【津市 百条委直前検証】田邊一派の「恫喝音声」現場は“市製糾弾会 ”だった

By 三品純

津市議会は「津市相生町自治会長問題」に関する百条委員会の設置を決定した。そこで当サイトは、百条委開催前に田邊会長が市政に影響を及ぼした背景を再検証していく。今回は2014年11月18日、津市教育長室で起きた田邊会長らによる市民への糾弾、恫喝だ。取材当初、この音声を入手し「【報道】同和問題を理由に恫喝する様子【公益】」として公開した。おそらくこの動画で相生町問題を知ったという人は多いはずだ。示現舎は恫喝音声の裏付けとなる「協議記録」を入手。記録からは津市による“市製糾弾会 ”という実態が浮き彫りになった。

一市民を田邊と職員が取り囲む地獄絵図

地元ではこの音声の中に相生町出身でスポーツ冒険家、北尾光司氏(故人)の子息がいたと囁かれたがデマなのでご注意ください。

相生町自治会長問題の象徴とも言える恫喝音声。初見という方はぜひ視聴して頂きたい。大筋はこうだ。

津市役所に苦情や要求を繰り返す一市民・S氏の対応に苦慮した市側が2014年、田邊会長に解決を依頼。仲間らとS氏に罵声を浴びせ収束を図った。市に恩を売った形の田邊会長がその後、市政に介入するようになったのはご存じの通り。この点についての詳細は関連記事

なお余談だが恫喝音声の一人、田邊会長の舎弟分のK氏は元横綱・双羽黒でスポーツ冒険家の故・北尾光司氏の息子という噂が津市内であったがこれはデマなので追記しておく。

実はS氏糾弾については年末の弊社の放送で、その内幕を一部説明したが改めて説明しよう。S氏は市役所内部でクレーマーとして通っていた。さらに歴代の障がい福祉課長に自身の障害者の子息の送迎をさせていたという。中には憔悴して退職した職員も。

こうした背景を鑑みて職員らが怒り心頭だったのは理解できる。しかし第三者の人物で「同和」を逆手にとって排除するのは明らかに不当行為だ。通常こうした行為を「エセ同和行為」と言わないか。市顧問弁護士に相談するなどいくらでも方法があったはず。

また同じく年末放送でも言及したが、この糾弾について田邊会長が市職員を恫喝していると誤解している市民、視聴者も少なくない。しかし市職員が田邊会長に依頼し一市民を糾弾したというのが真実。より異常な状況であったことをご理解頂けるだろう。

もともと恫喝現場が津市「教育長室」とは承知していたものの、詳細は把握していなかった。だが昨年末、教育室の状況について貴重な文書を入手した。

教育長室は、田邊会長とその仲間4名、また大井町自治会長、そして職員15名、合計21人で一市民を囲むという状況だった。

そしてこの恫喝という「協議」の結果、次のようなことが確認されたという。市役所内には「取り決め事項」として職員にも周知されたという。

①当事者は、市に関わる施設内において、市民等の施設利用方法や行動に対して注意及び指導を一切行わないこと。
②当事者は、人権に関わる差別言語(同和等)について、今後一切発言しないこと。
③当事者は、市職員の業務妨害となる発言及び行動を一切しないこと。
④市職員は、上記①~③に違反する当事者の行為を発見した場合、速やかに相生町自治会長に報告すること。

「取り決め事項」というよりも、S氏への「宣誓書」「念書」という性質のものだ。しかもご丁寧にも違反があった場合、「相生町自治会長に報告」とまである。まるで用心棒扱い、だ。市内部の問題を一介の自治会長に報告とは公務員倫理もあったものではない。

なぜ議会に?不自然な保存は糾弾隠蔽か

実は昨年末に同文書を入手していたが、正式に12月21日に情報公開請求を行った。

その結果、1月4日に市民部人権課人権啓発担当名で不開示決定が通知されてきた。不開示理由は「当該請求文書について、人権課内で捜索しましたが、収受及び保存していた記録が確認できなかったため、不存在」との説明だ。一方、同日には一部開示の通知が「議会事務局議会総務課」からあった。議会で保管ということである。

本件は議会とは全く無関係の出来事。すでにこの文書は議会内部で配布されたとの話だ。

なぜ議会事務局に保存されていたのかについては

「公文書の保存期間は5年ですので、市長部局では破棄されたと思われます。議会事務局にある市民からの意見を集約したファイルの中にたまたま入っていたのです」(同局)

