てられ、かなり新しい。

2017年にグッドデザイン賞を受賞している。「歴史的環境に建つ公営住宅」という名称が意味深い。お察しの通り、これは同和住宅である。

モダンというより、アヴァンギャルドな外観だが、その住宅の運営方法もアヴァンギャルドかも知れない。住宅内の掲示板には「解放ニュース」が貼られていた。

市議会で問題にされていたのだが、富田林では通常市営住宅の家賃は銀行口座引き落としなのだが、若松団地に限ってはなぜか富田林市人権協議会に集金業務が委託され、なおかつ事実上は当番となった住民が解放新聞の購読料と一緒に集金している。

若松団地に入居すると入居者の情報は解放同盟に流れ、解放新聞の購読を求められるという。家賃は8,000円から30,000円で、ゴネれば負けてくれるという話も。市営住宅の家賃は年収によって変わるので、収入状況までも解放同盟に流れてしまうというわけだ。

若松団地の隣には人権文化センター、つまりは隣保館がある。ここに人権協議会が入居している。 人権協議会というのは、要は事実上の部落解放同盟である。人権協議会にも年間400万円が市から支出されている。

ここにも同和施設であることを主張する物件がある。なお、この建物も建て替えが予定されている。

葛城温泉が廃止される代わりに、老人憩の家か隣保館の建て替えに伴って、附属施設として市営浴場が作られるのではという話も。

当然、児童館もある。

そして、これは診療所。かつては毎年1500万円が市から補助されていた。

補助金が打ち切られてから、むしろサービスがよくなったという話も。

富田林と言えば寺内町じないまち。若松1丁目のすぐ近くなので行ってみた。

寺内町はかつては水路や崖で囲まれ、4つの門だけから出入りできるようになっていた。特に若松1丁目側の門は長らく残されており「差別の門」と言われていたという。

研究者によれば明治時代に寺内町での強盗事件が南新堂村の住民によるものと疑われ、後にそうでないと判明したことがあり、その頃から水平社がこの地域に入り込んで活動するようになったという。

なお、今の吉村善美富田林市長は部落解放同盟員である。当分は若松1丁目の同和対策が縮小されることはなく、むしろフルスロットルで継続されるか再開されることになるだろう。

宮部 龍彦 について

ジャーナリスト、ソフトウェアアーキテクト。信州大学工学部卒。 同和行政を中心とする地方行政のタブー、人権ビジネス、個人情報保護などの規制利権を研究している。「ネットの電話帳」管理人。

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