志木市市議会議員に当選した「平成の龍馬」独占インタビュー(前編)

By 鳥取ループ

先月10日に行われた、ある街の市議会議員選挙の結果がネットを中心に話題となった。その街とは埼玉県志木市、最下位ながら当選した候補の名前が「多田光宏」であった。所属政党は、その名も「NHKから国民を守る党」。

2012年に起こった、有料衛星放送をタダで見られる方法がネットで拡散してしまった、いわゆるB-CAS騒動をご存知の方であれば、すぐにピンと来たはずだ。

多田光宏氏と言えば、当時「平成の龍馬」を名乗ってブログ等でこの方法を拡散し、そのために警察に目をつけられてしまい、「私電磁的記録不正作出・供用」の罪で逮捕され、2013年12月3日に懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決を受けたその人である。この騒動については弊舎刊、「B-CAS 事故 ‘8674422’」をお読みいただきたい。

「2ちゃんねる」等でも早速多田氏の当選は話題となり、概ねその反応は「ワロタ」の一言に尽きる。B-CAS騒動の時は無鉄砲な人物として半ば馬鹿にされていたのだが、それの人物が市議会議員選挙に出て、しかも当選した、もはや言葉が出てこない。

それにしても、多田氏はなぜ市議会議員選挙に出馬したのか、そして、なぜ当選することができたのか。その謎を解明すべく、筆者は志木市へと向かった。

埼玉化する日本」という本が出るくらい、埼玉というのは特徴のない地域の代表格のようなところだ。一方、東京のベッドタウンとして賑わいがあり、若者が多く、活気のある一面もある。

志木市も率直に言えばこれといって特徴のない街で、しかも小さな自治体である。人口は7万人程度で、東西が5キロメートル程度しかないので、少し頑張れば徒歩でも市内全域を廻れてしまう。

筆者は市内のファミリーレストランで多田氏に会うことができた。もう昼食時は過ぎていたのだが、それでもほとんどの席が埋まっていて、しかも若い女性が多い。

早速、筆者は多田氏に疑問をぶつけてみた。まずは「NHKから国民を守る党」とは何なのかということだ。

「政治的な部分で、“左”“右”というのは関係ないです。NHKが受信料を徴収する制度を廃止させたい、それだけです。例えば立花さんと大橋さん(後述)は“ブルーリボン”(北朝鮮に拉致された被害者の救出を願うバッヂで、昨今は保守系議員の目印のようになっている)を付けているような人ですが、僕は付けてないです」

NHKから国民を守る党は国政選挙での実績はないので、政党要件を満たしてはいないのだが、それでも地方議員を多田氏を含めて3人抱えている。代表の立花たちばな孝志たかし氏は千葉県船橋市議会議員で、さらに埼玉県朝霞市議会議員の大橋おおはし昌信まさのぶ氏が党に所属している。

党是は一言で言えば「反NHK」であって、その理由までは問わない。

NHKと言えば、最近の例では2009年に放送されたNHKスペシャル「JAPANデビュー」を巡って、日本の台湾統治を悪として描くという偏向報道があったとして、主に“右”の人々によって訴えられたことがあった。

一方、2001年に放送されたETV特集「戦争をどう裁くか」において、「女性国際戦犯法廷」について批判的な報道をしたことを巡って主に“左”の人々によって訴えられたこともある。

最近でもNHKを始めとして放送局が安倍政権寄りの報道をしているという“左”の人々の批判があり、そのため「思いっきり左翼」(多田氏談)な人が党の活動に参加することもあるという。

それでは、多田氏の政治的立場はどうなのかと言うと、このような答えが返ってきた。

「小さな政府というのが僕の考えです。しかも、もっと強力な。フリードマンの「資本主義と自由」のような考え方です」

フリードマンの「資本主義と自由」と言えば、いわゆる「新自由主義」のバイブルのようなものだが、しかし、多田氏は新自由主義という言葉は好まないということだ。

「新自由主義と言うと、最近ではどうしても右みたいに思われてしまう。左翼の人は自由主義というと弱者切り捨てみたいに言うけど、そうではなくて最低のラインは確保して、その上で自由な競争をするということです」

例えば、年金などの福祉政策を一切廃止する代わりに、一定の金額を全員に給付する「ベーシックインカム」や、低所得者に一定の所得に満たない分を給付する「負の所得税」という考えに多田氏は賛成だという。そして、自らの考えには「リバタリアン」という言葉が合致するだろうということだ。

また、B-CAS騒動で逮捕された経験から、警察とメディアの癒着にも疑問を持っているという。例えば、メディアは警察から本来は守秘義務の対象となる情報を提供してもらっている立場なので、警察を批判しにくいという問題である。

あえて既存の政党で考えが近い政党を挙げてもらうと、多田氏は「大阪維新の会」を挙げた。

そして、自由主義と言っても、様々な分野がある中で、多田氏が斬り込みたいのが特に放送業界というわけである。多田氏の考えは、「NHKは民営化するべき」ということだ。無論、NHKが巨大企業として参入してくれば、広告料収入の取り合いになるので、民放が猛反発することは必至であることは十分に承知の上だ。

NHKから国民を守る党は、とにかく受信料の徴収を止めさせることが目的なので、NHK民営化が唯一の選択肢ではない。党の中では、衛星放送のようにスクランブルをかけるべきだ、国有化して税金で運営するべきだという主張もあるという。

しかし、いずれにしても地方議員だけで出来ることではない。「夜間に集金人が来ることを禁止する条例を作る」「事前連絡なしに訪問して集金することを禁止する条例を作る」といった提案はあるが、条例制定のハードルは高いし、一地方自治体はそれをやったところで焼け石に水である。

多田氏を始め、党の目標は国政への進出であり。地方選挙はその足がかりである。党の存在意義は、率直なところ、そのための資金、人材集めという面がある。

さて、後編では「どうして当選できたのか」「市議会議員としてどのような活動をするのか」これらの疑問を通じて、地方議員選挙の裏側に迫っていきたいと思う。

nhk2

志木市市議会議員に当選した「平成の龍馬」独占インタビュー(前編)」への1件のフィードバック

  1. 斉藤ママ(部落在住なのに減免なし)

    残念ながらB-CAS事故の本は読んでいません。
    暇になったら買って読みますね。
    不当判決の話のようですが、裁判は、不当だったりデタラメだったりするものです。
    弁護士会に利益が入るようにするためにある。インプットとアウトプットはなんでもいい。

    そもそも事件が少なすぎるのが問題なのです。
    同和と朝鮮が事件を起こしてきたのは、裁判がなかなか国民に根付かないためです。
    司法のために同和と朝鮮があり、同和と朝鮮のために司法がある。
    だから、同和と朝鮮が不利益を被ると、数百人の弁護士が出てきて応援する。

    人と争うのが嫌いな日本人の国民性が原因です。
    平和を好む日本人は司法の敵。平和憲法をなくした方がいいと、私は思います。

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