という事情があった。幸運としか言いようがない。

もし議会内部で発見されなければ教育室糾弾の一件は闇に葬られていた可能性が高い。なにしろ相生町自治会長問題の発端と言うべき問題だ。もし市側が本気で調査するというのならば公にすべき文書のはずだが…。いずれ百条委員会が開催された際に同文書は重要な存在になる。

現場にいた市職員を直撃

仮にS氏が“ 厄介な市民”だとしても、こんな解決方法が適切だとは思えない。しかも一介の自治会長で当事者ですらない人物とその仲間を「教育長室」に引き入れて、である。紛れもなく「官製糾弾会」だ。

この件について市側に説明を求めようと試みたが、主要人物の大半が退職。現職で判明したのは國分靖久氏、駒田好彦氏、坂倉誠氏、山口兼史まで確認。いずれも飲み会リストに入った職員だ。各氏に当時のことを振り返ってもらった。

國分氏「教育委員会の総務におりまして、教育委員長室で大きな声がしたので入ってみました。教育室長室で行った事情は分かりません。Youtubeであがっている通り、大きな声ですから私は下を向いて一連のやり取りを聞いていただけです。他にどんな人がいたのかはもう記憶にはありません。私がどういうような立場として(協議記録に)出てくるのかは分かりません。ああいうやり方をどう思うか? 大きな声を挙げたのはいかがなものかと思います」

駒田氏「私が教育長室の中に呼ばれて、市民の方(S氏)が窓口で同和を差別する発言があったのか確認されました。“同和を侮蔑するような発言をしているというが(駒田氏は)知っとるんちゃうか ”と(田邊会長に)聞かれたから“ 知りませんわ”と答えました。やり取りはそれだけでした」

坂倉氏「Youtubeで話題になっている動画の件ですか? あの場に私は行っていないと思いますが。なぜ協議記録に名前が出ているか分かりません。そのような協議があったことは聞いておりました。申し訳ないけど中には入っていませんし、記憶が定かではないので」

山口氏「私もなぜそこに呼ばれたのか分かりませんし、外(教育長室の)にいたので何があったのかも聞いていません。ただSさんという市民の方についてはお聞きしていました。どういうことで? 役所にご意見に来られている方という風にです」

恐ろしいことにS氏が同和問題に関してどのような趣旨、意図の発言をしたのか定かではない。「差別発言」が糾弾された時にありがちなことだ。要は「同和を言及すること自体が差別」という理屈で糾弾の口実にしたと推測できる。「同和」を持ち出せば相手が沈黙する特徴を逆手に取ったものだろう。

では取り決め事項にある「④市職員は、上記①~③に違反する当事者の行為を発見した場合、速やかに相生町自治会長に報告すること」は今も職員の間で周知されているのだろうか。

「文書については初耳です。職員の間で周知されていることはありません」(人権課)

一方、自治会長の窓口になる地域調整室は「本当につい最近、そういう文書(協議記録)があることを知りました。周知されたとしても一部の担当者だけだと思います」という説明だ。

両担当課の説明通り「速やかに田邊会長に報告」が周知、徹底された痕跡はない。しかしS氏糾弾で「相生町会長」に配慮せよとの雰囲気が醸成されていった。

うるさ型の市民を封じるためより声の大きな人物に依頼する異様さ。しかも同和を武器に教育、人権担当の職員が恫喝現場を容認したのは呆れる他ない。こうした異常な市政はやがて「ゴミ箱」「環境パトロール」「不当要求行為」を生み出していくのであった。

【津市 百条委直前検証】田邊一派の「恫喝音声」現場は“市製糾弾会 ”だった」への5件のフィードバック

  1. 同和行政ウォッチャー

    「市民の方」「S氏」と書かれていますが、1か所だけ「S水さん」と。。。

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  2. あんご

    毒を以て毒を制す。
    しかし、市がなぜそんな毒作戦に出たのか。そこが謎。
    まともな役人の神経ならそんなことできないはず。
    もともと、その種のことがおこなれていたのではないのか?
    引き続き追及よろしく。

    返信
  3. 某奈良県民

    衝撃的な文書ですね。
    ところで、この「協議」はなぜ教育長室で行われたのでしょうか。
    人権関関連ならば市民部、自治会関連ならば市民部またはスポーツ文化振興部、障害福祉関連ならば健康福祉部だと思うのですが・・・。

    これら以外にも、建設部や環境部など出席所属はバラエティに富んでいます。
    このS氏からは、市営住宅関係や廃棄物関係など、さまざまな苦情が出ていたのではないかと想像します。

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